長崎の名店、江山楼本店が2021年末に閉店し、観光客や地元住民でショックを受けた人も多いはず。
江山楼は「ちゃんぽん」と「皿うどん」で有名で、長年にわたり地元に根付いてきた老舗中華料理店です。

(出典:江山楼)
しかし、なぜ閉店することになったのか、そして新館との違いは何なのか、さらに詳しく掘り下げていきたいと思います。
長崎江山楼の本店の閉店なぜ?理由を調査
2021年12月30日、長崎市の中心部にある江山楼本店が閉店しました。
この閉店は単なる経営方針の変更ではなく、複数の要因が重なり合った結果であると考えられます。具
体的に、なぜこの名店が閉店に至ったのか、さまざまな視点から考察します。
閉店理由1:コロナ禍による影響を受けたため
まず一つ目の理由として挙げられるのが、やはり新型コロナウイルスの影響です。
2020年から始まったパンデミックは、観光業に依存している長崎市にとって致命的でした。
特に江山楼本店は、観光客が多く訪れる繁華街に位置していましたが、旅行者の減少によって大きな打撃を受けたのです。
江山楼本店は、観光で訪れる団体客や、長崎観光を楽しむ人々が頻繁に利用していたため、コロナ禍によってその客層を失ったことが閉店に至る大きな要因だったと考えられます。
また、長崎市は観光都市として多くの海外からの旅行者も受け入れていましたが、国際観光がストップしたことで、本店への訪問者が激減しました。
長崎は、坂道や風光明媚な景色が魅力の街ですが、その魅力を楽しむための食事処としても江山楼は重要な役割を果たしていました。
その主要な客層を失うことは、店舗の維持に直接影響を与えたと思われます。
閉店理由2:原料費や人件費の高騰のため
次に挙げられるのは、原料費や人件費の高騰です。
江山楼の料理は、ちゃんぽんや皿うどんに代表されるように、新鮮な海産物や野菜をふんだんに使用しています。
しかし、近年の原材料費の上昇や物流コストの増加により、経営が厳しくなっていたことが予想されます。
特に長崎は新鮮な海鮮を使った料理が魅力ですが、その高品質を保つためには安定した仕入れが必要です。
市場価格の上昇が経営に直接響いた可能性が高いです。
さらに、コロナ禍によって人手不足が深刻化した結果、以下の厚生労働省のデータの通り人件費も上昇しました。

(出典:厚生労働省)
飲食店では、調理スタッフやホールスタッフの確保が難しくなり、特に老舗のように一貫したサービスを提供する店では、従業員の経験や技術が欠かせません。
これらのコストが本店の運営に重くのしかかり、結果的に閉店に追い込まれた可能性もありますね。
閉店理由3:新館への経営リソース集中のため
新館への経営リソース集中も重要な要因の一つです。
前述した1、2などの影響を受けて新館への移行を考えたのではないでしょうか。
本店は1953年(昭和28年) 8月に開業し、閉店するまで68年営業を続けていました。
店舗の老朽化や全面的なリフォームを考えると新館に注力したほうが効率が良かったのかもしれません。
設備や内装も最新のものが導入されているため、経営効率を考えた際に新館にリソースを集中させる選択が取られたのでしょう。
本店は長崎市新地町13-16、新館は新地町13-13と徒歩で1,2分の距離にあるので引越しもそこまで大変ではなさそうですよね。
新館は席数は400席と本館の280席よりも広く、中華街の入り口に近いため、多くのお客さんに利用されています。
味は変わらず高く評価されているので安心してくださいね。
過去にはバナナマンのせっかくグルメ!!にも人気店として取り上げられていました。
そんなバナナマンのせっかくグルメ!!ですが打ち切りや終了説、やらせの噂まであるようです。

長崎江山楼の本店と新館の違いってある?
本店と新館の間に大きなメニューや味の違いはありませんが、雰囲気や店内の規模には大きな違いがあります。
長崎新地中華街に位置する本店は、1946年に創業され、その伝統的な雰囲気とアットホームなサービスが地元の常連客に愛されていました。
多くの観光客が訪れる一方で、地元の人々にとっても思い入れの深い場所でした。

