『ビッグコミックスピリッツ』にて、2003年より連載され、2009年には改稿による完全版「ペット リマスター・エディション」がビームコミックスより単行本として刊行された『ペット』。
漫画家「三宅乱丈さん」が手掛ける『ペット』は、「イメージ」という特殊能力や人の記憶を操作するなど独特な世界観からファンも多かったですが、打ち切りの噂もあるようです。
ちなみに全巻セットの最安値は調査時、以下でした。ご参考までに。
三宅乱丈先生のペット打ち切り理由は?

(出典:Google)
『ペット』は打ち切りではないと思われるものの、次のような理由から打ち切りと噂されているようです。
打ち切りと噂される理由1:たった5巻での完結したため
『ペット』は全5巻で完結しました。
通常、人気のある作品は長期連載されることが多いため、この短い完結は打ち切りを疑われることがあります。
また、物語の深さや複雑さからすると、もっと長く続けることができたと感じる読者が多いようです。

(出典:Amazon)
そのため、全5巻というボリュームは、内容の充実度と比較して物足りなさを感じさせ、打ち切りの印象を強めてしまったのではないでしょうか。
短期間で終わると、物語の展開が急に感じられ、キャラクターの成長や感情の変化が十分に描かれないまま終わってしまったように見えることもありますよね。
ちなみに以下のような完結が早かった漫画も多く存在するので決して打ち切りとは言えないですね。
- レベルE:全3巻
- 坂本ですが?:全4巻
- テルマエ・ロマエ:全6巻
- 寄生獣:全10巻
- ハチミツとクローバー:全10巻
打ち切りと噂される理由2:展開が急すぎた、早く感じたため
『ペット』の物語は、非常にスピーディーに展開します。
特に後半部分では、キャラクターの感情や状況が急激に変化するため、読者にとっては急展開に感じられることが多かったようです。
物語の進行が早すぎると、読者はストーリーについていけなくなり、打ち切りと勘違いすることがあります。
また、独特な世界観のため背景を理解するのに時間がかかり、理解し終えたことには終わってしまったため打ち切りと感じたケースもありそうですね。
少し脱線しますが、漫画『ペット』の世界観とそれに付随する用語を簡単に振り返りたいと思います。
他人の記憶に入り込み、それを操作する特殊能力を持つ人々を描いたサイキックサスペンス。
物語の舞台は現代日本で、主人公たちは「会社」と呼ばれる中国系マフィア組織に属し、記憶操作を用いて人々を廃人にする「潰し屋」として働いています。
記憶は「ヤマ」(幸福な記憶)と「タニ」(辛い記憶)に分類され、能力者たちはこれを操作して対象を支配します。
彼らは「イメージ」と呼ばれる能力を使い、記憶の中で金魚や水などの姿に変わることで操作を行います。
しかし、能力者たちは「ペット」と蔑称され、組織に搾取される存在。
彼らが自分たちの自由を求めて組織に立ち向かう姿を描いた物語です。
以下は物語中に出てくる重要な用語なのですが、ここを理解するのに時間がかかる人は絶対に多いはず。笑
用語 | 説明 |
---|---|
場所 | 人の記憶が詰まっている部分。ペットたちはここに潜り込み、記憶の改変を行う。「ヤマ」と「タニ」が人格形成において重要な役割を持ち、どちらかが壊れると廃人化する。 |
ヤマ | 心を支える最も大切な記憶の「場所」。壊れると廃人化。ペットは「ヤマ親」から分けられるため、親と子の「ヤマ」の風景は似る。 |
タニ | 最も忌まわしい記憶によって作られた「場所」で、トラウマの象徴。これも壊れると廃人化。ペットは「タニ」を鍵にして「ヤマ」を守る。 |
ペット | イメージを使って記憶を改変する記憶操作術者。ヤマ親から分け与えられた「ヤマ」を持ち、記憶感応を防ぐために「タニ」で鍵を作る。「ヤマ親」への執着が強い。会社に重宝されるが厳重に監視されている。 |
潰し屋 | ターゲットの「ヤマ」「タニ」を破壊し、廃人化に追い込む者。イメージを持たないため記憶改変はできず、人格破壊専門。桂木、ロン、ジンが該当。 |
会社 | 中国マフィアの呼称。麻薬・武器売買や殺人を行う犯罪組織。ペットや潰し屋を使い記憶を操ることで勢力拡大。危険人物は容赦なく排除。 |
