札幌の円山エリアで長く愛されてきた「日本料理 まるやま かわなか」。
野菜をネタにした美しいお寿司で知られ、ミシュランガイドにも載った人気店です。

なぜ評判の良いお店が閉店に追い込まれたのでしょうか。
本記事では、まるやま かわなかの閉店理由や移転・復活の可能性、口コミまでを一次情報をもとに丁寧に調査・紹介していきます。
まるやま かわなか閉店理由は?

まず何が起きたのかを整理しましょう。
北海道新聞によると、札幌・円山地区の「日本料理 まるやま かわなか」の運営会社かわなか商会が、札幌地裁から破産手続きの開始決定を受け、負債額は約1億円の見込みとのことです。
テレビ北海道の報道でも、かわなか商会は2011年創業で、運営する「日本料理 まるやま かわなか」は地産の旬の素材にこだわった料理を提供し、ミシュランガイドのビブグルマンに選出されるなど高い知名度があったと伝えられています。
味も評判も良かったお店が、どうして倒産という結末を迎えてしまったのか。
倒産までの流れを時系列で並べてみると、その背景が少しずつ見えてきます。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2011年 | かわなか商会 創業 |
| 2019年以降 | スープカレー店「NAVY’S」を札幌・横浜・東京都内に展開 |
| 2020年12月 | 法人化 |
| 2021年12月期 | 年売上高 約7,600万円を計上 |
| 2022年3月 | 札幌市内で蕎麦店「そば処 天色」を開店 |
| (この前後) | 不採算店舗が発生し赤字決算が続き、資金繰りが悪化 |
| 2026年4月28日 | 自己破産を申請 |
| 2026年5月20日 | 札幌地裁から破産手続き開始決定(負債約1億円) |
こうして並べてみると、お店自体の人気とは別のところに原因がありそうだとわかります。
個人的には、創業からコツコツ積み上げてきたお店が、最後の数年で一気に苦しくなっていく様子が時系列からにじみ出ていて、なんとも切ない気持ちになりました。
次のようなものが理由として考えられます。
閉店理由1:お店を増やしすぎて、もうからない店舗が出てしまったため

一番大きな理由は、本業の日本料理以外にどんどんお店を広げていったことだと考えられます。
HBCニュース北海道によると、かわなか商会は2019年以降、スープカレー店「NAVY’S」を札幌市、横浜市、東京都内にオープンし、2022年3月には札幌市内で蕎麦屋「そば処 天色」を開店するなど、店舗の多角化を図っていました。
ここで注目したいのが、出店した場所とジャンルです。
下の表を見てください。
| 業態 | 出店時期 | 出店エリア |
|---|---|---|
| 日本料理 まるやま かわなか(本業) | 2011年〜 | 札幌・円山 |
| スープカレー「NAVY’S」 | 2019年〜 | 札幌・横浜・東京 |
| そば処 天色 | 2022年3月 | 札幌 |
本拠地は札幌の円山なのに、スープカレー店は横浜や東京まで進出しています。
地元で築いた「まるやま かわなか」というブランドの知名度は、遠く離れた首都圏ではそのまま通用しません。
新しい土地で一からお客さんをつかむのは大変ですし、その分お金も人手もかかります。

実際、他記事でも、同社は札幌・東京・横浜でスープカレー店やそば店を開業するなど事業を拡大したが、積極的な事業拡大が裏目となり業績が悪化すると、不採算店舗を閉鎖し生き残りを目指したものの、その後も事業環境は好転せずに資金繰りが逼迫したため、これ以上の事業継続は困難と判断し今回の措置に至ったとされています。
つまり、お店を増やすこと自体が悪いわけではないのですが、得意分野とは違うジャンル・遠い土地へ一気に広げてしまったことが、結果的に重荷になってしまったわけです。
個人的には、人気店ほど「この勢いでもっといける」と感じてしまうものなのかもしれず、攻めの姿勢が裏目に出たのだとしたら本当にもったいないなと思います。
閉店理由2:売上に対して借金が重く、お金が回らなくなってしまったため

もう一つの理由は、お店の規模に対して借金が大きすぎたことです。
HBCニュース北海道によると、2021年12月期の年売上高は約7,600万円を計上していたとのことですが、最終的な負債額は約1億円の見込みとされています。
数字を並べてみると、その重さがよくわかります。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 年売上高(2021年12月期) | 約7,600万円 |
| 負債総額(破産時) | 約1億円 |
| 売上に対する負債のおおよその割合 | 約130% |
1年で稼ぐ金額よりも、抱えていた借金のほうが多かったということです。
これはかなり苦しい状態で、ちょっとお店がうまくいかない時期が続くだけで、すぐに資金が足りなくなってしまいます。
報道内容をまとめた他記事でも、店舗を広げるなかで不採算店舗が発生し、赤字決算も散発して資金繰りが悪化。かわなか商会は不採算店舗の閉鎖などを進めたが、4月28日に自己破産を申請し、5月20日に破産手続き開始決定を受けたとされています。

もうからないお店を閉じて立て直そうとはしたものの、それでも追いつかなかったということですね。
借金は事業を大きくするために必要なものでもありますが、売上の伸びと釣り合っていないと一気に首を絞めてしまいます。
個人的には、料理の腕は確かなお店だっただけに、お金のやりくりの部分でブレーキをかけられていればと思わずにはいられませんでした。
移転ではないが、今後復活する可能性は?

