今回は焼きそばで有名な「長田本庄軒」の閉店に関して、店舗動向や背景を紹介します。
長田本庄軒が閉店ラッシュ?店舗数の動向

(出典:株式会社トリドールホールディングス)
長田本庄軒は公式サイトによると2025年2月時点で以下の6店舗を営業されています。
- 長田本庄軒 メトロセンター西葛西店
- 長田本庄軒モレラ岐阜店
- 長田本庄軒イオンモールりんくう泉南店
- 長田本庄軒三宮センタープラザ店
- 長田本庄軒神戸ハーバーランドumie店
- 長田本庄軒イオンモール姫路大津店
過去には当時関東唯一の長田本庄軒エキュート立川エキナカEAST店を2022年9月30日をもって閉店するなど、全盛期は全国的に数十店舗あったにもかかわらず、激減しています。
しかし、その後2024年6月21日に長田本庄軒 メトロセンター西葛西店がオープンし、関東復活を成し遂げています。
ちなみに、2023年11月11日には海外1号店を台湾・台北市新光三越 台北信義新天地オープンさせ、2024年11月14日には台湾の中山に台湾3号店をオープンするなど台湾では好調のようです。
元々台湾ではトリドールグループが、丸亀製麺を既に約50店舗以上展開していることから、ローカルでの事業推進のノウハウを持つ地域と判断し、長田本庄軒の出店を決めたとの事です。
長田本庄軒の店舗が閉店してしまう理由とは
閉店する理由は店舗ごとに違うものの次のようなものが考えられます。
閉店理由1:関東と関西での食文化の違い

(出典:株式会社トリドールホールディングス)
長田本庄軒の店舗が閉店してしまう理由として考えられるのは関東と関西での食の違いがあると考えられます。
長田本庄軒の主力である『ぼっかけ焼きそば』に関しても、『焼きそば』という点で大きく違いがあります。
関東の焼きそばは、中細から細麵にウスターソースをかけたものであり、具材も少な目になっており、麺もコシのある物が多くなってます。
また、味に関しても全体的にさっぱりした味付けです。
対して関西の焼きそばは、全体的に麺が太めの甘めのソースです。
関西ではもっちりとした食感の麺が好まれており、太麺が多く用いられます。
具材も大きめなものが多く、ソースも甘めで濃厚な物が多くなっています。
昔から関東で好まれるのは『お蕎麦』・関西では『うどん』というように、関東ではお蕎麦が好まれるところから『焼きそば』も細めの麺に薄めの味付けが好まれるのでしょう。
関東では焼きそばをご飯と同じ感覚で一緒に食べる人は少ないですが、関西では焼きそばはご飯と一緒に食べる『おかず』としていますので味付けや量に大きく差がでるのでしょう。
これが長田本庄軒が関東で閉店した理由と考えられます。
閉店理由2:コロナ禍や物価・人件費高騰による赤字のため
コロナ禍や物価高の影響も閉店に大きく関わっています。
例えば閉店した長田本庄軒エキュート立川エキナカEAST店は、コロナの影響もあり、席もソーシャルディスタンスで席も1つおきになっており、その分売上も落ちていました。
都心部でのテナント代を考えると売上が減ってしまう中、継続させていくのは難しいのかもしれません。
また、ここ数年の間に原材料費の上昇が進み、さらに人手不足に伴う時給相場のアップなどによって、経営には相当な負担がかかるようになったのではないでしょうか。
以下の厚生労働省のグラフでもわかりますが、右肩上がりですよね。

