『葬いの共犯者』は、廣瀬俊先生による復讐をテーマにしたクライム・サスペンスとして非常に魅力的なスタートを切った作品でしたが、2024年6月7日に最終巻である4巻が発売されました。
ファンも多かったことから「打ち切りなのでは？」との声もあるようです。
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なぜ、この作品が短期間で終わりを迎えたのか、その背景には複数の要因が絡んでいると考えられます。
葬いの共犯者が打ち切りと噂される理由がやばい？理由を考察
『葬いの共犯者』が全4巻で完結した理由について、いくつかの背景が考えられます。
そのひとつひとつを、作中のシーンや登場人物の行動に基づいて深く分析していきます。
理由1：4巻で完結が早い・展開が急ぎすぎなため
『葬いの共犯者』は、7人のキャラクターがそれぞれに復讐を行う物語です。
登場人物一人一人が深く描かれるはずのストーリーが、4巻という短い期間で終わってしまったことは、多くのファンを驚かせました。
複数のキャラクターが交錯し、復讐を進めていく複雑な物語であるため、もっと多くの巻数が必要だったのではないかと思われます。
『葬いの共犯者』では、物語の展開が非常に速いことも問題視されていました。
復讐劇の一つ一つがあまりにも短期間で完了してしまうため、読者がキャラクターの感情に追いつく前に新しい展開が次々と進んでしまいます。
リリィ（紺野ゆり子）の復讐エピソードでも、彼女が最愛の恋人・美々子を失った苦しみを読者にじっくりと感じさせる前に、彼女の復讐計画が実行されます。
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この速い展開は、特に読者が物語に入り込むための「余韻」が足りないという感覚を生むことにつながったのではないでしょうか。
満員電車で痴漢を復讐するシーンが描かれていますが、復讐の結果に至るまでの過程があまりにも短いため、キャラクターの感情の変化や葛藤がしっかり描かれなかったように思われます。
「どんでん返し」や意外なシーンも多く、次々に新しい展開が訪れるため、読者が感情移入する余裕がなかったという意見も見受けられます。
短期間で一つの復讐が終わる展開が続いたことが、作品全体に「急ぎすぎた」という印象を与えたことが考えられます。
ただ漫画家の廣瀬俊先生の過去作品は数巻で完結することもあり、葬いの共犯者が特別に短いというわけではありません。
- 煉獄のカルマ（週刊少年マガジン）：全5巻
- 青春相関図（週刊少年マガジン）：全3巻
- 復讐の教科書（マガジンポケット）：全13巻
理由2：社会的に制裁された相手への復讐がモラル的に共感を得にくかったため
この作品では、社会的な制裁を受けたはずの相手に対しても復讐を行うシーンが描かれています。
ラブちゃんこと愛川恋の復讐相手である半グレ兄弟は、煽り運転による事故で彼女の家族を奪いましたが、その後、自首をし社会的な制裁を受けたはずでした。
にもかかわらず、ラブちゃんが彼らに復讐を行うという設定は、一部の読者にとって倫理的に受け入れがたいものでした。
すでに制裁が行われた相手に対して、さらなる復讐を遂行することに対して、感情移入が難しいという声があったのです。
復讐そのものがモラル的にグレーな領域を扱っているため、特定のエピソードが共感を呼びにくかったと考えられます。
葬いの共犯者についておさらい
『葬いの共犯者』は、復讐というテーマを軸にした重厚なクライム・サスペンスです。
物語の中心にいるのは、主人公・山吹朝人です。
彼は、弟・夕人を学校のいじめで失ったことをきっかけに、自分の手で復讐を遂げようと動き出します。
しかし、彼一人では限界があるため、他の復讐を望む者たちと手を組むことになります。
それが「復讐共有会」です。この共有会は、メンバーがお互いに手を貸し合いながら復讐を成し遂げるというルールのもとに動いていきます。
「復讐共有会」に参加することで、朝人は次第に自分自身も復讐心に飲み込まれていきます。
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登場人物たちのバックグラウンドには、それぞれ重い事情があり、復讐が唯一の救いと感じている者ばかりです。
痴漢によって恋人を失ったリリィや、家族を奪われたラブちゃんなど、それぞれが抱える痛みと向き合いながら物語が進行していきます。
復讐は法で裁かれることが難しい相手に対して行われるため、読者としても彼らの気持ちに共感しやすい場面も多いです。
| キャラクター名 | 特徴 | 復讐の動機 |
|---|---|---|
| 山吹朝人（やまぶきあさと） | 主人公。弟を失った高校生。 | 弟をいじめた犯人への復讐。 |
| リリィ（紺野ゆり子） | 復讐共有会のメンバー。恋人を失った。 | 恋人を事故死に追いやった痴漢への復讐。 |
| ラブちゃん（愛川恋） | キャバクラ嬢。幼い頃に両親を亡くした。 | 両親を奪った煽り運転犯への復讐。 |
| ダン | 復讐共有会のメンバー。冷静沈着。 | 親友を救うための復讐。 |
| ミズイロ | 復讐共有会のメンバー。冷静かつ謎めいた存在。 | 詳細な動機は不明。 |
| M子 | 復讐共有会の女性メンバー。優しそうな見た目。 | 大切な人を失ったことに対する復讐。 |
| ナナシ | 復讐共有会のメンバー。素性が不明。 | 不明な動機で復讐を計画中。 |
試し読みはこちら。
葬いの共犯者が向いている人とは
この作品は、復讐や正義に対して深く考えさせられる物語です。
そのため、読者には以下のような要素が求められます。
- ダークな物語や複雑な人間関係が好きな人
- 復讐や倫理に関する問題に興味がある人
- ミステリー要素が絡むストーリーを楽しめる人
物語の中で、キャラクターたちは常に葛藤しています。
そのため、登場人物の心の揺れ動きに共感できる読者であれば、この作品に非常に惹かれるのではないでしょうか。
