日本郵便が提供していた「インターネット上の郵便受け」こと、デジタルメッセージサービス「MyPost」が、2026年3月18日をもってサービスを終了。
企業や役所からの大切なお知らせをオンラインで受け取れる便利なサービスでしたが、なぜ終了してしまうのでしょうか。また、関連サービスの「はこぽす」はどうなるのか、不安に思う方もいるかもしれません。
本記事では、MyPostが終了する背景にある専門的な理由を深掘りしつつ、今後の代替サービスや利用者の声、気になるQ&Aまで、皆さんの疑問に丁寧にお答えしていきます。
Mypost終了なぜ?はこぽすの今後は?

2016年1月に始まったMyPostは、約10年の歴史に幕を閉じることになります。この発表は多くの人に驚きを与えましたが、特に確定申告などで利用していた方にとっては大きな関心事だと思います。
まずは、サービス終了に至るまでの流れと、その背景にある理由について見ていきましょう。
| 時系列 | 概要 |
|---|---|
| 2016年1月 | 日本郵便が「インターネット上の郵便受け」としてMyPostのサービスを開始。 |
| 2018年頃 | 総務省の審議会で、利用者がまだ多くない状況が報告される。 |
| 2025年6月13日 | 日本郵便が正式にMyPostのサービス終了を発表。 |
| 2026年3月18日 | 午前9時をもって、MyPostの全サービスが完全に終了予定。 |
SNSなどネット上の反応を見ると、「確定申告で使っていたのに困る」という声がある一方で、「そんなサービスがあったこと自体知らなかった」「一度も使わずに終わってしまった」といった声も少なくないのが現状です。この反応の差が、サービス終了の理由を解き明かす鍵の一つと言えるかもしれません。
終了理由1:サービスの価値を高める「好循環」を生み出せなかったため

MyPostが終了する最も大きな理由は、サービスの魅力や利便性を多くの人に広め、利用者を増やしていくという「好循環」を作り出せなかったためが大きいと思われます。
MyPostのようなサービスは、「ネットワーク外部性」という特徴を持っています。
これは、利用者が増えれば増えるほど、一人ひとりの利用者にとってのサービスの価値が高まる、という仕組みのことです。
例えば、LINEは使っている友達が多いからこそ、コミュニケーションツールとしての価値が高まりますよね。
MyPostの場合、価値が高まるためには「お知らせを送る企業や官公庁(差出人)」と、「それを受け取る私たち個人(受取人)」の両方がたくさん集まる必要がありました。

しかし、サービス開始当初はビックカメラや関西電力などが差出人として参加したものの、その後、爆発的に差出人が増えることはありませんでした。
差出人が少なければ、私たち受け取る側も「登録しても受け取れるお知らせが少ないなら、使う意味があまりないな」と感じてしまいます。
逆に、利用者が少なければ、企業側も「コストをかけてMyPostに対応しても、見てくれる人が少ないなら意味がない」と考えてしまい、導入に踏み切れません。
この「鶏が先か、卵が先か」のような悪循環から抜け出せず、利用者が伸び悩んでしまったことが、サービス終了の大きな要因だと思われます。
実際に、2018年の時点で、総務省の会議では利用者数が多くないことが指摘されていました。
このような利用者の低迷によってサービスが終了する例は、他のWebサービスでも見られます。
かつて人気を博したSNSや情報収集ツールも、利用者が新しいサービスに移ってしまったり、収益化が難しくなったりすることで、サービス終了に至るケースは珍しくないのです。
| 豆知識:デジタルサービスの難しさ | 説明 | 備考 |
|---|---|---|
| ネットワーク外部性 | 利用者が増えるほど価値が高まる性質のことです。 | SNSやフリマアプリなどが典型例です。 |
| スイッチングコスト | 他のサービスに乗り換える際の手間や費用のことです。 | MyPostは他のサービスとの連携が少なく、このコストが低かった可能性も考えられます。 |
| 収益モデルの課題 | MyPostがどのように収益を上げていたかは不明ですが、利用者増が見込めないと事業継続は難しくなります。 | 多くの無料サービスは広告や法人向けプランで収益化しています。 |
終了理由2:政府主導のデジタル化推進と役割の重複が起きたため
もう一つの理由は、MyPostが担っていた役割が、より大きな政府主導のデジタル基盤である「マイナポータル」に吸収・統合される流れができたためです。

MyPostは、サービス開始当初からマイナンバーカードと連携し、確定申告の控除証明書などを電子的に受け取る「マイナポータル連携」の重要な担い手でした。これは、紙の書類を保管したり、手入力したりする手間を省ける画期的な機能だったのです。
しかし、近年、政府はデジタル庁を中心に「デジタル・ガバメント」の実現を強力に推し進めていて、その中心にあるのが、まさにマイナポータルです。
国民一人ひとりの情報を集約し、行政手続きをワンストップで完結させることを目指しており、その機能は年々強化されています。

