渋谷の井の頭線高架下で34年間、24時間明かりを灯し続けてきた老舗居酒屋「山家 支店」が、2026年5月31日(日)をもって閉店します。
SNSでは「やばい」「ロスがすごい」という声が一気に広がり、渋谷の飲み文化を語るうえで欠かせない一軒だっただけに、衝撃が大きいニュースになっています。
本記事では、山家 支店がなぜ閉店するのか、その理由や撤退の背景、跡地はどうなるのか、そしてファンの反応や同じような閉店事例まで、できる限り調査してご紹介していきます。
山家の閉店理由がやばい?跡地はどうなる?

山家 支店は、東京都渋谷区道玄坂1-5-7 KINGビル B1F〜2Fにある、焼き鳥中心の大衆居酒屋です。
1992年に開業し、24時間営業・年中無休というスタイルで、終電を逃した人や仕事終わりの人の「シェルター」として愛されてきました。
隣の山家 本店と合わせると総席数は約300席にもなり、渋谷でこれだけの規模の昔ながらの酒場はかなり貴重な存在でした。
まずは、閉店が公表されてから最終日までの流れを整理してみます。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 1992年 | 山家 支店が渋谷・道玄坂で開業 |
| 2020〜2024年 | 食材費・光熱費・人件費の高騰が本格化 |
| 2026年5月 | 店舗の公式発表で閉店を告知 |
| 2026年5月31日(日) | 山家 支店が34年の歴史に幕/本店は営業継続の見込み |
気になる跡地については、現時点で「次に何が入るか」という公式な発表はありません。
道玄坂エリアは再開発が進んでいる地域なので、別の飲食店が入るのか、それとも建物自体が動くのか、続報を待つ形になります。
本店が残ることを考えると、本店側に席や機能を集約していく流れも考えられそうです。
閉店理由1:食材費・光熱費・人件費の高騰で「安さ」という看板を守りきれなくなったため

山家 支店の一番の魅力は、何と言っても「安さ」でした。
朝9時から夕方18時まではキリンラガーの生ビールが300円台、焼き鳥も1本150円前後という、いまの渋谷では信じられないような価格設定でしたが、この「安さ」を支える土台が、ここ数年でどんどん崩れてきました。
鶏肉や野菜などの食材費、電気・ガスの光熱費、そして働く人の人件費。
この三つがそろって値上がりすると、安く出せば出すほど利益が削られていきます。

とくに焼き鳥は炭火でじっくり焼くため、ガスや電気を長時間使う料理です。
安さを守ろうとすればするほど経営が苦しくなる、という板挟みの状態だったと考えられます。
実際、同じように「安さ」を売りにしてきたチェーンほど苦戦しています。
一時は100店舗近くまで広げた「金の蔵」は、コスト増などの影響で2025年3月時点で残り1店舗にまで縮小しました。
安さは強い武器ですが、コストが上がり続ける時代には逆に重荷になってしまう、という現実が見えてきます。
| 上がり続けたコスト | 山家への影響 |
|---|---|
| 鶏肉・野菜などの食材費 | 焼き鳥・つまみの原価がアップ |
| 電気・ガスの光熱費 | 炭火・24時間営業で負担が特に大きい |
| 人件費(最低賃金の上昇) | 深夜帯のスタッフ確保コストが増加 |
個人的には、あの値段とあのメニューを34年も守ってくれただけで、もう奇跡みたいなお店だったなと思います。
閉店理由2:24時間営業を支える深夜の働き手が集まりにくくなったため

山家 支店のもう一つの個性が、24時間・年中無休という営業スタイルでした。
これは裏を返すと、深夜から早朝まで働いてくれるスタッフがいて初めて成り立つ仕組みです。
ところが、いまはこの「深夜に働く人」を集めること自体がとても難しくなっています。
東京都の最低賃金は2025年に1,163円台まで上がり、深夜帯は割増賃金も必要です。
つまり、夜中も店を開け続けるほど人件費がふくらむ構造になっています。
さらに、コロナ後は会社の宴会や二次会・三次会の文化が大きく減り、深夜にお店をはしごする人そのものが少なくなりました。

