レギュラーとしての最終回を迎えることになったNHKの「ファミリーヒストリー」。
各界で活躍するプロフェッショナルの父母や先祖がいかに生き抜いてきたかを国内外や関連人物へ取材し、そのVTRや視聴する本人の感想で構成されており、人気番組の一つでした。
2008年10月11日から放送されていて放送時間や曜日の変更も多々ありましたが、毎週放送。
しかし、レギュラー放送は2018年3月14日に終了しています。
今回はそんな「ファミリーヒストリー」のレギュラー放送が最終回に至った理由を紹介します。
ファミリーヒストリー最終回なぜ?終了理由とは
(出典:ファミリーヒストリー)
レギュラー放送は2018年3月14日に終了し、その後は基本的に月1回ほどの不定期放送へと形態が変わりました。
前提として番組が完全に終了したわけではありません。
ただ当時リアルタイムで視聴していた人にとって毎週放送から月一放送への変化は大きな転換点だったのではないでしょうか。
前提:レギュラー放送が終わり、2018年度より不定期(基本月1回)放送になっている
(出典:ファミリーヒストリー)
放送開始して約10年半迎えた2018年度以降、「ファミリーヒストリー」は、レギュラー枠を離れ、不定期での放送にシフト。
基本的に月1回放送されています。
当初は月曜日の19:30〜20:43などに放送されていましたが、2024年時点では金曜日22:00〜22:45に変化しています。
完全に放送終了したわけではないものの、以前のような毎週の放送が終わったことで、視聴習慣を持っていたファンには残念な思いが広がったのではないでしょうか。
ここからは、その具体的な理由を一つずつ整理していきます。
レギュラー最終回・終了した理由1:視聴率向上を目指した番組改変のため
視聴率はテレビ局にとって重要な指標であり、NHKといえども安定した数字が求められているのではないでしょうか。
「ファミリーヒストリー」は、著名人の先祖を丁寧に紐解き、意外なルーツや隠された歴史を明かすスタイルで多くの視聴者の心を掴んできたのです。
・志村けん
志村けんさんの家族の歴史を辿り、父親の生い立ちや家業を継がなかった理由などが明らかにされました。また、戦国時代の甲州武田家との関わりも紹介されました。
・北野武(ビートたけし)
父と母の実家すら知らないという北野武さん。映画監督やコメディアンとして知られる北野武が自身のルーツを探る回では、家族の歴史や影響を受けた先人たちの物語が語られました。
・桂文枝
落語家の桂文枝さんは、戦争で亡くなった父親の遺骨が発見されるという感動的なエピソードが展開され、彼の家族の歴史が深く掘り下げられました。
・草刈正雄
草刈正雄さんは、父親がアメリカ兵であることが明らかになり、彼との初対面を果たすまでの過程が描かれました。
・坂本龍一
音楽家の坂本龍一さんは、先祖が江戸時代に福岡藩黒田家に仕えていたことなど自身の家族の歴史を探る中で、先祖の影響や背景が明らかにされました。
芸能界など各界の重鎮が多く登場し好きだった人も多かったでしょう。
とはいえ、放送回数が増えるごとに企画の新鮮味維持は難しくなることが考えられます。
10年半も放送してくると、仮に月5回放送と仮定すると600名以上が登場することになります。
誰もが出演してくれるとは限らないのでネタ切れということもあったかもしれません。
また、時代によって人気のジャンルが移ろいゆく傾向があり、より短い尺でインパクトを与える番組や、ネット配信との相乗効果を狙った企画が台頭する中、「ファミリーヒストリー」のスタイルは刷新を迫られたと考えるのが自然なのかもしれません。
こうした動きがレギュラー放送終了の一因になったと考えられます。
レギュラー最終回・終了した理由2:コスト的に放送できない?制作コストが高かったため
(出典:中小企業庁)
「ファミリーヒストリー」の制作には、かなり手間と費用がかかっていた点も見逃せないですよね。
家系図の調査、関連する古文書・記録の精査、海外にまで及ぶ取材、関係者への長期的な聞き取りなど、多面的なプロセスを踏む必要があるため、スタッフや外部専門家への報酬、取材経費などが積み上がることは想像に難くないのです。
年々高くなる物価や人件費の高騰など予算を逼迫していたのかもしれません。
長期間のレギュラー放送を続けるには、安定的な予算確保が求められますが、他に力を入れたい新番組や大型企画がある場合、どうしても取材コストの高い番組は不定期化せざるをえないでしょう。
コストと効果を比較しながら最適な編成を追求する中で、「ファミリーヒストリー」の扱いが変化したのではないでしょうか。
レギュラー最終回・終了した理由3:長時間のドキュメンタリー番組の需要が低下したため
視聴者のライフスタイルや嗜好は、年々変化しているのではないでしょうか。
インターネット配信やSNS、動画共有サービスなどが発展している現代では、わざわざ放送時間に合わせて長時間のドキュメンタリーを視聴するスタイルが以前ほど支持されない傾向が見受けられるのです。
また、視聴者の大半は中高年だと思われますが、昨今では定年後も働く方が増えており、高齢者のプライベートの時間が減っている傾向にあります。
(出典:総務省統計局)
視聴率がじわじわと下がったこともあり、費用対効果を考えてレギュラー放送から不定期放送に変えた可能性はありそうですね。
ファミリーヒストリーでひどい回も?嘘くさいなど一部で不満の声も!?
