大人気バスケットボール漫画「黒子のバスケ」の作者について、死亡説まであるようです。
今回は、そのような噂が広まった背景と真相について、詳しく解説していきます。
黒子のバスケ作者死亡説はなぜ?理由を考察
(出典:Google)
調査する限り突然の連載終了や脅迫事件など、様々な出来事が重なったことで、作者についての噂が広がりました。
一つ一つ紹介していきます。
前提:黒子のバスケ作者「藤巻忠俊先生」は健在!
(出典:週刊少年ジャンプ)
前提として黒子のバスケの作者である藤巻忠俊さんは現在も精力的に活動を続けており、2024年時点でも週刊少年ジャンプで新作「キルアオ」を連載中なのです。
このように、むしろ以前より活発に活動されているのですね。
では、なぜ死亡説のような噂が広まったのでしょうか。
理由1:脅迫事件があったため
2012年10月から2013年12月までの約1年間、藤巻さんや関係各所への執拗な脅迫行為が続きました。
ニュースでもかなり話題になっていたので知っている人も多いはず。
具体的な脅威の内容としては以下のようなものがありました。
当時、犯人が捕まっていなかったこともあり影響を受けた企業は次のような対応をしました。
このような前代未聞の事態に、出版業界全体が震撼としたのですね。
事件の影響で作者の動向に注目が集まり、様々な憶測を呼ぶことになってしまったのです。
藤巻さんの命に関わる事件でもあったことから死亡説が上がってのでしょう。
ちなみに犯人である渡邊博史氏は2013年に逮捕されています。
動機ですが「努力教の自明性に溺れた成功者への嫉妬」だったようです。
渡邊博史氏は幼少期からの家庭環境や学校でのいじめ体験により、社会的な居場所を失っていったそう。
自分を「生ける屍」と表現し、社会への強い不満を抱えていました。
直接の面識がない藤巻さんを標的に選んだのは、「夢を持って努力ができた普通の人たち」の代表と見なしたためです。
個人的な恨みではなく、社会的成功者への象徴として行動を起こしたと語っています。
また、自身の行為を「人生格差犯罪」と位置付け、最後に社会的インパクトを残そうとした心理も垣間見えます。
理由2:「生ける屍の結末――「黒子のバスケ」脅迫事件の全真相」という本が発売されたため
2014年10月に出版された「生ける屍の結末――「黒子のバスケ」脅迫事件の全真相」は、事件の真相を明かすもので賛否分かれました。
渡邊博史被告が獄中で書き下ろした衝撃手記で、「生ける屍」というネガティブなタイトルも話題でした。
簡単な詳細は以下の通りです。
読者の中には、「これほど深刻な事件なのだから、作者が無事なわけがない」と短絡的に考えてしまう人も出てくる可能性がありますよね。
こうした過激な印象がネット上の噂を強め、死亡説という形で流布されてしまったようにも考えられます。
理由3:打ち切り疑惑?人気絶頂での連載終了のため
漫画もアニメも人気絶頂で、関連商品もたくさん出ているなかでの完結に賛否あったようです。
打ち切り疑惑まであったのですが、実際のところは打ち切りではありません。
「黒子のバスケ」は2009年連載開始から徐々に人気が上昇し、アニメ化(2012年~)によって一気に爆発的な支持を得ました。
その人気はコミックス売上や関連グッズ展開でも明確で、「週刊少年ジャンプ」を代表する人気作の一つとなりました。
しかし、連載本編は2014年40号で終了し、ファンを驚かせたのです。
通常なら人気作品は連載を延ばすケースも多いため、この潔い終了は一部の読者に「急に終わった=作者にトラブルがあった?」という勘繰りを生み出したのではないでしょうか。
そうした疑念が、結果的に「死亡説」という極端なデマにつながった可能性があるのです。
連載当初の苦労を知るファンほど、突然の完結に驚きを隠せなかったのです。
完結していますが以下のように続編・番外編も出されています。
理由4:作画が最初と最後で結構違うため(藤巻先生の絵が上達)
長期連載作品で作画や画風が変わるのは極めて自然なことですよね。
「黒子のバスケ」でも初期はやや粗削りだったタッチが、中盤以降は格段に洗練され、キャラクターの表情や動きにさらなる迫力が増していきました。
ところが、一部では「画風の劇的変化=作者が交代したのでは?」という根拠なき憶測が広がったのです。
中には「作者が亡くなり、別の人が描いている」といった極端な妄想へと飛躍する人も出てきたと考えられますね。
このような過度な発想は、ネット上の噂や都市伝説的な流れで拡散されてしまう点が問題なのです。
実際、連載が長い作品で連載当初と完結間際で作画が違う(良くなっている)ことは多々あります。
以下は一例ですが、この記事を読まれている方もこれまで読んだ作品で同様のことを思ったことがあるはず。
このような劇的な進化は、作者の努力の証でもあるのですが、時として読者に違和感を与えてしまうこともあるのです。
理由5:ROBOT×LASERBEAM連載やキルアオ連載まで少し時間が空いていたため
「黒子のバスケ」連載終了後、すぐに次の長期連載へと移行すると思い込んでいた読者も多かったのではないでしょうか。
しかし実際には短期間ながら「前衛のアーチャー」「狐日和の紺次郎」という読切を挟み、「ROBOT×LASERBEAM」が始まるまでに少し間隔が空きました。
(出典:週刊少年ジャンプ)
それでも、ファン心理としては、「あれほどの人気作家がなぜ次の連載に入らないのか」と不安に思ってしまう人もいるでしょうね。
その不安がいつしか歪曲され、「作者が亡くなったから描けない」という事実無根の噂へと化けることも考えられます。
・2014年:黒子のバスケ本編完結
・2015年:前衛のアーチャー(読切)
・2017年:ROBOT×LASERBEAM連載開始
・2020年:狐日和の紺次郎(読切)
・2022年:キルアオハル(読切)
・2023年:キルアオ連載開始
理由6:黒子のバスケ番外編と黒子のバスケEXTRA GAMEが続かなかったため
(出典:週刊少年ジャンプ)
「黒子のバスケ」完結後、「黒子のバスケ番外編」や「黒子のバスケ EXTRA GAME」が短期間連載されましたが、いずれも長期展開には至りませんでした。
そもそも短期間での連載を予定していた可能性が高いですが。。
ファンとしてはさらなる物語を求める声も多かったでしょうが、作者が次の作品に進むのは普通のことです。
むしろ、物語を適度な長さで収束させることで、作品が美しく完結しているのです。
しかし、一部読者は「続かないのは作者に何かあったから?」と早合点してしまい、それが死亡説への発展を手助けしたかもしれませんね。
番外編とEXTRA GAMEは以下のような感じでした。
黒子のバスケは今も人気!その後編(プロ編など)を望む声は多い
10年以上経った今でも、黒子のバスケへの愛は衰えることを知りません。
黒子のバスケは本編完結後も、アニメ再放送、劇場版「LAST GAME」、公式グッズやイベントコラボなどで根強い人気を維持していますよね。
ファンは黒子や火神が成長して世界で活躍する「プロ編」や「海外遠征編」など新たな物語への期待を胸に抱いている方も多いようです。
これらの状況を踏まえると、藤巻先生が健在である以上、新たな企画やスピンオフ、読切などが登場する可能性も残されていると考えられますよね。
死亡説に惑わされるよりも、作者の現在進行形の活躍や、過去作品の再評価、新展開の可能性に目を向けることが、ファンにとって有意義ではないでしょうか。