千葉市中央区寒川町で長年にわたり地元の人々や周辺地域の利用者に親しまれていた笑顔の湯・千葉寒川店。
今回はなぜ閉店に至ったのか調査しました。
笑顔の湯・千葉寒川店の閉店理由は？
検索結果を見る限り閉店理由が気になる方は多いようです。
（出典：Google）
笑顔の湯・千葉寒川店は2000年11月21日にオープン、2022年3月31日に閉店した
千葉寒川店は2000年11月21日にオープンして、2022年3月31日に閉店。
オープン当初から地元住民の憩いの場として認知され、多種多様なお風呂やサウナ、レストランなどの付帯サービスで人気を博していたようです。
約21年半近くにわたる営業期間は、一般的なスーパー銭湯の営業年数としては決して短いものではないですよね。
ちなみに2025年時点では、同系列の松戸矢切店については閉店していないものの2020年3月18日に大規模なリニューアル工事が行われ、閉店するのではないかと噂されたこともあったようです。
ここからはそんな笑顔の湯・千葉寒川店の閉店理由について考察を交え紹介します。
閉店理由1：湯の郷ほのか 蘇我店、石の湯、蘇我 大和湯など競合店の影響を受けたため
閉店を聞いて真っ先に思い浮かぶのが「競合店とのバッティング」です。
周辺地域には、湯の郷ほのか 蘇我店や石の湯、蘇我 大和湯などの温浴施設が数多く点在していますよね。
他の温泉施設が車で数分圏内に密集していたため、想像以上に激しい競争をもたらしたのではないでしょうか。
露天風呂や炭酸泉、岩盤浴といった設備面はもちろん、レストランのメニュー、料金体系、営業時間の長さなど、利用者は多くの比較要素を持っていますよね。
結果的に「より好みの施設を選ぶ」消費者行動が起こり、笑顔の湯・千葉寒川店への来館者数に影響が及んだと思われます。
閉店理由2：施設の老朽化のため（約21年半営業）
長く通っていた人にとっては「だいぶ建物が傷んでいるように感じた」という印象を持った方もいるでしょう。
およそ21年半の営業を続けてきた笑顔の湯・千葉寒川店では、施設内部の老朽化が進行していたようです。
温浴施設は常に大量のお湯を循環させる配管やボイラーの稼働、そしてサウナや塩サウナなど高温多湿の設備を運営する必要があるため、定期的なメンテナンスコストが非常に高額だったと思います。
浴槽・配管設備
温泉水の成分が配管や浴槽に付着し、腐食や詰まりを引き起こします。特に塩分濃度が高い場合、金属部分が錆びやすくなります。
耐用年数: 約10～20年
浴場内のタイルや防水加工
温泉水や清掃用薬品で劣化が進みやすい箇所です。
耐用年数: 約10～15年
ボイラーやポンプなどの機械設備
温泉を汲み上げたり加熱する設備は使用頻度やメンテナンス状況により寿命が異なります。
耐用年数: 約10～15年
換気設備
湿気や塩分の影響で劣化しやすく、定期的な交換が必要です。
耐用年数: 約10～20年
経営状態が厳しい中で大規模改修をすることは、収益バランスや投資回収リスクを考えると容易ではないと思われます。
施設の床材の張り替えや浴槽の大規模修繕、給排水設備の交換などは多額の資金が必要となるのです。
耐用年数を超えてまで使い続けるには事故リスクも増えるため、常に安全面との兼ね合いを考慮しなければなりませんね。
老朽化が顕著になってきた時期に、続けて大きな投資が必要となると、経営側としては撤退も視野に入れるのではないでしょうか。
閉店理由3：燃料や人件費の高騰、コロナ禍の影響を受けたため
温浴施設の場合、大量のお湯を沸かすためにガスや重油、電力などを多く消費しますよね。
近年は燃料価格の変動が激しく、コストが一気に跳ね上がるケースも珍しくありません。
燃料費の上昇が収支を圧迫し、光熱費を抑えたい一方でサービスの質を落とせばリピーター離れに直結する恐れがあるのです。
以下の経済産業省のグラフでもわかるように2021〜2022年は特に高騰しました。
（出典：経済産業省）
人件費の面でも最低賃金の引き上げ傾向が続き、アルバイトやパート、正社員を含むスタッフ配置にもコストがかかると思います。
過去には病むおえず回数券や施設内でのヘアカット料金など複数の面で価格の見直しを行なっていました。
（出典：笑がおの湯）
さらに2020年前後から大きな影響を及ぼしたのがコロナ禍ですね。
温浴施設やスーパー銭湯は密閉・密集・密接の「三密」と捉えられやすい場所として、営業自粛や営業時間の短縮を余儀なくされた時期がありました。
そうした状況の中で利用客が激減したところも多く、売上ダウンは深刻だったと思われます。
新型コロナウイルス感染拡大当初、ニュースなどを見ていて温浴施設の利用者が通常期の3割以下に落ちたケースも多かったですし、特に高齢者はリスクを考慮し、外出自粛を続けていました。
従来の顧客が減ることで経営は厳しくなり、固定費が高い施設ほどダメージは大きかったと思います。
跡地は賃貸施設の可能性が高い！2022年11月には施設は取り壊されていた
（出典：Googleマップ）
閉店後を調査すると2022年11月ごろには建物は取り壊し終わっていたようです。
大きな施設だったため周辺への影響も気になっていた方が多かったのではないでしょうか。
（出典：Googleマップ）
Googleマップを見る限り跡地には賃貸施設の建設が計画されていました。
そもそも都市部や市街地近くの大規模な敷地は、高層マンションやアパートなどの賃貸住宅に再開発されやすい傾向がありますよね。
笑顔の湯の閉店理由は死亡事件？
調査すると「死亡」という検索ワードがでてきます。
（出典：Google）
笑顔の湯・千葉寒川店で何か事件があったのでしょうか。
検索結果に「死亡」と出てくるが直接的な関係はない
調査しても該当する情報は出て来ず、検索ワード・サジェスト表示は、必ずしも事実に基づいているわけではないと思われます。
インターネットの特性上、他施設で起きた死亡事故や温浴業界全般の事故ニュースなどが検索候補に混ざってしまう場合がありますよね。
警察や自治体が公表する形跡も見当たらないため、「死亡事件が起きたから閉店した」という見方は相当根拠が薄いのではないでしょうか。
近隣の温泉施設での死亡事件や高齢者の入浴事故は依然として多い
ただ温浴施設における事故は実際にゼロではありませんよね。
高齢者を中心に、ヒートショックや溺水などのリスクが報じられることがあります。
日本では年間1万9,000人前後が入浴中に何らかの原因で死亡しているとのデータも存在するため、「入浴事故」は決して他人事ではないのです。
こうした要因で、高齢の方が急死するケースは全国的に報告されていますよね。
しかし、これらはあくまで個人の健康状態や入浴環境など複合的な理由によるものであり、笑顔の湯・千葉寒川店の閉店とは直接結びつかないのではないでしょうか。
別の例ですが、埼玉県内のスーパー銭湯や、東京都内の老舗銭湯などで偶発的な死亡事故が発生したことは過去に報道されています。
しかし施設側の重大な落ち度がある事故かといえば必ずしもそうではなく、入浴客の体調や持病が関係するケースも多いのです。
