神奈川県平塚市の大型商業施設「ららぽーと湘南平塚」で2023年から2024年にかけて相次ぐ店舗閉店の動き。
2023年には40近い店舗が閉店し、2024年も引き続き複数の店舗が閉店を表明しています。
今回はそんな閉店理由を調査しました。
平塚ららぽーとが閉店ラッシュ?閉店なぜ?閉店理由を調査
商業施設の運営には、経済的要因から地域特性まで、複合的な要素が影響を与えています。
施設の将来性を左右する重要な課題として、各方面から注目が集まっているのですね。
理由1:テナント賃料が高すぎ、契約満了で撤退したため
ららぽーと湘南平塚では、2023年から2024年にかけて多くの店舗が閉店しています。
この背景には、テナントの賃料が高く、店舗運営が困難になっているという経営上の課題があるようですね。
2023年には40近い店舗が閉店したとの報告があり、これは経済的な圧力が影響していると考えられます。
2024年2月にはDr.MartensやRASHなどの店舗が閉店。
大手ブランドの撤退は、施設全体の集客力にも影響を与える可能性が高いのではないでしょうか。
商業施設の収益構造において、テナント賃料は重要な要素となっています。賃料設定が各店舗の経営判断に大きな影響を与えている状況が浮き彫りとなっているのですね。
(出典:三井不動産)
大元である三井不動産のページで、ららぽーと湘南平塚の一部をスポットで借りた場合の金額を見ていたのですが、上の画像の通り、2週間でも数十万〜数百万かかるようです。
出店場所にもよりますが1階の入り口付近など集客がかなり見込めるスポットは月に数百万以上払っている可能性が高そうです。
原料や人件費の高騰で値上げしてもこれまでの利益率をキープできない企業が多い中、テナント費用も高いとなると撤退を考えるきっかけになるはずです。
理由2:リニューアルによる一時閉店のため
ららぽーと湘南平塚の閉店には、リニューアルを目的とした一時的なものも含まれています。
2023年1月にはSunglasses&Eyewearshop Creer、リーバイスⓇストア、ORIHICA HALF MARKET、QUIKSILVER STORE、PORT OF CALLなどが、改装のために一時閉店しました。
このリニューアルは、施設の魅力向上や集客の強化を目指す取り組みの一環です。
2016年の施設開業を考えると店舗構成や内装の刷新が必要な時期を迎えているのではないでしょうか。
イオンなどでもそうですが大体5〜10年おきに大規模なリニューアルをするケースが多いように感じます。
理由3:立地の不便さ(駅から遠い)から誘客に苦戦していたため
ららぽーと湘南平塚は、JR東海道線「平塚」駅から徒歩12分という立地にあります。
この距離は、商業施設としては決して近いとは言えない場所にあるのですね。
公共交通機関でのアクセスには、平塚駅からバスも運行されています。
しかし、利用者からは交通の利便性に関する課題が指摘されているようですね。
平日の来店客数に影響を与える要因として、この立地条件は無視できないものとなっています。
特にオフィスワーカーの立ち寄り利用という点では、駅からの距離がハードルとなっているのではないでしょうか。
理由4:光熱費や人件費の上昇で経営圧迫していたため
平塚ららぽーとの営業時間は、物販・カフェ・サービス・フードコートが平日は20時まで、土日祝は21時まで。
レストラン街は平日21時まで、土日祝は22時までとなっています。
この長時間営業に伴うコスト増が、各店舗の経営を圧迫する要因となっているのですね。
特に土日祝、年末年始、GW、お盆期間の21時までの営業について、集客と運営コストのバランスを懸念する声が上がっています。
現場からは「人件費と光熱費の無駄」との指摘も。
正月などの長期休暇期間については、時短営業での対応を求める意見も出ているのですね。
また、バイク駐車場の屋根の未設置など、施設設備面での課題も。
雨天時の利用者の不便さが指摘されており、これらの改善にかかるコストも店舗運営の負担となっているようです。
さらに、電気自動車充電スタンドの利用廃止など、施設サービスの縮小も進んでいます。
これらの状況から、施設全体の運営コストの見直しが急務となっているのではないでしょうか。
理由5:OSC湘南、シティラスカ平塚、アークスクエア湘南平塚など周辺の競合ショッピングモールの影響を受けたため
平塚エリアには、複数の大型商業施設が存在しています。
その中でも、2024年にはジ・アウトレット湘南平塚が新たにオープン。
この競争環境の中で、平塚ららぽーとも集客のためイベントやセールを開催しています。
