横浜市都筑区のランドマークとして、多くの家族連れに愛されてきた「モザイクモール港北」。
その象徴である観覧車は、センター北の空に彩りを添え続けていますが近年、長年親しまれてきた店舗の閉店が相次ぎ、SNSなどでは「閉店ラッシュだ…」と寂しがる声も聞かれます。
一体なぜ、これほど多くの店舗が撤退しているのでしょうか。
モザイクモール港北の閉店ラッシュ理由はリニューアル?

結論から言うと、閉店ラッシュの最も大きな理由は、大規模リニューアルです。
これは単なる施設の老朽化対策ではなく、変化し続ける地域のニーズに応え、未来の顧客を惹きつけるための戦略的な一手なのです。
ここでは、その具体的な理由を2つの専門的な視点から深掘りしていきます。
閉店理由1:地域ニーズの変化に対応した大規模なテナント入れ替えのため

閉店ラッシュは、モザイクモール港北が「地域のニーズの変化」に柔軟に対応しようとしている証拠だと言えます。
港北ニュータウンは、開発当初からファミリー層が多く住む街として知られていますが、その子供たちの成長やライフスタイルの多様化に伴い、求められる店舗も変化しています。
2026年春〜夏のリニューアルは、そうした新しい需要を的確に捉え、より魅力的な施設へと生まれ変わるための、積極的な「テナントの入れ替え」なのです。
具体的には、2025年から始まり、2026年の春から夏にかけて、出店テナントの約3割が入れ替わるという、2021年3月以来の大規模なものになります。

例えば、新たにペットショップの「ペテモ」や、インテリア雑貨の「ニトリ デコホーム」といった大型テナントが導入されるのは、ペットとの暮らしや、おうち時間を豊かにしたいという近年のニーズを反映した結果だと考えられます。
一方で、長年営業を続けてきた店舗にとっては、このリニューアルが契約更新のタイミングと重なり、新しいコンセプトに合わない、あるいは賃料などの条件が折り合わないといった理由で、閉店を選択するケースも出てくるのです。
これは、商業施設が成長し続けるために必要な、ある種の「新陳代謝」とも言えるでしょう。
このようなリニューアルに伴う大規模なテナント入れ替えは、他の商業施設でも見られます。

例えば、渋谷ヒカリエや東京ミッドタウンといった都心の大型施設も、開業から数年経つと、トレンドの変化に合わせて大幅な店舗入れ替えを行っています。
これは、顧客に常に新鮮な魅力を提供し続けるための、現代の商業施設に不可欠な戦略なのです。
閉店理由2:施設全体の魅力を高める「選択と集中」戦略のため

もう一つの理由は、施設全体のコンセプトをより明確にし、他の商業施設との差別化を図るための「選択と集中」という戦略です。
センター北駅周辺には、ノースポート・モールをはじめとする競合施設が多く存在。その中でモザイクモール港北が独自の魅力を放ち続けるためには、「ここに来れば、〇〇が楽しめる」という明確な強みを持つことが非常に重要になります。
その戦略は、2020年のリニューアルからも見て取れます。
この時、長年モールの顔であった百貨店「都筑阪急」は1階から撤退し、地下1階の食品専門フロアに特化しました。
そして空いた1階には、イートインスペースを充実させた食の新ゾーン「グランフードパーク」を新設し、「食」の魅力を大幅に強化したのです。

