ファッション好きの間で長年親しまれてきた「イーザッカマニアストアーズ」。
オリジナル性の高いアイテムと神戸発の独特な世界観で、多くのファンを魅了してきたブランドです。
しかし、2025年4月15日をもって全てのEC事業が終了。
今回はイーザッカマニアストアーズがなぜ閉店に至ったのか、そして以前から出現している偽サイトへの注意点についてもお伝えしていきます。
ちなみに、調査時点では以下のようにAmazonや楽天に商品(在庫)は残っている状態でした。ご参考までに。
イーザッカマニアストアーズ閉店なぜ?オンライン事業まで撤退した理由とは

(出典:イーザッカマニアストアーズ)
オンラインでの人気も高かったイーザッカマニアストアーズですが、なぜすべての事業を終了することになったのでしょうか。
実店舗の閉店なども踏まえると複数の理由が考えられます。
閉店理由1:コロナ禍の影響を受けたため

(出典:イーザッカマニアストアーズ)
まず大きかったのが、新型コロナウイルス感染拡大による実店舗への影響です。
2020年以降、多くの店舗が臨時休業を余儀なくされ、その期間の売上は当然ゼロに近い状態に。
神戸を拠点とする実店舗も例外ではなく、感染予防のため来店者数が激減し、収益の柱を失ったと言えます。
コロナ融資の返済負担などがあり、コロナ終息後に倒産する企業も増えており、イーザッカマニアストアーズのような小売業も大ダメージを受けています。
以下は内閣府のデータですが2022〜2024年にかけて倒産件数は前年度比を下回ることはかなり少なく常に増加していることがわかります。

(出典:内閣府)
また、コロナ禍で多くの企業が経験したように、消費者の購買行動が大きく変化したことも関係しています。
「とりあえず買ってみる」ではなく「本当に必要な物しか買わない」という傾向が強まり、ファッションのような“感覚消費”は後回しにされる傾向が強まったのです。
閉店理由2:物価高、人件費高騰、円安による仕入れ価格の高騰のため
そして、より深刻だったのは経済面の構造的変化です。
2023年から続く円安は、特に海外製造が多いアパレル業界にとって大打撃でした。
有限会社ズーティー(運営会社)も例外ではなく、製造コストや輸入コストが跳ね上がったことで、利益率が一気に悪化したと見られます。
さらに人件費の上昇や、物流費の高騰もダブルパンチ。
こちらの厚生労働省のグラフでもわかりますが、人件費も常に右肩上がりですよね。

(出典:厚生労働省)
ちょっと話は変わりますが、ファッションブランドにとって「安く、可愛く、早く届ける」は命ともいえるテーマ。
それが保てなくなると、顧客満足度も落ちてしまいますよね。
イーザッカマニアストアーズは配送の早さでも高評価を得ていただけに、この点は痛手だったと思われます。
閉店理由3:SHEINやZOZOTOWN、Temuなど競合ECの影響を受けたため
アパレルECの競争は年々激化しており、特にSHEIN(シーイン)やTemu(ティーム)といった海外系の激安ECサイトの登場は、日本の中小規模ブランドにとって大きな脅威でした。

(出典:イーザッカマニアストアーズ)
SHEINは驚くほど安価でトレンドを取り入れたアイテムを提供し、しかも広告費を惜しまずSNS上で大規模なプロモーションを展開しています。
Temuも同様で、品質にはちょっと課題にがありそうですが価格面だけでなく“バズる力”に長けているのが特徴。
こういった新しい勢力に対抗するには、広告投資や仕入れコントロール、物流体制の強化が必要ですが、それらを一挙に行うには多大な資金と組織力が必要です。
つまり、売上自体は一見好調でも「利益が残らない」「キャッシュが足りない」という構造に陥っていた…というのが実情なのだと思われます。
神戸岡本店など2023年9月期までにすべての実店舗が閉鎖されていた
実は、今回のオンライン事業の終了に先立ち、イーザッカマニアストアーズはすでに実店舗をすべて閉店していました。
神戸の人気スポット岡本にあった「zootie×fablica神戸岡本店」も、2023年8月31日で営業を終了。
さらに全国の催事出店や東京・渋谷の期間限定ショップも姿を消しています。
ここからも、経営資源をネットに絞り込んだものの、それでも立て直しは難しかったという苦しい現実がうかがえますね。
イーザッカマニアストアーズ閉店で終了!偽サイトに騙されないで
イーザッカマニアストアーズの閉店後、ネット上では「まだ買えるサイトを見つけた!」という声も見られます。
怪しい偽サイトの見分け方
実は、イーザッカマニアストアーズの名を騙った偽サイトが複数出回っています。
そもそも公式が撤退した2025年4月15日以降でメルカリ・Yahoo!フリマ等での中古品販売を除いて公式風に販売されているケースはほぼほぼ偽サイトといえます。
①URLが怪しい
公式は「https://e-zakkamania.com/」です。
「.xyz」や「.buzz」「.top」などの他のドメイン(URL)を使っているサイトは偽サイトの可能性が非常に高いです。
②日本語が変
これはわかりやすいケースですが、「お得で商品を用意しております」など、どこか変な言い回しや誤字脱字がある場合も要注意です。
③価格が異常に安い
イーザッカマニアストアーズは3,000〜10,000円くらいの商品が多いですが1,000円以下の商品ばかなりなど明らかに安いケースも注意してください。
④連絡先が怪しい
電話番号が載っていない、あるいは住所が検索しても存在しないような場合、詐欺の可能性が高いです。
実際に、偽サイトに個人情報を入力してしまったという相談も多数報告されています。
中には「支払いをしたのに商品が届かない」「返金も対応してもらえない」といったケースも見受けられました。
イーザッカマニアストアーズ復活は厳しそう
多くのファンが「復活してほしい」と願っているのも事実です。
SNSでも「また再開してくれたら絶対買うのに」といった声が後を絶ちません。
しかし、今回の自己破産手続きにおいては、ズーティーの関連会社も含めてすべて事業を停止しており、負債総額は30億円とかなりの規模に上ります。
このような状況から見るに、ブランドそのものの再起は相当難しいと考えられます。
仮にどこかの企業が権利を買い取って再開するようなことがあったとしても、それはまったく新しいスタイルになる可能性が高いですね。