長年地域の暮らしを支えてきたあきる野東急。
突然の閉店発表に、多くの方が驚かれたのではないでしょうか。
今回はそんな閉店理由やその後について調査しました。
あきる野東急の閉店理由は?2025年1月7日に1階東急ストアが撤退(食料品・衣料品・生活用品)
あきる野市の商業の核として親しまれてきた施設が大きな転換期を迎えます。
地域の皆様の生活に密着してきた東急ストア(1階)が2025年1月7日をもって撤退します。
あきる野東急自体が閉店するわけではないのでご安心ください。
あきる野東急の東急ストアはなぜ閉店?理由を考察
商業施設を取り巻く環境は、この10年で大きく変化しています。
消費者ニーズの多様化、大型商業施設の進出、物価上昇など、複数の要因が重なり合って今回の閉店決定に至ったと考えられますね。
理由1:イオンモール日の出の影響であきる野東急自体の利用者が減っていた?
2007年11月に計画されていた日の出町でのイオンモール出店計画は、地域の商業バランスを大きく変える転換点となりました。
大規模ショッピングモールの誕生により、既存商業施設の集客に影響が出始めたのですね。
立地面での競争力は特に大きな課題でした。
あきる野東急はJR五日市線秋川駅前という好立地を誇り、駐車場も500台以上を確保していました。
しかし、圏央道日の出インターチェンジに近接し、より広大な駐車場を備えたイオンモール日の出との競争は厳しいものとなったのです。
加えて、イオンモールには
といった、モールならではの魅力がありました。
このような総合的な集客力の差が、徐々にあきる野東急の来店客数に影響を及ぼしていったと考えられますね。
特に休日の家族連れなど、まとめ買いを好む客層の流出が目立つようになっていったのです。
理由2:オザム 秋川店、スーパーアルプス あきる野店など近隣のスーパーによる影響を受けたため
東急ストアは創業以来、品質重視の商品政策を貫いてきました。
それは必然的に価格帯の上昇につながり、近隣の食品スーパーと比べると割高な印象は否めなかったのですね。
一方、周辺には次々と価格競争力のある食品スーパーがオープン。
オザム 秋川店、スーパーアルプス あきる野店も競合店といえますね。
特に2000年代以降は
といった変化が顕著となりました。
東急ストアも2014年頃から店舗リニューアルや品揃えの見直しを進めてきましたが、チェーン全体の商品政策との兼ね合いもあり、価格面での競争力向上には限界があったと考えられます。
特に日常的な食品購入において、価格差が購買行動に与える影響は大きかったのですね。
理由3: 原料や人件費、テナント料が高騰したため
近年の物価上昇は、小売業界全体に大きな影響を与えています。
特に食品スーパーにおいては、複数の経営圧迫要因が重なり合っていたと思われます。
その主な要因として
が挙げられます。
さらに、あきる野東急は第三セクターである秋川総合開発公社が管理する施設という特徴がありました。
公共性の高い事業という性格上、テナント料の柔軟な見直しが難しく、固定費の負担が重くなっていった可能性も考えられますね。
加えて、1995年の開業以来、施設の老朽化対策も必要な時期を迎えています。
2006年以降、複数回のリニューアルを実施してきましたが、大規模な設備更新には相当なコストが必要となることも、経営判断に影響を与えたのではないでしょうか。
あきる野東急の東急ストアの跡地に何ができるのか
閉店後の跡地利用については、2024年時点では東急ストア側も具体的な後継テナントを把握していない状況のようです。
ただし、1階スペースには別のスーパーマーケットが入居する方向で調整が進められているとのことですね。
実際の入れ替えは2025年2月以降になる見込みです。
これは以下のような作業に時間を要するためと考えられます。
地域の買い物環境への影響を考慮すると、空白期間はできるだけ短くすることが望ましいですね。
後継テナントには、これまで東急ストアが担ってきた地域の食品供給拠点としての役割をしっかりと引き継いでいただきたいものです。
振り返ってみると、あきる野東急は単なる商業施設以上の存在でした。
1995年の開業以来、30年以上もの長きにわたり多面的な役割を果たしてきました。
市外に流出していた購買力を取り戻し、あきる野市の商業を活性化させる。
そんな高い志を持って事業が始まったことがわかりますね。
東急ストアの後継テナントには、この理念を受け継ぎながら、新しい時代のニーズに応える商業施設として進化を遂げていってほしいと思います。
あきる野東急についておさらい
1995年10月、あきる野市の再開発事業の一環としてオープンしたあきる野東急。
開業当時は地域最大規模の商業施設として注目を集めましたね。
営業面積は1万6917平方メートルという大規模なものでした。
開業時は地元の酪農家や農家、酒造会社の商品を積極的に取り扱うなど、地域密着型の品揃えに力を入れていたことがわかります。
市外に流れていた買い物客を呼び戻し、あきる野市における新たな商業の核となることを目指していたのですね。
施設内の構成としては、1階に東急ストアの食品売場があり、2階から4階には専門店が入居。
営業時間は朝9時から夜9時まで(専門店は10時開店)となっています。
毎月19日は「とうきゅうの日」として、様々な割引サービスやイベントも実施されてきました。
ポイントカードは「TOP&カード」を導入し、食品街などの直営店舗と一部テナントで利用可能。
専門店でも独自のポイントカードやスタンプカードを併用できる仕組みを整えていましたね。
2006年には大規模なリニューアルを実施。
その後も2008年、2009年と順次新しい店舗形態への変更を行い、2014年7月には新テナント導入を図るなど、時代のニーズに合わせた改装を重ねてきました。
2025年1月7日に1階東急ストアが閉店し、1月末で専門店の一部も撤退するようですが、基本的には営業を継続する予定です。
テナントには「しまむら」「ニトリ」「ダイソー」といった大手チェーン店も入居しており、施設全体の賑わいは維持される見通しなのですね。