この大きな流れの中で、日本郵便という一企業が提供するMyPostの役割は、徐々に変化していきました。
そして決定打となったのが、かんぽ生命の発表です。そこでは「MyPostは2026年3月でサービス終了となり、2026年10月からは、新しいマイナポータル連携サービスを導入予定」と明記されています。
これは、MyPostが担ってきた「民間送達サービス」としての役割を、国が主導する新しい仕組みが引き継ぐことを意味しています。
つまり、MyPostは、日本のデジタル化を推進するという初期の役割を終え、次のステージへとバトンを渡す形でサービスを終了することになった、と考えるのが自然なのです。
いわば、「お役御免」になった、という見方もできるかもしれません。
| マイナポータル連携の変遷 | 説明 | 今後の展望 |
|---|---|---|
| 連携開始当初 | MyPostやe-私書箱などの民間サービスが、証明書データの中継役を担っていました。 | 利用者は複数の選択肢から選ぶ必要がありました。 |
| MyPost終了後 | 2026年10月から新しい連携サービスが導入予定です。 | よりマイナポータルに統合された、シームレスな仕組みになることが期待されます。 |
| 将来的な目標 | 給与情報や医療費など、さらに多くの情報が自動連携されることが目標とされています。 | 手続きの完全オンライン化が進むと考えられます。 |
はこぽすの今後やMypostの代わりは?

MyPostが終了すると聞いて、「郵便局のロッカーサービス『はこぽす』も使えなくなるの?」と心配になった方もいるのではないでしょうか。結論から言うと、その心配は不要です。
はこぽすは今後も継続して利用できます。
MyPostのサイト経由ではこぽすを利用していた方も、サービス終了後は専用のウェブサイトから引き続き利用できるようになります。
はこぽすは、MyPostとは独立したサービスであり、むしろ近年サービスを拡大しています。
例えば、Packcity Japanが運営するオープン型宅配便ロッカー「PUDOステーション」との連携を大幅に強化し、利用可能な場所が全国約750カ所から約4900カ所へと、一気に6.5倍にも増えています。
駅やスーパー、コンビニなど、私たちの生活圏でますます便利に使えるようになっているのです。
では、MyPostが担っていた「お知らせの電子受け取り」の代わりはどうなるのでしょうか。
主な代替サービスは以下の2つが考えられます。
- 新しいマイナポータル連携サービス
前述の通り、2026年10月から導入が予定されている新しい公式サービスで、これが本命の代替サービスとなるでしょう。これまで以上にマイナポータルと一体化した、より使いやすいサービスになることが期待されます。 - e-私書箱などの他の民間送達サービス
MyPost以外にも、マイナポータルと連携できる民間の送達サービスは存在します。
もし新しい公式サービスの開始を待てない場合や、特定の企業がそちらにしか対応していない場合は、これらのサービスを利用することも選択肢の一つです。
| はこぽす・代替サービスのポイント | 詳細 | 注目点 |
|---|---|---|
| はこぽすの継続 | MyPost終了後も、独立したサービスとして継続されます。 | むしろ設置場所は拡大傾向にあります。 |
| 新マイナポータル連携 | 2026年10月から開始予定の公式後継サービスです。 | 利便性の向上が期待されます。 |
| e-私書箱など | 既存の他の民間送達サービスも選択肢になります。 | 自分が利用したい企業がどのサービスに対応しているか確認が必要です。 |
Mypostの終了を悲しむ声は多い?
MyPostの終了について、ネット上の声を見てみると、「悲しい」「残念だ」という声は、実はそれほど多くないのが実情です。
SNSやQ&Aサイトなどでの反応を100件と仮定して分類すると、以下のような割合になる印象です。
このように、一部のヘビーユーザーからは惜しむ声が上がっているものの、大多数の人はサービス自体を知らなかったり、使っていなかったりするのが現実のようです。
これは、やはり前述した「利用者の好循環」を生み出せなかったことの裏返しと言えるでしょう。
以下に、ネット上で見られる代表的な声をまとめてみました。
Q&A
最後に、MyPostの終了に関してよくある質問や、少し踏み込んだ疑問についてQ&A形式でお答えします。
- MyPostが終了すると、郵便局のロッカー「はこぽす」も使えなくなりますか?
いいえ、使えなくなりません。はこぽすはMyPostとは別のサービスとして、今後も継続されます。
MyPostのサイトから利用していた方は、2026年3月のサービス終了後、専用のウェブサイトから引き続き利用できるようになります。具体的な利用方法の詳細は2026年1月頃に日本郵便から案内がある予定ですので、そちらをご確認ください。- MyPostに保存していた、確定申告に使う控除証明書などのデータはどうなりますか?
2026年3月18日午前9時のサービス終了と同時に、MyPostに保存されているすべてのデータは閲覧できなくなります。
サービスが終了すると、利用者アカウントは自動的に退会処理されます。そのため、確定申告などで必要な大切なデータは、必ずサービスが終了する前にご自身でパソコンなどにダウンロードして保存しておく必要があります。忘れないように、早めにバックアップを取っておくことを強くお勧めします。- かんぽ生命の保険料払込証明書をMyPostで受け取っていました。来年以降はどうすればいいですか?
2026年10月から、かんぽ生命は新しいマイナポータル連携サービスを導入する予定です。
MyPostが終了するため、2025年分の証明書(2026年の確定申告で使用)の受け取り方がどうなるか気になるところだと思います。これまでのMyPostでの申請手続きは不要となり、新しいサービスへの登録・申請が別途必要になります。新サービスの詳細や具体的な手続き方法については、2026年10月までにかんぽ生命のホームページなどで案内される予定ですので、今後の発表を注意して確認するようにしてください。
