家系ラーメンの名店「王道家」直伝として2021年11月に千葉県松戸市松飛台でデビューした「との丸家」は、開業から約4年半で関東を中心に10店舗超を展開する勢いを見せています。
一方で「まずい」「しょっぱい」「閉店した店舗があるのはなぜ?」といった検索もあるようで、評価が割れていることも事実です。
本記事では、過去の閉店事例・SNSの声・公式情報・実食レポートを交えながら、なぜとの丸家が賛否両論なのかを多角的に調査・紹介していきます。
との丸家の閉店理由は?船橋店はなぜ短期で撤退?

との丸家の閉店事例として最も知られているのは、2022年6月にオープンしたばかりの船橋店が、わずか6か月後の同年12月25日で営業を終えた件です。
SNSでは「半年で閉店なんて何があった?」「並んだのに残念」という落胆の声と、「人手不足では?」「味がブレていた」という推測が混在していました。
【表1:との丸家グループ関連店舗の閉店・大型動向時系列】
| 年月日 | 店舗・出来事 | 概要 |
|---|---|---|
| 2021年11月23日 | 松飛台店オープン | 1号店、開店前から150人超の行列 |
| 2022年6月11日 | 船橋店オープン | 馬込霊園入口、駐車場40台規模 |
| 2022年12月25日 | 船橋店閉店 | 開業からわずか6ヶ月での閉店 |
| 2023年10月頃 | 関連業態「清水家」閉店 | 11月3日に向ヶ丘遊園へ移転 |
| 2024年1月〜 | 王道家直伝「みなみ家」開業→契約解除 | 看板剥奪の事例、レシピ逸脱と報道 |
| 2025年5月2日 | 船取店プレオープン | 旧船橋店の再起としてのリベンジ出店 |
X(旧Twitter)では2022年8月3日に殿村氏と出雲氏が取締役を辞任し、清水氏が代表取締役に就任したという法人登記まで踏み込んだ考察も見られ、単なる味の問題ではなく組織再編が背景にある可能性があります。
個人的には、閉店という事実だけを切り取って「経営失敗」と断じるのは早計で、グループ全体の戦略の一部だと感じています。次のようなものが理由として考えられます。
閉店理由1:船取線沿線への集約戦略でブランド再構築を進めたため

船橋店は2022年12月25日に閉店しましたが、それから約2年半後のを果たしています。船橋店があった県道8号線(船取線)は、千葉北西部を縦断する家系ラーメン激戦区であり、王道家グループとしてはこのエリアの旗艦をいったん撤収し、人材教育・スープ管理のオペレーションを練り直したうえで再投入したと読み解けます。
動画では「橋元統括のリベンジへの想い」とまで銘打って公開されており、戦略的な再起として位置付けられていることがうかがえます。
【表2:船橋店→船取店のリブランディング推移】
| 項目 | 旧・船橋店 | 新・船取店 |
|---|---|---|
| 開業日 | 2022年6月11日 | 2025年5月2日 |
| 立地 | 船橋市馬込町 | 船取線沿い別地点 |
| 統括責任者 | 当時の店舗責任者 | 橋元統括 |
| ポジション | グループ3号店 | リベンジ出店 |
個人的には、撤退と再起をワンセットで設計しているこの動きは、家系業態としては珍しい「都市型再開発」に近い思想に見えます。
閉店理由2:暖簾分け方式の品質統制が極めて厳格であるため

王道家グループは「直伝」という暖簾を貸す代わりに、スープ・チャーシュー・運営ルールに対して厳しい基準を課しています。
実際、長野県松本市にあった姉妹ブランド「みなみ家」では、教わったスープの作り方を守らず、市販のチャーシューを使っていたことが発覚し、看板・権利が剥奪されたとようです。
これは閉店の一因として「商標・暖簾の取り扱い基準を満たさなかった場合は容赦なく契約解除」という独自の品質統制が働いていることを示しています。
【表3:王道家系列の品質統制と契約継続の相関】
| 観点 | 求められる基準 | 違反時の帰結 |
|---|---|---|
| スープ製法 | 直伝レシピの完全遵守 | 看板剥奪・契約解除 |
| チャーシュー | 自家製・指定仕様 | 同上 |
| 接客・衛生 | 王道家本部基準 | 指導後の改善要求 |
| 仕入れ | 指定製麺所(酒井製麺等) | 同上 |
個人的には、外食業界全体でフランチャイズの形骸化が問題視される中、ここまで厳しい監督を行うことは、長期的にはブランドを守る最大の保険になっていると感じています。