少し離れたショッピングモールではありますが辻堂のテラスモール湘南と比較すると、内容や外観デザインの面で見劣りするとの指摘も。
施設の雰囲気作りという点で、改善の余地があるようですね。
また、高額商品や有名ブランドを扱う店舗構成と、地域の購買力とのミスマッチも指摘されています。
安売りを前面に出した近隣の商業施設との差別化が、却って来店客数の減少につながっているのではないでしょうか。
平塚ららぽーとの過去の閉店店舗を紹介
(出典:三井不動産)
2023年にかなり多くの店舗が閉店しており、計35店舗の閉店ラッシュに「潰れる?」など誤解した人もいたはず。
施設開業以来の大規模な再編となったのですね。
2023年1月の閉店店舗
【完全閉店】
1月7日:
- ワンズテラス(1F)
1月8日:
- KITANO ACE(1F)
1月9日:
- 小田原早川漁村 漁師の浜焼あぶりや(1F)
- YELLOW FACE(1F)
- AQUA JEWELS(1F)
- LOGOS SHOP(1F)
- Te chichi/Lugnoncure(1F)
- ABC-MART SPORTS(1F)
- CREPERIE CAFE SUCRE(1F)
- ShopJapan(1F)
- GEORGE’S(1F)
- ALLSAINTS(2F)
- KSTAR(2F)
- ドクターエア(2F)
- GEORGE AND KEWPiE(2F)
- VOLCOM STORE(2F)
- オークリーストア(2F)
- 森の朝 Rose(2F)
- Hurley Store Hiratsuka(2F)
- INGNI(2F)
- Yogibo(3F)
- いつ和(3F)
- 自由が丘 蔭山樓(3F)
- 日本料理 樹勢(3F)
- G麺7-01(3F)
- KAJA RESORT FURNITURE(3F)
- 眼鏡市場(3F)
- チュチュアンナ(3F)
【一時閉店・リニューアル】
1月9日:
- Sunglasses&Eyewearshop Creer(2F)
- リーバイスⓇストア(2F)
- ORIHICA HALF MARKET(2F)
- QUIKSILVER STORE(2F)
- PORT OF CALL(2F)
1月10日:
- アイコス期間限定ストア(1F)
1月15日:
- snow peak(1F)
2024年1月の閉店店舗
1月5日:
- アウトドアプロダクツ
1月8日:
- LACOSTE
- インザグルーヴラボ
- プラステ
- EVERYTHING MINECRAFT
- gashacoco
- SECOND WIND
最後にららぽーと平塚の概要についてまとめます。
項目 | 内容 |
---|---|
正式名称 | ららぽーと湘南平塚(LaLaport SHONAN HIRATSUKA) |
所在地 | 〒254-8510 神奈川県平塚市天沼10-1 |
開発背景 | 日産車体湘南第一工場跡地を、三井不動産が「ららシティ湘南平塚」として開発。分譲マンション、戸建て住宅地区、済生会湘南平塚病院と共に整備 |
開業日 | 2016年10月6日 |
アクセス | ・JR平塚駅から徒歩12分 ・平塚駅からバス路線運行 ・最寄IC:寒川南インターチェンジ、茅ヶ崎西インターチェンジ |
施設規模 | ・敷地面積:約182,000㎡ ・建築面積:約81,300㎡ ・延床面積:約167,000㎡ ・商業施設面積:約61,000㎡ ・店舗数:約250店舗 |
施設管理 | ・施設所有者:ヒラツカ特定目的会社 ・施設管理者:三井不動産商業マネジメント株式会社 ・設計:三井住友建設一級建築士事務所 ・施工:三井住友建設 |
営業時間 | ・ショッピング・サービス:10:00-21:00 ・フードホール:10:00-21:00 ・レストランゾーン:11:00-22:00 ・ラウンドワン:10:00-翌6:00 |
中核店舗 | ・ハンズ ・イトーヨーカドー ・ラウンドワン |
駐車・駐輪 | ・駐車場:約4,000台 ・駐輪場:2,000台 |
特徴的な施設 | ・SHONAN TREE HOUSE(3階コミュニティスペース) ・フットサルコート(屋上) ・ベルマーレ直営鍼灸接骨院 ・日産サティオ湘南ショールーム ・湘南ベルマーレオフィシャルクラブパートナー施設 |
周辺施設 | ・ららぽーと湘南平塚通り(命名権取得道路) ・ららぽーとあおぞら公園 ・ららぽーとすこやか公園 |
公式サイト | https://mitsui-shopping-park.com/lalaport/hiratsuka/ |