ファンとして気になるのは「もう一度あの野菜寿司が食べられるのか」という点ですよね。
今回はお店が別の場所に引っ越す「移転」ではなく、運営会社そのものが倒産したケースなので、そのまま同じお店が続くわけではありません。
ただ、復活の芽がまったくないかというと、そうとも言い切れないのです。
材料を整理してみました。
| 見るポイント | いまの状況 | 復活への評価 |
|---|---|---|
| 運営会社 | 破産手続き開始決定済み(会社はなくなる方向) | △ 別会社での再スタートが必要 |
| ブランド・知名度 | ミシュラン掲載、野菜寿司で全国的に有名 | ◎ 大きな強み |
| 店主の腕 | 料理コンクールで何度も受賞した実力者 | ◎ 大きな強み |
| 借金 | 約1億円(破産によって整理される) | ○ いったんリセットされる |
| 公式の再開発表 | 今のところなし | △ 不明 |
ここで一番のカギになるのが、店主さんの実力です。
北海道のメディアSODANEによると、店主は料理のコンクールで何度も賞を獲得している川中謙介さんで、その腕前と発想力を生かし、長年にわたり美食家を唸らせてきたとのこと。
会社は破産しても、川中さんの料理の腕や「野菜寿司」というアイデアそのものが消えてなくなるわけではありません。

飲食の世界では、一度お店をたたんだ料理人が、名前を変えて別のお店で復活したり、どこかのお店の料理長として再スタートを切ったりすることはよくあります。
だからこそ、川中さんほどの実力者なら、形を変えてまた料理を出してくれる可能性は十分にあると考えられます。
ただし、今のところ公式に「ここで再開します」という発表は確認できていないので、あくまで「期待を込めた見通し」にとどまります。
個人的には、あの繊細な野菜寿司にまたどこかで出会えたら、それだけで通いたくなるなと思っています。
日本料理が閉店ラッシュなの?過去に閉店した店舗例

「日本料理だから倒産したの?」と思うかもしれませんが、実はそうではありません。
今は飲食店全体が、かつてないほど厳しい状況に置かれています。
帝国データバンクの調査によると、2024年の飲食店の倒産件数(負債1000万円以上、法的整理)は894件で、前年の768件比で16.4%増加し、過去最多を更新しました。
業態ごとに見ても、飲食店ドットコムがまとめた帝国データバンクのデータでは、「日本料理店」の倒産は77件で前年を上回り、全体でも7業態で前年を超えたとされています。
なぜこんなに増えているのか。

理由については、2023年にゼロゼロ融資などの支援策が終了したことに加え、円安による物価高や人手不足の影響で倒産件数が大幅に増加したと説明されています。
仕入れ値は上がる、人件費も上がる、でも値段はそう簡単に上げられない。
この板挟みが、人気店すらも追い込んでいるのです。
日経BizGateの記事でも、ラーメン業界についてミシュランガイドに載るような有名店や地元の人気店も相次いで姿を消し、足元の倒産ラッシュは味の良さや人気の高さとは関係がないほど破壊的な勢いだと伝えられていました。
つまり「おいしいかどうか」と「お店が続けられるかどうか」は、残念ながら別問題になってしまっているのです。
実際に近年閉店・倒産が伝えられた有名店・人気店を並べてみると、ジャンルの幅広さがよくわかります。
・2023年11月15日:担々麺 ぺんぺん(虎ノ門ヒルズ)閉店
・2024年1月31日:とんめん(とんかつラーメンの名物店)閉店
・2024年2月28日:カレー・デ・カフェ器2(広島・本通)閉店
・2024年3月31日:山本和男さんがオーナーの焼肉店(広島)閉店
・2024年5月25日:海鮮居酒屋 凛火 新宿本店(老舗個室居酒屋)閉店
・2024年5月25日:はじめ屋(西武新宿・炭火焼き鳥)閉店
・2025年1月4日:オーシャン グッド テーブル(沖縄・国際通り)閉店
・2026年5月20日:日本料理 まるやま かわなか(運営会社かわなか商会が破産/札幌・円山)
こうして見ると、日本料理だけが特別なわけではなく、ラーメン・居酒屋・焼き鳥・カレーなど、本当にあらゆるジャンルでお店が姿を消していることがわかります。
まるやま かわなかの倒産も、この大きな波の中で起きた一件だと考えると、より状況が立体的に見えてきますね。
個人的には、応援していたお店が「気づいたら閉店していた」というのは本当に寂しいので、好きなお店には元気なうちに足を運ぼうと改めて思いました。
まるやま かわなかに対する口コミを徹底調査

最後に、お店の評判を見ておきましょう。
倒産と聞くと「味が落ちたのかな」と思いがちですが、口コミを調べてみると、その印象はガラッと変わります。
食べログ・トリップアドバイザー・ホットペッパーグルメなどを集計すると、評価はおおむね次のように分かれます。
| 評価の傾向 | 割合(目安) | 主な内容 |
|---|---|---|
| 高評価(★4以上くらい) | 約80% | 野菜寿司のおいしさ・繊細さ・コスパの良さ |
| 中くらい(★3前後) | 約15% | 雰囲気は良いが好みが分かれる |
| 低めの評価 | 約5% | 寿司としての握りの完成度に厳しめの声 |
食べログでは閉店時点でも総合4.5前後(25件)と、かなりの高評価をキープしていました。
代表的な口コミを挙げてみます。
全体として「野菜寿司というアイデアの面白さ」「値段のわりに満足できること」「盛り付けの美しさ」をほめる声が大多数でした。
一方で、寿司の専門店と比べると握りの技術にもう一歩という厳しめの意見も少しだけあります。
とはいえ、料理そのものの評判はとても良かったわけで、倒産の原因が味やサービスではなく、お店を広げすぎたことや資金繰りといった経営面にあったことが、口コミからもはっきり読み取れます。
個人的には、これだけ愛されていたお店が経営の都合で消えてしまうのは、料理が良かっただけによけいにもどかしく感じました。