これは、百貨店という総合的な業態から、「食」という専門分野に「集中」することで、施設の個性を際立たせる戦略でした。
2026年のリニューアルでも、1階の「グランフードパーク」に「牛角 焼肉食堂」や「どうとんぼり神座」といった人気の飲食店を新たに導入することからも、この「食の強化」という流れは継続していることがわかります。
このように、特定の分野に投資を集中させることで、施設全体の魅力を底上げし、目的を持って訪れる顧客を増やす狙いがあるのです。
この過程で、施設の新しいコンセプトに合致しない業態の店舗は、残念ながら閉店の対象となってしまうことがあります。
例えば、過去にはCDショップの「HMV」が閉店しましたが、これは音楽の楽しみ方がCDからストリーミングへと変化した時代の流れを受けた結果とも言え、施設側がより現代的なニーズに応える店舗構成へと舵を切った結果と考えられます。
| 時期 | コンセプト・特徴 | 主なテナントの変化 |
|---|---|---|
| 開業~2019年 | 都筑阪急を核とした、やや高級志向のファミリー向けショッピングセンターでした。 | ファッションや雑貨店がバランスよく配置されていました。 |
| 2020年リニューアル | 「食」の魅力を強化し、「グランフードパーク」を新設しました。 | 都筑阪急が地下食品に特化し、H&Mなど大型ファッション店も導入されました。 |
| 2026年リニューアル | 「食」の強化を継続しつつ、ペットやインテリアなど、より多様なライフスタイルに対応する計画です。 | テナントの約3割が入れ替わり、新しい顔ぶれになります。 |
| 今後の展望 | 「モノ消費」だけでなく、食事や体験を楽しむ「コト消費」の需要をさらに取り込んでいくことが予想されます。 | 地域コミュニティとの連携イベントなども増えていくかもしれませんね。 |
閉店ラッシュは以前にも?

モザイクモール港北では、今回のリニューアル以前にも、時代の変化や経営戦略の見直しによって、いくつかの店舗が閉店してきました。長年通っていた方にとっては、懐かしい名前もあるかもしれません。
・2026年1月25日:KP 閉店
・2026年1月25日:mio mio モザイクモール港北店 閉店
・2026年1月25日:パールレディ 閉店
・2026年1月25日:はんこ屋さん21 閉店
・2026年1月21日:「Bleu Bleuet ブルーブルーエ」閉店
・2026年1月12日:「横浜家系ラーメン 壱角家」閉店
・2025年12月31日:ヒビヤカダンスタイル モザイクモール港北店 閉店
・2025年6月10日:B-STOCK モザイクモール港北店 閉店
・2023年1月15日:HOPPL TOWN モザイクモール港北店 閉店
・2020年5月17日:マザーガーデン モザイクモール港北店 閉店
・2020年1月19日:「都筑阪急」(1階部分)閉店
・2018年1月28日:A&Fカントリー モザイクモール港北店 閉店
・2011年3月27日:「HMVモザイクモール港北店」閉店
モザイクモール港北の閉店ラッシュを悲しむ声は多い
長年親しんだお店がなくなるのは、やはり寂しいものですよね。
今回の閉店ラッシュについても、利用者からは様々な声が寄せられています。

口コミサイト「じゃらんnet」では81件の口コミが寄せられ、5段階評価で平均3.9と、全体的には高く評価されていますが、その内訳を見ると、約8割の利用者が施設の利便性や家族での楽しみやすさを評価している一方で、残りの約2割からは「コンセプトがわからない」「レストラン街が寂しい」といった厳しい意見も見受けられます。
これは、多くの人がリニューアルに期待を寄せていることの裏返しでもあるのかもしれません。
Q&A
- 今回の大規模リニューアルは、いつ頃終わるのですか?
2025年から段階的に始まっており、新しいテナントは2026年の春から夏にかけて順次オープンしていく予定です。すべての店舗が入れ替わってグランドオープン、という形ではなく、少しずつ新しいお店が開店していくイメージですね。夏頃には、新しいモザイクモール港北の姿が見えてくるのではないでしょうか。
- モザイクモールの象徴である観覧車は、リニューアルでなくなったりしないですか?
観覧車がなくなるという公式な情報はありません。観覧車はモザイクモール港北の、そしてセンター北という街のシンボルです。過去には開業25周年を記念して、地元の「東京横浜独逸学園」の生徒さんがデザインしたラッピング観覧車が運行されるなど、地域を盛り上げる大切な役割も担っています。リニューアル後も、きっと私たちを楽しませてくれる存在であり続けると思います。
- 昔あった百貨店の「都筑阪急」は、もう完全になくなってしまったのでしょうか?
いいえ、完全になくなったわけではありません。2020年のリニューアルの際に、1階などの売り場は閉店しましたが、現在は地下1階の食品専門フロア「都筑阪急 グルメマーケット」として営業を続けています。お惣菜や生鮮食品、全国の銘菓などが揃う、いわゆる「デパ地下」のようなフロアになっており、今も多くの買い物客で賑わっていますよ。リニューアルで施設の形は変わっても、大切な部分はしっかりと受け継がれているのです。