(出典:江山楼)
一方、1996年に開業した新館は、観光客向けにより大規模な設備を整えたモダンな店舗です。
新館は400名を収容できる広さを誇り、内装も明るく開放的で、観光バスで訪れる団体客にも対応しています。
新館の特徴は、より多くの座席を確保し、ゆったりとした空間で食事を楽しめる点です。
また、店舗のレイアウトも効率的で、回転率が高く、観光客にとって利用しやすい店になっています。
一方で、本店は古き良き時代の面影を残し、長崎の風情を感じることができるという点で、観光客にとっても特別な場所でした。
しかしながら、施設の老朽化や規模の制約により、新館にリソースを集中する選択がなされたと考えられます。
長崎江山楼の人気メニュー

(出典:江山楼)
江山楼の料理といえば、「ちゃんぽん」や「皿うどん」が代表的なメニューです。
特に、地元民や観光客の双方から高い評価を受けています。
ちゃんぽんは、鶏ガラと豚骨をベースにした濃厚なスープに、新鮮な海鮮や野菜がたっぷりと加わり、クリーミーでありながらも飽きのこない味わいが特徴です。
特上ちゃんぽん
江山楼の特上ちゃんぽんは、特濃スープに豊富な海鮮が贅沢に使われており、食べ応えがあります。
アサリやイカといった海の幸がたっぷりと入ったこのちゃんぽんは、江山楼を訪れたら必ず味わいたい逸品です。
特上皿うどん(細麺・太麺)
皿うどんも江山楼の名物で、細麺と太麺の2種類があります。
細麺は、パリッとした食感が楽しめ、餡が麺に絡んで食べ応えがあります。
一方、太麺はもちもちとした歯ごたえで、ボリューム感が特徴です。
どちらも具材の豊富さが人気の秘訣です。
トンポーロー(豚の角煮まんじゅう)
角煮まんじゅうは、豚の角煮がふわふわの饅頭に挟んで提供される料理です。
脂身がほどよく溶け込んだ柔らかい角煮と、甘辛いタレが絶妙にマッチしていて、こちらも江山楼の看板メニューの贅沢な一品です。
長崎江山楼についておさらい
江山楼は、1946年に創業された中華料理の老舗で、長崎新地中華街に位置しています。
創業者の王玉官さんは、中国福建省出身で、戦後に長崎に移り住み、家族と共に小さな中華料理店を開きました。
この小さな店舗が、今日の江山楼の礎となったのです。
ちゃんぽんや皿うどんといったメニューを通じて、日本国内だけでなく、世界中からの観光客にも愛され続けてきました。

(出典:江山楼)
長崎は中華料理文化が根付いている地域であり、ちゃんぽんという料理そのものが地域のシンボルとなっています。
江山楼の魅力は、長年変わらないその味わいと、地元の食材を使った料理のバリエーションにあります。
鶏ガラベースのスープに海鮮や野菜がふんだんに盛り込まれたちゃんぽんは、食材の新鮮さを感じられる一品です。
特に特上ちゃんぽんは、豪華な具材が使われており、一杯のボリュームが満点。
新館に訪れたら、この特上ちゃんぽんをぜひ味わいたいところです。
さらに、江山楼は観光客だけでなく、地元民にとっても馴染み深い存在です。
長崎の街と共に歩んできたこの店は、地元の人々の食生活の一部としても根付いており、長年のファンも多いのです。
項目 | 内容 |
---|---|
創業 | 1946年(昭和21年)9月 |
本店開業 | 1953年(昭和28年)8月 |
新館オープン | 1996年(平成8年)11月 |
創業者 | 王玉官・王梅瑛 |
代表者 | 王国雄 |
代表料理 | 特上ちゃんぽん、皿うどん、トンポーロー |
収容人数(新館) | 約400名 |
所在地 | 長崎県長崎市新地町13番13号 |
公式HP | http://www.kouzanrou.com/ |
長崎江山楼(新館)が向いている人とは
江山楼の新館は、長崎を訪れる観光客や家族連れ、大人数での食事を楽しみたい人々にとって最適な場所です。
広々とした店内は約400人を収容できるキャパシティを誇り、団体での利用にも柔軟に対応しています。
中華街の中心に位置し、長崎の観光スポットを楽しんだ後に立ち寄りやすいというアクセスの良さもポイントです。
また、長崎市内の観光地に近いため、長崎の文化や歴史に触れながら、その合間に本場のちゃんぽんや皿うどんを味わうことができるのが新館の魅力です。
江山楼の料理は、親しみやすい味付けが特徴で、辛さ控えめで日本人の口に合う中華料理が多く、家族連れにも好まれています。
新館は、食事だけでなく、地元の歴史や文化を感じることができる場所としても魅力的です。
観光の一環として、ぜひ訪れてみてください。