まずい・しょっぱいなどの噂があるのはお店ごとの味の差?実際に食べてきた

私自身が八潮店と松飛台店で異なる時期に食べ比べを行った印象としては、確かに同じ「との丸家」を名乗りながら、塩味・脂量・スープの濃度感に差がありました。
八潮店ではキレのある醤油が立ち、麺の小麦感も明瞭でしたが、松飛台店をある日訪れた際には、過去に味わったパンチが少しぼやけ、鶏油の香りも控えめだった印象です。
【表4:私が訪問した際の各店舗の食味メモ】
| 訪問店舗 | 醤油の立ち方 | 鶏油の香り | チャーシュー | 個人的満足度 |
|---|---|---|---|---|
| 松飛台店 | 標準 | 控えめ | スモーキーで柔らか | ★★★★☆ |
| 八潮店 | くっきり強め | 香ばしい | しっとり厚切り | ★★★★★ |
| 越谷店 | バランス型 | 程よい | レディース仕様もあり | ★★★★☆ |
「しょっぱい」と感じる方が一定数いるのは事実ですが、これは家系ラーメンの本質的な味わいに由来するもので、特に注文時に「味薄め」をお願いするとちょうど良いバランスになります。
卓上の刻みショウガ・無限ニンニク・酢を活用すれば、終盤まで飽きずに楽しめました。
海苔をスープに浸し、ライスに巻いて頬張る瞬間は、家系好きならば誰もが知る幸福で、八潮店ではこの食べ方が完璧に決まりました。
ラーメン店が閉店ラッシュでまずい…。過去に閉店した店舗例

東京商工リサーチによると、2024年に倒産したラーメン店は57件と前年比26.6%増で、集計開始以降で最多を記録しました。
背景には材料価格の高騰・人手不足・1,000円の壁といった構造的な問題があります。
家系ラーメンに限定しても、近年閉店した店舗は枚挙にいとまがありません。
・2017年10月末:六角家本店閉店(横浜市神奈川区)
・2020年9月4日:有限会社六角家 破産手続開始決定
・2022年12月25日:王道家直伝 との丸家 船橋店 閉店
・2023年10月頃:清水家リアル店舗 閉店(11月3日に向ヶ丘遊園へ移転)
・2024年9月29日:横浜家系ラーメン思道 昭島店 閉店
・2025年2月15日:家系ラーメン傳助 閉店(仙台市青葉区)
・2025年6月29日:六角家戸塚店 旧店舗閉店(その後トツカーナモールで再出発)
ただし家系ラーメン全体としては倒産集計のうち横浜「家系」は5.2%にとどまり、独特の味が強みのジャンルは倒産が少ないことも分かっています。

つまり、との丸家の閉店は「家系全体の地盤沈下」ではなく、個別店舗の戦略判断や品質統制の結果として捉える方が実態に近いといえます。
個人的には、閉店ラッシュ=味の凋落と短絡的に結びつけるのは危険で、むしろ生き残った店ほど質を磨き続けている印象を持ちました。
向いている人
との丸家は誰にでも刺さるラーメンではありませんが、特定の嗜好を持つ方にはピンポイントで響く一杯です。
以下に該当する方は、足を運ぶ価値があるでしょう。
・濃いめの豚骨醤油スープを好む方
・卓上調味料で味変を楽しみたい方
・無料ライスでガッツリ食べたい方
・王道家系の系譜に興味がある方
・郊外のロードサイド店でゆっくり食事したい方
・家系初心者で「味薄め」から始めたい方
個人的には、家系初心者ほど「ラーメン薄め+ライス無料」の王道コンビから入ると失敗が少ないと感じています。
