2002年4月よりテレビ神奈川(tvk)で放送されている情報バラエティ番組「あっぱれ!KANAGAWA大行進(あっぱれ神奈川大行進)」。
テレビ神奈川開局30周年記念番組と銘打ちスタートし、生放送と録画の2部構成で1年で当時の県内37市町村を巡り、終了予定でしたが、好評であったことから番組続行し、長年親しまれてきましたが2025年3月に終了しました。
今回はそんな終了する背景を調査しました。
あっぱれ!KANAGAWA大行進の終了理由は?考えられる理由を考察

(出典:tvk)
約23年もの間、テレビ神奈川(tvk)の看板番組として愛され続けてきた「あっぱれ!KANAGAWA大行進」。
2002年4月7日に始まったこの番組が、2025年3月をもって終了する運びになったのです。
神奈川県の全市町村を巡る地元密着型のスタイルが人気を博していたため、終了発表を受けて残念に思う方が多いですよね。
ここからは終了に至った理由を考察を交えて紹介します。
終了理由1:視聴率の低下?MC交代の影響を受けたため
あっぱれ!KANAGAWA大行進が長年にわたって続いてきた大きな要因は、地域の魅力を発信し続けたことと、個性豊かなMC陣の存在感といえます。
視聴者と直接ふれあう場面が印象的で、休日の夜に「よし、どんな街を巡るのだろう」とわくわくしてテレビをつけていた方も多かったのではないでしょうか。
しかし、2021年春にMCが大きく変わりました。
約15年にわたりメインMCを務めていたデビット伊東さんが卒業し、新たにアキラ100%さん(大橋彰さん)がメインを担当。
視聴者は、これまで聞き慣れていたデビット伊東さんのややだみ声でのツッコミや、地元の方々との絶妙な掛け合いが見られなくなる寂しさを感じたのではないでしょうか。
変更後のMCコンビはアキラ100%さんと照井七瀬アナウンサー。
SNS上でも「デビット伊東さん時代のファンはちょっと離れたかも」「新しいコンビも面白いけど、昔と比べて落ち着きが少し減った気がする」というような書き込みを目にすることがありました。
アキラ100%さんはロケ番組自体にチャレンジするのが初期のころは慣れていなかったかもしれません。
地域の方々と対話しながら情報を聞き出すスタイルへの順応には時間が必要だったのではないでしょうか。
MC交代があったからといって必ずしも視聴率が急激に下がるわけではありませんが、番組のイメージが大きく変わることで視聴習慣が乱れることはよくあります。
話は変わりが、めざましテレビで長年MCを務めてきた軽部アナも卒業したと噂されているようです。

終了理由2:制作費や人件費の高騰のため
放送業界はここ数年、広告収入の伸び悩みや制作コストの増加が話題になっていますよね。
独立局のテレビ神奈川(tvk)は、在京キー局に比べると予算規模がどうしても限られる面がありますので、毎週のロケを全国規模で行うような番組よりも地元に集中した内容で勝負してきたのです。
あっぱれ!KANAGAWA大行進の魅力は、文字どおり神奈川県内の全市町村をくまなく巡り歩き、商店街や観光地、歴史的な場所などを取り上げてきたことですよね。
移動費や宿泊費、そしてスタッフの賃金、カメラや録音機材のメンテナンス費用など、長寿番組ならではの支出が多くなっていく傾向があるのです。
番組が始まった2002年当時は、今ほど映像技術が進んでおらず、予算面でもコンパクトに回せていた局面があったかもしれませんね。
地デジへの完全移行(2011年)や高精細映像へのシフトなど、技術の進歩に対応するためには番組単位での設備投資も増えていきます。
こうした背景の中で、長期にわたってロケ中心の番組を維持していくのは簡単ではないのでしょう。
思い浮かべられるものだけでも以下のような費用が最低限かかります。
上記は地味に番組の負担になる要素。1回ごとの支出は大きくなくても、毎週重なると高額になりますよね。
「あっぱれ!KANAGAWA大行進」は県内全域を巡るため、年度内に複数の市町村を回るスケジュールを組むのが恒例だったのです。
そうした積み重ねが最終的な制作費の増大につながったのではないでしょうか。
終了理由3:打ち切り?春の番組改変のため
テレビ業界では、毎年4月と10月に大きな番組改編が行われるのです。
番組のリニューアルや新番組の立ち上げが集中するため、長く続いた番組がこのタイミングで終了するのは珍しくありませんよね。
春改編は新年度という区切りも重なりやすいので、年度末の3月に終了を迎えるケースが多いのです。
「あっぱれ!KANAGAWA大行進」も例外ではなかった模様。
長寿番組ゆえの“年度内完走”という考え方があるのではないでしょうか。
県内を1年かけて行進し、3月末に総まとめとなる流れは、それまでの放送でも定番となっていましたよね。
春改編によって新しいコンテンツを投入するのは、局としても視聴率アップやスポンサー確保を狙える大事な機会。
次なる地域情報バラエティや若年層向け番組の企画が出ていた場合、「あっぱれ!」の枠を移行することが検討されたと思われます。
あっぱれ!KANAGAWA大行進のデビット伊東さんの卒業理由は?