日本フードサービス協会の調べでは、2024年の居酒屋の客数はコロナ前の2019年と比べて7割にも届いていません。
「深夜まで開けても以前ほどお客さんが来ない」「でも開けるには深夜手当の高いスタッフが必要」という状況では、24時間営業を続けるほど経営が苦しくなります。
大庄が運営する「庄や」は、ビルの地下や2階以上にある店を中心に閉店を進め、グループ全体の店舗数は2019年8月末の616店から2025年2月末には321店へとほぼ半分になりました。
深夜需要の変化は、山家 支店のような24時間型の酒場を直撃したと考えられます。
| 深夜営業を苦しくした変化 | 内容 |
|---|---|
| 最低賃金・深夜割増の上昇 | 夜中ほど人件費がかさむ |
| 宴会・はしご文化の減少 | 深夜のお客さんが減った |
| 居酒屋全体の客数低迷 | 2024年はコロナ前の7割未満 |
個人的には、深夜2時に焼き鳥の煙が立ちのぼるあの光景は、もう簡単には戻ってこないんだろうなと思うと、しみじみ寂しくなります。
閉店ラッシュなの?過去に閉店した店舗例

「山家 支店が閉店」と聞くと、「居酒屋って今そんなに閉店ラッシュなの?」と気になる人も多いはずです。
結論から言うと、居酒屋業態の閉店・倒産はここ数年で確かに増えています。
帝国データバンクによると、酒場・ビヤホールの倒産件数は2024年に212件とコロナ後で過去最多になり、2025年もさらに高い水準が続いています。
同じ居酒屋・焼き鳥系で、実際に閉店・大量閉店があった事例を並べてみます。
・2020年6月:金の蔵(三光マーケティングフーズ)が40店超の閉店を発表
・2021年4月:ワタミが直営居酒屋78店舗を一時休業、コロナ禍で計180店超を閉店
・2023年2月19日:庄や 八戸長横町店が営業終了(大庄グループ、青森県から撤退)
・2025年2月末:大庄「庄や」グループの店舗数が616店→321店へほぼ半減
・2025年3月:金の蔵が最盛期100店弱から残り1店舗にまで縮小
こうして並べると、山家 支店の閉店も「特別な失敗」というより、居酒屋業態全体を覆う大きな波の一つだったことが見えてきます。
一方で、宴会に頼らず気軽さで勝負する「鳥貴族」や立ち飲みの「晩杯屋」のように店舗数を保つチェーンもあり、すべての居酒屋が沈んでいるわけではありません。
個人的には、苦しい時代でも生き残るお店と惜しまれて閉じるお店、その両方を見るたびに、外食って本当に水物だなと感じてしまいます。
山家の閉店に驚く声は多い

山家 支店の口コミを見ていくと、その人気ぶりがよく分かります。
グルメサイトに寄せられた「おすすめポイント」の投票では、評価した人のうち約7割が「にぎやかな雰囲気」を、約3割が「コスパが良い」を、約2割が「お肉系メニューが充実」を選んでいます(投票数の多い順に、にぎやかな雰囲気26件・コスパ12件・お肉系7件)。
つまり、多くの人が「安くて、活気があって、肉がうまい」という三拍子に魅力を感じていたことが分かります。
そんなお店だからこそ、閉店に驚き、惜しむ声が止まりません。SNSや口コミで見られる代表的な反応をまとめます。
個人的には、世代の違う人たちが同じお店を「自分の思い出の場所」として語り合っている様子こそが、山家 支店という店の本当の価値だったんだなと感じます。
Q&A
- 山家は全部なくなってしまうのですか?
いいえ。今回閉店するのは「山家 支店」だけで、隣にある「山家 本店」は営業を続ける見込みです。本店は道玄坂1-5-9 ザ・レンガビル1Fにあり、営業時間は朝8:00〜23:00(L.O.22:30)です。ただし支店ファンが本店に流れる分、これまで以上に混雑する可能性が高いので、行くなら早めの時間がおすすめです。
- 本店は24時間営業ではないのに、なぜ支店だけ24時間だったのですか?
山家は1947年に乾物屋として創業し、高度経済成長期に焼き鳥居酒屋へと業態を広げてきた歴史があります。本店が朝〜夜の通常営業を担い、支店が深夜帯までカバーすることで、二店舗で「渋谷の24時間」を分担するような形になっていました。だからこそ、24時間を担っていた支店の閉店は、深夜の渋谷にとって大きな意味を持ちます。
- 跡地や、山家ブランドの今後はどうなりそうですか?
跡地に何が入るか、別の場所での再出店があるかについては、現時点で公式発表はありません。ただ、本店が残ること、そして「やまが」というブランドが渋谷で長く積み上げてきた信頼を考えると、別の形での展開が将来出てくる可能性はゼロではないと考えられます。続報を待ちたいところです。
