バームクーヘンで有名なクラブハリエですが、B-studio博多阪急店(以下:クラブハリエ博多店)が閉店。
立地も良かったことから賑わっていた店舗ですが、なぜ撤退したのでしょうか。
クラブハリエ博多店の閉店なぜ?撤退理由を調査

(出典:CULB HARIE)
撤退理由とは 長年親しまれてきたクラブハリエ博多店。
2011年3月3日にオープンし、長年愛されてきたお店でした。
クラブハリエ B-studio博多阪急店は2024年3月14日に閉店
これまで九州唯一のクラブハリエB-studioとして、多くのファンを獲得してきた店舗。
2025年上半期時点でも九州の新店舗の情報はなく、距離的に近いのはうめだ阪急店、あべのハルカス近鉄店などになります。
駅直結のロケーションのため、お土産や差し入れ用に購入する人が絶えない印象がありましたね。
以下のような店舗も閉店に至っていました。
クラブハリエ 渋谷東急本店:
渋谷東急本店内にあったクラブハリエの店舗は、現在閉店しています。
クラブハリエ 日本橋三越店(カフェ部門):
日本橋三越店では、カフェ部門が閉店し、一時的に「焼きたてバームクーヘン」の販売も終了しました。ただし、販売のみの形態で営業は継続されています。
クラブハリエキッズ 阪急うめだ本店:
子ども向け商品を取り扱う「クラブハリエキッズ 阪急うめだ本店」も閉店しています。KIDS商品は「ラ コリーナ近江八幡」で引き続き取り扱われています。
オクシタニアル 東京本店:
クラブハリエが手掛けるフランス菓子専門店「オクシタニアル 東京本店」は、2025年3月15日をもって閉店。閉店後にリニューアルを経て、クラブハリエの新店舗として再オープン。
ここからはなぜクラブハリエ博多店が閉店に至ったのかその背景や具体的な理由を考察を交え紹介します。
閉店理由1:アミュプラザ博多やキャナルシティ博多などの競合施設の影響を受けたため
同じ博多駅周辺だけでも、アミュプラザ博多、JRJP博多ビル、キャナルシティ博多といった大型商業施設が連なっているのはご存じの方も多いはず。
駅ビルには数多くの有名スイーツ店が進出し、ローカルブランドから全国区のチェーンまでひしめき合う激戦区になっています。

(出典:JR HAKATA CITY)
朝から夜まで多くの人で賑わう半面、店舗同士の競合が極めて激しくなるのは当然のことと思われます。
しかも博多駅エリアは年々新しいブランドが登場し、新規オープンの話題店がSNSなどを中心に瞬く間に認知度を高めることが多いのです。
そうした動向の影響を受けて、従来からの人気店であっても売上を維持することが難しくなるケースがあるのです。
お菓子やスイーツの分野は、季節限定商品やビジュアル重視の話題性が高い商品など、トレンドの移り変わりが早いですよね。
最先端の新店舗が連日話題を呼び、新しさを求めるお客さまが一極集中する時期もあるようです。
閉店理由2:オンライン販売に注力するため

(出典:CULB HARIE)
コロナ禍以降、多くのスイーツブランドがECサイトや通販に力を入れているのは周知の事実ですよね。
クラブハリエ自身も公式オンラインショップを運営しており、特にコロナ禍を受けてバームクーヘンや焼き菓子などを全国に配送できる仕組みをより整えてきたようです。
近年は通信販売での売上が右肩上がりになっているとの見方もあるため、実店舗への依存度を下げ、全体の経営バランスを取る動きは自然だと思います。
クラブハリエの場合は、1973年からバームクーヘンの製法を独自に発展させてきた職人技が評判を呼び、滋賀県内の「ラ コリーナ近江八幡」など観光地的な店舗で多くの集客を得ています。
そうした本拠地型の施設や、オンライン販売が好調であるならば、地域によっては撤退しても全体としてのブランド価値を維持できると判断することもあるのではないでしょうか。

(出典:CULB HARIE)
お中元やお歳暮といった贈答シーズンに、企業や個人がまとめて取り寄せる需要も高まっていますね。
わざわざ店舗で待たなくても、オンラインで気軽に注文し自宅へ届けてもらえるメリットが広く浸透し始めた今、物理的な場所に頼らない戦略へシフトしているのだと思われます。
閉店理由3:原料や人件費、賃料の高騰のため
近年、食品業界全般で「原材料費の値上げ」「人件費の上昇」「テナント料の増加」が話題になることが多いですよね。
博多駅周辺は一等地ともいえる立地ですから、賃料の負担が大きいのは想像しやすいと思います。
さらに、職人技を支えるスタッフの確保や店舗運営の諸経費を考慮すると、収益バランスが取りにくくなってきているのではないでしょうか。
HPにも一人前になるのに3〜5年はかかる、機械まかせにはしたくないと書かれており、非効率でもユーザーのことを考えて美味しさを追求する姿勢が感じられます。
素晴らしいですね。