デビット伊東さんは芸能活動とラーメン店経営を両立させながら、なんと15年近くも番組の顔を務めてきましたね。
土曜の夜に、お店の厨房から飛び出してきたようなノリで視聴者を楽しませる姿が記憶に残っている方もいるのではないでしょうか。
そんなデビット伊東さんが2021年に番組を卒業することになりましたが、その理由にはいくつかの背景があったようです。
長年の活動の区切りだった?
2005年頃から本格的に番組のMCを担当し続けたデビット伊東さん。
地元・神奈川県の隅々を巡りながら、飲食店や観光名所、地域に根付く伝統文化を紹介する姿が印象的でした。
街中で声をかけられることも多く、ロケ先で素人さんに囲まれて「デビさん、いつも応援してますよ!」と声援を受けるエピソードは珍しくなかったのです。
十数年にわたる長期出演はタレントとしても大きなライフワークだったのではないでしょうか。
しかし、番組自体が大幅リニューアルやMC交代を迎えるタイミングで「ここで一度卒業して、新しいステップを踏もう」という考えが出てくるのは自然な流れなのです。
長期出演者としては「番組の節目を自分の節目にもしたい」という気持ちが芽生えるのは理解できますよね。
デビット伊東さんはかつてお笑い芸人グループ「B21スペシャル」として活躍してきた経歴があり、単なるタレントという枠を超えて“実業家”としても成功してきた人物。
多方面にわたり才能を発揮し、長年のタレント活動に一区切りをつけたい時期だったのではないでしょうか。
デビット伊東は、芸能界で「B21スペシャル」としてブレイクするも、タレントとして伸び悩んでいた2000年に『とんねるずの生でダラダラいかせて!!』の企画で福岡の「一風堂」でラーメン修行を経験。
左足のアキレス腱断裂による後遺症もあり、芸能界を一時離れ、2000年に渋谷でラーメン店「でび」をオープン(後に「でびっと」に改名)。
その後、いかりや長介の後押しもあり芸能界に復帰し、ラーメン店経営と俳優業を両立。
2021年には真鶴町で「伊藤商店」も開店し、ラーメン店の経営に力を入れている。
地方移住とラーメン店経営への専念が大きな理由かも
卒業の背景には、デビット伊東さんが2021年頃から本格的に地方移住に踏み切ったという事情もありましたね。
神奈川県の港町である真鶴町へ移住し、新たに「伊藤商店」というラーメン店をオープンしたのです。
これは妻の出身地に近い環境を求めた結果とも言われていますよね。
もともとデビット伊東さんは番組企画がきっかけでラーメン店経営に乗り出し、最盛期には海外含め16店舗(国内6店舗、海外10店舗)展開していました。
しかしコロナ禍の影響で海外店舗がすべて閉店となり、大変厳しい状況に陥ったのだとか。
そういった苦しい経験が「夫婦で一から再挑戦しよう」という決意につながったのではないでしょうか。
真鶴町は人口6000人程度の小さな港町で海の幸が豊富で、近隣には漁港や魚市場が存在します。
新しい店では地元の素材を活かしたサバ塩ラーメンや、奥さま考案の“神奈岡おでん”を提供している姿がバラエティ番組でも紹介されていました。
夫婦そろって店頭に立つ光景は微笑ましく、「人生最後のラーメン店」にかける想いが強く伝わってきますよね。
ただ、ロケのスケジュールや番組の収録日は、タレント活動を続けるうえで外せない要素です。
そういった兼ね合いを考慮し、「あっぱれ!KANAGAWA大行進」から卒業することで、飲食事業に専念する道を選んだのではないでしょうか。
最後に番組の概要をまとめます。
項目 | 内容 |
---|---|
放送開始 | 2002年4月7日 |
放送局 | テレビ神奈川(tvk) |
放送時間 | 現在は土曜日21:00〜21:55(過去には生放送時代や再放送枠もあり) |
番組の特徴 |
神奈川県内の市町村を訪れ、地域の魅力を発掘・紹介する街歩き型情報バラエティ番組。 地元の名物グルメ、観光スポット、特産品、地元住民との触れ合いを通じ、親しみやすい地域情報を届ける。 |
番組の成り立ち |
tvk開局30周年記念番組としてスタート。当初は1年で終了予定だったが、好評につき継続。 県内37市町村を巡るスタイルが定着し、以降も神奈川県全域を対象に放送を続けている。 |
放送形態の変遷 |
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デビット伊東の出演期間 | 2005年4月〜2021年3月(第4期〜第10期のMC) |
番組内コーナー例 |
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放送スタイル |
毎週異なる市町村を訪問し、地元の人々と触れ合いながら「街ブラ」感覚で町の魅力を紹介。 ロケ先の飲食店や商店街での食レポや、地元の歴史・文化を掘り下げるスタイルが人気。 |
節目 |
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番組の影響 |
番組をきっかけに地域への観光促進や地元PRに大きく貢献。 出演者と地元住民の交流が生まれるなど、地域密着型番組として愛され続けた。 |