(出典:厚生労働省)
ぼっかけ焼きそばに入っているキャベツや牛すじも高騰していますし、利益を圧迫している可能性は高いです。
閉店理由3:海外進出のため

(出典:Googleマップ)
さらに2023年11月11日には海外1号店を台湾・台北市新光三越 台北信義新天地オープンというのも関東での撤退理由の1つでしょう。
企業は利益があってこそ経営を継続させていくことが出来ます。
2024年に台湾の3号店をオープンしていることから、今後も台湾での店舗数を増やしていく考えがあると思われます。
採算の良い店舗を残し、そのエリアでの展開を増やすということをしているのではないでしょうか。
また、食文化の内容と被りますが出店地域を見ても関東より関西が多い事から、関東の方には麺が太めの甘めのソースは受け入れられづらいと考えられます。
台湾ではうどんやラーメンでの人気が高くトリドールグループが、丸亀製麺を既に約50店舗以上展開していることから、同じ系列の認知度から台湾での売上が良いと考え、利益率が高い方にシフトチェンジしたとも考えられます。
長田本庄軒の良い口コミ
長田本庄軒の最大の魅力はとことんこだわった『ぼっかけ』でしょう。
使用されている牛すじは味わいが違う数種類の部位を、それぞれの部位の味が最大限活かせるようにカットしています。
それを弱火でじっくりコトコト煮る事で味わいが出ます。
ぼっかけ焼きそばとして食べるのも良いですが、ぼっかけはお酒のお供にも合うのが人気の1つです。
また、味変もおすすめです。
席に『長田スパイス』なる唐辛子パウダーのようなものがあり、好みに合わせて使用出来ます。
ぼっかけ焼きそばはB級グルメとされていますが、B級グルメの良い所は食材も安く、庶民的であり気軽に食べれることから、このように味編することも楽しみの1つとして店側が提供しているのでしょう。
目の前の鉄板で焼いてくれるのも人気の1つです。
食べる前から、目で楽しみ、匂いを楽しみ、そして食べて味を楽しむ。
焼きそば1つにしても、五感全てで楽しむことが出来る妥協を許さない関西の商売魂を感じさせます。
お好み焼きのように多くの食材を使用しているのも満腹感があり人気のようです。
以下のような声も多いです。
長田本庄軒の人気メニューを紹介
数あるメニューの中からいくつかご紹介します。
人気のメニューとして『ぼっかけ焼きそば』と『ぼっかけ玉子モダン』・『ぼっかけオムそば』があります。
ぼっかけ焼きそば

(出典:株式会社トリドールホールディングス)
まずは『ぼっかけ焼きそば』です。
長田本庄軒の看板メニューですが、丸亀製麵で有名なトリドールグループが経営しているだけあり、店内で製麺・熟成させる独特のもちもち感とコシが味わえる中太麺が人気です。
そこに人気のぼっかけを加え、仕上げのソースを投入で完成ですが、仕上げに一度混ぜてまとめた焼きそばを広げる事で、ソースの酸味を飛ばして旨味を引き出す工程をします。
これをすることでクエン酸の旨味が引き立つ『ぼっかけ焼きそば』の完成です。
ぼっかけ玉子モダン
次は『ぼっかけ玉子モダン』です。
一見するとお好み焼きのように見えますが、ふんわりした生地となっており『ぼっかけ』・『焼きそば』・『ふんわりとした生地』の3つが合わさり、あっさりとした味になってます。
味が薄いと感じる方はソースが頼めるますので、自分好みの味で楽しむのもよいでしょう。
ぼっかけオムそば

(出典:株式会社トリドールホールディングス)
最後に『ぼっかけオムそば』です。
人気のぼっかけ焼きそばにオムレツを乗せており、九条ネギがたっぷり。
とろーりとしたオムレツとぼっかけ焼きそばが楽しめます。
長田本庄軒についておさらい
長田本庄軒とは、神戸・長田の味である『ぼっかけ』を使った『ぼっかけ焼きそば』を主力とし、小麦粉を使った中太麺を店内で製麺する焼きそば専門店です。
国産の小麦粉を使用し、店内で製麺した麺を約1日熟成させる事でもっちりとした食感を出し、その食感は他では味わう事が出来ません。
その麺に、オリジナルソースとぼっかけを混ぜた『ぼっかけ焼きそば』がお客様に人気です。
長田本庄軒は丸亀製麺でも有名なトリドールグループが経営しています。
ぼっかけとは、牛スジとこんにゃくの煮込みの料理であり神戸では、うどんやラーメン・カレーなどに使われます。
全国的には『すじコン』として有名です。
長田本庄軒はどんな人に向いている?
長田本庄軒は関西中心の店舗となりましたが、ぼっかけを楽しみたい・中太面を楽しみたいという人におすすめです。
また、ぼっかけ焼きそば自体でも美味しくご飯になりますが、ぼっかけ自体もお酒のつまみになりますので、同時にお酒も楽しみたいという方には特におすすめです。
長田本庄軒のメニューには焼きそばだけでなくオムレツをはじめとした、色々なメニューがあります。
中にはゲソのせというのもあり、飽きる事はありません。
色々な種類の焼きそばが食べたい・お酒も楽しみたいという方におすすめの店舗です。