社員 | 会社の正式構成員。桂木、林、司らが該当。信頼され忠誠を誓った者だけがなれる。社員以下にも多くの協力者が存在。 |
イメージ | 記憶操作に用いる個人固有の疑似記憶。ヒロキは「金魚」、司は「水」、悟は「ドア」、林は「風」、メイリンは「蝶」。 |
ベビー | 「ヤマ」のみを分け与えられ、鍵を作れない子供。記憶と外部の区別がつかず、他人との意思疎通が困難。ヤマの中でのみ自我を保つ。 |
鍵 | 感応力が高いペットが「タニ」を使って「ヤマ」を覆い、外部からの侵入や記憶操作を防ぐ防壁。鍵が作れないと記憶と外部の区別ができなくなる。 |
気功術師 | かつて会社にいた術師集団。ペットや潰し屋同様に人を潰す能力を持っていた。社長の父を殺した裏切りにより、社長に皆殺しにされた。 |
打ち切りと噂される理由3:つまらない?読者の期待とズレたため
『ペット』は、その独特な設定や複雑なキャラクター関係が魅力ですが、これが読者の期待とズレることがありました。
登場人物の動機や行動が理解しにくい場合、読者はストーリーに対する期待を失うことがあります。
以下のような声から、面白さが伝わらずつまらないと感じたケースもありそうですね。
そうした声から、他の人もつまらないと感じていてたった5巻で打ち切りになった?と思った人もいるかもしれませんね。
ペットの続編はあるのか?
『ペット』の続編は、ファン待望の作品として登場しました。
その名も『fish』です。
続編『fish』もすでに全6巻で完結しており、『ペット』の世界観をさらに深めたサイキックサスペンスとなっています。
多くのファンが続編の存在を知らないかもしれませんが、『fish』は確かに存在し、そのストーリーは「ペット」から続く物語の完結編として高い評価を受けています。
続編『fish』で描かれる新たなテーマとは
『fish』では、前作『ペット』で描かれたテーマがさらに深く掘り下げられています。
記憶を操る能力者たちの葛藤や成長、そして彼らが直面する新たな困難が描かれています。
ヒロキや悟、司たちの新たな一面が明らかになることで、読者は彼らにより一層感情移入することができます。
さらに、ジンのキャラクターにも焦点が当てられ、彼女の内面が丁寧に描かれています。
ジンが「会社」を守ろうとする姿や、彼女が直面する葛藤は、前作『ペット』を愛するファンにとって、新たな発見と感動を与えてくれますよ。
『fish』の魅力と読者からの高評価が多すぎw
『fish』はファンから高い評価を受けています。
Amazonのレビューでも、多くの読者が続編の完成度に感動し、称賛の声を寄せています。
「ペットの世界観を見事に引き継ぎ、伏線を回収しながらも新たな謎を提示している」という評価があります。
さらに、「悟の孤独が最後に少しだけ救われたのがとても嬉しかった」といった感想や、「司の最後の台詞で滂沱の涙が止まらなかった」という感動の声も多く寄せられています。
また、「林さんが意識を取り戻してほしかったが、司が記憶の断片を取り戻したことからも希望が持てる」という意見も見受けられます。
三宅乱丈のペットを無料で読む方法
『ペット』を無料で読む方法について、いくつかの方法を紹介します。
公式サイトや漫画アプリ、期間限定の無料公開など、合法的に楽しむ方法がありますので、ぜひ無料で読みましょう。
公式サイトでの試し読み
まず、公式サイトでの試し読みが可能です。
出版社や作品の公式サイトでは、数話分を無料で公開していることがあります。
公式サイトでは、作品の雰囲気やストーリーを掴むことができるため、興味を持った方はぜひ試してみてください。

(出典:ブックライブ)
ブックライブで試し読みが可能です!
気になる方はこちらよりご覧ください。

(出典:Renta!)
Renta!でも試し読みが可能です!
気になる方はこちらよりご覧ください。
また、公式サイトでの試し読みは、安心して利用できる点も魅力です。
試し読みのページ数は限られていますが、それでも十分に作品の魅力を感じ取ることができるでしょう。
さらに、試し読みのページでは、キャラクターのイラストや設定資料を見ることができることもあります。
期間限定の無料公開

