今回はYouTubeチャンネル「ReHacQ−リハック−」(以下、リハック)の背景や終了騒動、高橋弘樹さんの退社、そしてなぜ最終的に復活へと至ったのかをまとめていきたいと思います。
リハックなぜ終わる?高橋氏の退社〜復活まで紹介
(出典:Amazon)
「リハック」を語るうえで、多くの方がまず気になるのは“前身チャンネル”である「日経テレ東大学」の存在です。
もともと「日経テレ東大学」は、テレビ東京と日本経済新聞社がタッグを組む形で始まり、高橋弘樹さんをプロデューサーとして迎えて、多様なゲストとタブーを恐れないトークを展開。
政治家やジャーナリスト、時に異色の専門家を呼び、登録者数が100万人を超えるほどの人気ぶりでしたね。
著書も人気で書店で手に取る方もかなり多かったです。
終了理由1:前身チャンネル「日経テレ東大学」の突然の終了したため
ところが、その「日経テレ東大学」は2023年3月末をもって突然終了したのです。
終了の理由としては、テレビ東京と日本経済新聞社の共同事業契約の満了が大きかったと思われます。
「日経テレ東大学」の一部(1コンテンツ)であった『Re:Hack(リハック)』。
イェール大学助教授で経済学者の成田悠輔、2ちゃんねる創設者の西村博之による雑談番組で専門知識が必要な内容でもわかりやすいと人気だった。
加えて、コンプライアンス上のリスクや内部的な調整の難しさも囁かれたようですね。
実際には、番組内で自由な発言を続けていた出演者に対する“空気”や、企業ブランドを重んじる立場とのずれがあったのではないでしょうか。
いずれにしても、「日経テレ東大学」の終わりは、ネット上で「ガチで終わってほしくない」という悲鳴にも似た声が爆発的にあがるほど強烈なインパクトがあったのです。
メインコンテンツだった雑談番組「Re:Hack(リハック)」がファンに愛されていたからこそ、視聴者の落胆は大きかったと言えますね。
YouTubeではテレビ番組のいわゆる「忖度」が嫌われ、番組を面白くするためには、「忖度の一切ない人」が必要だった。
そこで知名度があり、忖度せず本音で物事を話してくれる2人はかなり適任だった。
- パリ在住で日本にしがらみのない「ひろゆきさん」
- アメリカ大学(イェール大学助教授)に勤め、同じく日本にしがらみのない「成田悠輔さん」
いわば、第一の「リハック終了説」は、この“親”ともいえるメディアが幕を閉じた影響を受けて、継続が難しくなった部分があったのではないでしょうか。
終了理由2:制作費の負担が大きかったため
チャンネルを運営するうえで、最も悩ましい課題の一つが制作費。
自由な番組ほどお金がかからないと思われがちですが、むしろ「遠方からゲストを呼ぶ際の渡航費」「大物ゲストのスケジュールや出演料」「撮影スタジオや収録スタッフへのコスト」など、相当な予算を投じていた可能性が考えられます。
以下のような要素が積み重なり、制作費が上振れしていたようです。
ちょっと話は変わりますが、このようなネット×テレビのハイブリッド路線を志向するほど、手間と人件費は増えやすいといえますね。
実際に「日経テレ東大学」は大手のバックアップがありながらも、常に採算やリスクを意識しなければならなかったのではないでしょうか。
配信ビジネスをめぐる意思決定が合意に至らず、“前身のチャンネル”ごとクローズされてしまったことが、リハック終了騒動の根底にあるようです。
ビジネス上の難しさが理由としては無視できないのではないでしょうか。
高橋氏が独立し、「ReHacQ−リハック−」の立ち上げ・復活
「リハックが終わるのでは?」と心配する声があった一方で、実際にはプロデューサーの高橋弘樹さんはテレビ東京を退社し、新チャンネル「ReHacQ−リハック−」を立ち上げる道を選んだのです。
これこそが、視聴者が待ち望んでいた“復活”の動きなのではないでしょうか。
(出典:YouTube)
テレビ局を離れたことで、一見すると予算やスタッフ面で苦労が増えると思われます。
しかし、独立したからこそ、大胆な企画が可能になるという側面も感じられるのです。
テレビ東京を退社した当初は高橋弘樹さん自身も手探り状態だったように報じられましたが、番組制作のノウハウや業界内のつながりを活かして、視聴者が喜ぶトーク企画を連発し始めたのは見逃せないポイントです。
結論として、「リハックは本当に終わったわけではなく、むしろ形を変えて続いている」という状況。
では、なぜこのチャンネルが短期間で人々の支持を集められたのかをここからは振り返ります。
ReHacQ−リハック−はなぜここまで人気なの?