(出典:Google)
番組を愛し続ける視聴者がいる一方で、中には内容に疑問を投げかける人がいるのではないでしょうか。
「ファミリーヒストリー」は、ゲスト本人も知らない事実を掘り起こして感動を呼ぶ反面、情報の正確性や演出面に懸念が生じる場合もあったのです。
視聴者が歴史的事実や文化背景に敏感になるほど、番組内容に対して「嘘くさい」「配慮が足りない」と感じる人も出てくるのかもしれません。
ジャーナリストの鳥越俊太郎氏の家系図が偽物だった
この番組の評判に大きな影響を与えたエピソードとして、鳥越俊太郎さんの回が挙げられますね。
この問題により、再放送が中止になった回があったのです。
番組のリサーチの甘さが露呈した瞬間であり、視聴者の信頼を揺るがす結果となったのではないでしょうか。
丁寧な事実確認が求められるなか、こういったミスは痛手だったと思われます。
この一件を機に、番組に「嘘くさい」という印象を抱く視聴者も増えた可能性があり、後の放送や評価にも影響を及ぼしたのです。
戦争や沖縄文化に関する賛否の声も
文化的背景や歴史に対する配慮不足も指摘材料になっていますよね。
こういったケースは、地域性や歴史的事実への十分な理解がないまま番組が進行したと感じられる余地を残してしまうのです。
戦争体験や地域独特の文化を慎重に扱うことは、視聴者の共感を得る上でも不可欠なことですよね。
こうした不満は、番組への興味を失わせる可能性があり、その後の視聴率や番組イメージにも響くため、制作者側は大きな課題を突き付けられたのではないでしょうか。
ファミリーヒストリーのレギュラー最終回を悲しむ声も!見る方法とは
番組がレギュラー放送としての幕を下ろした後も、「あの回がもう一度見たい」「感動的だった場面を振り返りたい」と思う視聴者が多いのではないでしょうか。
過去放送回を見る方法
(出典:Amazonプライムビデオ)
過去の「ファミリーヒストリー」はNHKオンデマンドやAmazonプライムビデオで見ることができます。
項目 | NHKオンデマンド | Amazon Prime Video |
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料金体系 |
・月額990円(税込)の見放題パック ・単品購入110円~220円(税込)(視聴期限72時間) |
・Amazonプライム会員:月額500円(税込)または年額4,900円(税込)で一部タイトル見放題 ・一部作品は個別レンタル・購入制 |
配信作品数 | ・NHK制作のドキュメンタリー、ドラマ、番組など約16,000本以上 | ・国内外のドラマ、映画、アニメ、バラエティ、オリジナル作品など多岐に渡る豊富なラインナップ |
視聴デバイス | ・PC、スマートフォン、タブレット、テレビ対応 | ・PC、スマートフォン、タブレット、Fire TV、スマートTVなど多様なデバイスに対応 |
特徴 |
・NHK独自の番組アーカイブへのアクセス可能 ・大河ドラマ、連続テレビ小説などNHK名作をいつでも視聴可能 |
・オリジナル作品や海外ドラマ、映画が充実 ・プライム会員特典として配送特典やPrime Musicなど他サービスも利用可能 |
公式リンク | NHKオンデマンド | Amazonプライムビデオ |
これらの方法を活用すれば、忙しい時期でも好きなタイミングで視聴が可能です。
また、再放送も定期的にされているのでそちらをチェックするのもおすすめですよ。
番組が向いている人
ここまでの内容も踏まえつつ 「ファミリーヒストリー」は、家族の絆や歴史、知られざるルーツをたどることに興味を持つ視聴者に適していると言えますね。
このような方々が再度視聴することで、過去の感動や発見を深められると思われます。
今後もオンデマンド配信や特番を通じて、こうした視聴者層が満足できる番組づくりが期待されるのです。
毎週放送への復活は難しくても今後も放送し続けてほしいですね。