(出典:カドコミ)
最後に、期間限定の無料公開を利用する方法です。
特定のキャンペーン期間中に、全話無料で公開されることがあります。
上記のカドコミなら1巻が無料で読むことができます。
また、無料公開の期間中には、特典として作者のコメントや描き下ろしイラストが公開されることもあります。
これらの特典を楽しみながら、作品を堪能することができます。
そもそも三宅乱丈さんのペットとはどんな作品か?
『ペット』がどのような作品なのか、その魅力について詳しく解説します。
物語の概要や登場人物、テーマについて紹介します。
作品のあらすじ
『ペット』の物語は、中国マフィア「会社」に属する主人公・ヒロキの視点で進行します。
ヒロキは「イメージ」という特殊能力を使い、人の記憶を操作することで「会社」の利益を上げる仕事をしています。
しかし、記憶操作に失敗すると人は「潰れ」て廃人になってしまいます。
ヒロキは相棒であり「ヤマ親」である司と共に日々を過ごしながらも、この仕事に強い不満を抱いています。
一方、悟はヤマ親である林ともう2年も離れ離れになっています。
司に守られ無垢なまま育ったヒロキは、悟と深く関わるうち、司が自分に様々な隠しごとをしていることに気が付いてしまいます。
登場人物とその特徴
『ペット』には魅力的なキャラクターが多数登場します。
簡単ですがまとめます。
名前 | 演(舞台版) | 声(アニメ版) | 概要 |
---|---|---|---|
ヒロキ | 植田圭輔 | 小市眞琴(幼少期) | 主人公。「ヤマ親」は司。イメージは金魚。生意気で喧嘩っ早いが根は優しい。殺人を伴う会社の仕事を嫌う。司を何より大事にしており、まともな生活を夢見る。「タニ」が嫌いで鍵がゆるく感能力が非常に強い。 |
司 | 桑野晃輔 | 谷山紀章 / 大地葉(幼少期) | ヒロキの「ヤマ親」。イメージは水。臓器売買用の子から「ヤマ親」となった。林から引き離された過去を持つ。独自に「ヤマ」「タニ」を研究し、出世して「社長の息子」にまで昇格。会社から逃げたがるヒロキとの板挟みに苦悩する。 |
悟 | 谷佳樹 | 小野友樹 / 朝井彩加(幼少期) | 「ヤマ親」は林。イメージはドア。林に育てられたペット。桂木と行動するが彼を嫌っている。林の技術を継ぎ、監視を欺くのが得意。林のメッセージを受け取ることに成功。ドアのイメージで目的の記憶に直行できるが、「タニ」に弱い。 |
林 | 萩野崇 | 加瀬康之 | 司と悟の「ヤマ親」。イメージは風。記憶侵入が早く、隙間からでも入れる。元「社員」だが2年前に逃亡。ペット技術の開発者であり、もとは心優しいが司と悟を人質にされ会社に従わされる。ある目的で日本に姿を現した。 |
桂木 | 君沢ユウキ | 咲野俊介 / 石井隆之(少年期) | イメージを持たない「社員」の潰し屋。ネコ嫌い。かつて司をペットとして使っていたが現在は部下。嫌味な性格だがどこか抜けている。林とも過去に因縁があり、古株の社員。 |
社長 | (なし) | 飛田展男 | 「会社」の首領。林やペットの絆を利用し犯罪を強制。気功術師に裏切られ父を殺された過去を持ち、名前を「趙金貴」に改名。顔も整形している。 |
ロン | 伊勢大貴 | 遊佐浩二 | 社長の甥。イメージを持たない潰し屋。「社長の息子」で後継者候補。メイリンを使って記憶操作が可能。冷酷で他人を犠牲にすることを厭わず、司を警戒している。 |
ジン | あまりかなり | M・A・O | 社長の姪。イメージを持たない潰し屋。悟を勧誘するため接触し信用を得る。ロンと行動を共にする。母・レンレンの記憶を求めている。 |
メイリン | (なし) | 劉セイラ | 幼い少女で林に「ヤマ」を分けられた。鍵の作り方を知らず、外部とまともに意思疎通できない。「会社」の命令を聞く存在として「ベビー」と呼ばれる。 |
レンレン | (なし) | 種﨑敦美 | ジンの母で故人。他人の感情に感応しやすく精神不安定だった。林のケアを受けていたが、他人の記憶に感応し相手を「潰す」力を持つ。これが潰し屋の始まり。 |
まとめ
三宅乱丈さんの『ペット』は、その独特な世界観と深いテーマで多くの読者を魅了してきました。
打ち切りと誤解される理由には、たった5巻での完結や展開の速さ、読者の期待とのズレ、編集方針の変更が挙げられます。
ただ、作品自体は高く評価されているので、読んで損はない作品だと思います。
続編のfishもかなり面白いのでおすすめですよ!