(出典:CULB HARIE)
ただし、そういったスタンスではどうしても人件費が高騰する昨今、赤字に陥りやすいですよね。
以下は厚生労働省の令和6年度地域別最低賃金改定状況になるのですが、クラブハリエ博多店のあった福岡県でも、前年度比で時給が5.4%(51円)も上がっています。

(出典:厚生労働省)
クラブハリエは、機械任せにせず1時間以上かけて一層ずつ焼き上げる工程に職人が立ち会うことで、バームクーヘン特有のふわふわ感やしっとり感を生み出しています。
大きな魅力ですが、逆に言えば大量生産しづらい上に、人件費の負担が増す要因にもなるのです。
また、原材料となる卵やバター、小麦粉なども世界的な価格高騰が続き、企業努力だけでは吸収しきれない部分が出てきたのではないでしょうか。
特に多くを海外から輸入している小麦粉は円安の影響をもろに受けるため、たとえ現地での原料価格が変わらなくても円安によって1.3倍など値上がりするケースも多いのです。
クラブハリエ博多が閉店しても人気は変わらない

(出典:CULB HARIE)
博多の拠点がなくなることに、一抹の寂しさを感じる方がいるのは事実。
しかし、クラブハリエというブランド自体は長年培った技術やファンの支持を受け、全国的に強い認知度を持っているのです。
滋賀の本拠地を中心に関西や関東、さらにはオンラインを活用することで、博多に直接行かずとも商品を購入し続けられるのは大きな強みですね。
人気の理由
やはり人気がある大きな理由は「ふわふわ」で「しっとり」した口当たりの良さです。
機械に頼らず、気温や湿度に合わせて卵の泡立て方法を変え、一層一層を慎重に焼き重ねる職人技は他ブランドとの差別化につながっていると思います。
同じバームクーヘンの有名ブランド「治一郎」はさらにしっとり感を極める路線、「マダムシンコ」はキャラメルを加えた華やかな甘さなどを打ち出していますよね。

(出典:マダムシンコ オンラインショップ)
そうした中でクラブハリエは、上質な卵の味わいと後味の軽さを両立し、バニラの香りや手塗りフォンダンの上品な甘味で仕上げているのが特長ではないでしょうか。
「ラ コリーナ近江八幡」のような体験型施設を設置し、工場見学や焼きたてバームクーヘンのテイクアウトができる仕組みを作り上げているのも大きいと思われます。
訪れる人に「ここでしか味わえない」特別感を提供できるため、ブランドイメージが強固になるのではないでしょうか。
こうした観光要素とお菓子の融合は、近年の消費者ニーズに合致しているように思いますね。
一方で味が落ちた声も…
クラブハリエと言えば「しっとりしていて美味しい」「バターの香りが良い」など高評価が目立ちますが、一部の口コミサイトなどで「昔より味が落ちたように感じる」との指摘を見かけることもあるのです。
長く愛用しているファンだからこそ、少しの変化にも敏感になるのではないでしょうか。
おそらく以下のような部分が原因かとは思います。
やはり一概に「質が落ちた」とは言い切れない部分があると思われます。
クラブハリエは、空気の含ませ方や焼き具合を調整しているため、気候条件や生地の状態に左右されやすいのではないでしょうか。
焼きたての実演販売コーナーで購入すると「やっぱり最高にふわふわでしたね。」という声が依然として多いのは事実と思います。
向いている人って?
クラブハリエのバームクーヘンは、以下の特徴を好む方に特に向いていると思われます。
これらにピンとくるのであれば、クラブハリエのバームクーヘンを一度試してみる価値は高いです。
たとえ博多店がなくなっても、全国の百貨店や公式オンラインショップで取り寄せる方法がありますし、「ラ コリーナ近江八幡」でしか味わえない焼きたて感を体験しに行く選択肢もありますよね。
気になる方はぜひ一度オンラインショップ等で購入してみてください。
ご自宅用はもちろんギフトにも大変喜ばれますよ。
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