リハックが爆発的に注目を集めているのには、いくつもの要因があるのではないかと思われます。
人気理由①:成田悠輔、西村博之(ひろゆき)による雑談が面白い
(出典:YouTube)
視聴者が「この雑談を聞いていると止まらなくなる」と口々に言うのは、やはりMCとして登場する成田悠輔さんと西村博之(ひろゆき)さんの掛け合いではないでしょうか。
ちょっと尖ったゲストや政治家とのトークにおいても、忖度なく鋭いツッコミを入れたり、予想外の軽口で笑いを生んだりするのが魅力。
成田悠輔さん、ひろゆきさんの掛け合いは真面目なテーマほど「なんだか面白い」という矛盾を作り出し、それがクセになるという人も多いですよね。
また、テレビでは見られない“リモート出演”や独特のラフなスタイルも人気を後押ししているようです。
背景の事情を深く説明しながらも余計なナレーションを入れず、ダラダラとした雑談にこそ隠れた本音や面白さがあるのだと感じられるため、視聴者が長時間でも飽きずに見続けているのではないでしょうか。
人気理由②:旬な著名人・専門家が登場&テレビでは聞けない本音
(出典:YouTube)
さらにリハックで注目されているのは、旬の著名人や専門家をゲストに招き、テレビでは言いづらいような本音に切り込むところにあると思います。
政治的立場が異なる議員同士を呼んでおきながら、MC陣が一歩も引かずに忖度なしの意見をぶつけさせる場面や、芸能・文化方面の人物がテレビでは使えないような表現で裏話を暴露するシーンなどが顕著といえるでしょうね。
石丸 伸二(安芸高田市長 → その後、彦根市長選出馬)
番組の中心的出演者の一人。市議会との対立や地方創生の取り組みが注目され、頻繁に登場しては“地方政治のリアル”を語る。
玉木 雄一郎(国民民主党・代表)
「日本倍増計画」など独自の経済政策を掲げる国民民主党の代表。ひろゆきとの激論や、新NISA・経済政策をめぐる議論が話題に。
馬場 伸幸(日本維新の会・代表)
ひろゆきや立憲民主党とのバトルなど、政党の“野党としての在り方”をめぐり徹底討論。大阪・日本維新の会の野望について語る。
河村 たかし(名古屋市長)
減税や行政改革をめぐり、ひろゆきらと激論を展開。河村市長独特の話しぶり・名古屋弁もあって番組を盛り上げた。
デヴィ夫人
歯に衣着せぬ発言で政治家を一喝する姿が印象的。外交や国家観、政治への不満をエネルギッシュに語った。
三浦 瑠麗(国際政治学者)
国際情勢から国内政治まで幅広く解説。番組では“なぜここまで言及が炎上しやすいのか”など彼女の議論スタイルも注目された。
東出 昌大(俳優)
旅企画やロケ企画にも登場。人生観を赤裸々に語るシーンや、焼肉・ラーメンなどの“町中華ロケ”などで意外な一面を見せた。
中田 敦彦(オリエンタルラジオ/YouTube大学)
YouTube大学コラボ企画で登場。テレビの在り方やエンタメ論、教育論などをめぐり、高橋弘樹ディレクターと深く語り合う場面が印象的。
さらに、地上波であればスポンサーや放送コードを気にしてしまう話題も、YouTubeメディアであれば自由にトークを展開しやすいのです。
そうした“テレビ感”と“ネットの緩さ”を合わせ持つスタイルが、視聴者にとって「ここにしかないリアルな会話」として受け止められているのではないでしょうか。
テレビがつまらないと言われる理由はここにありますね。
逆に招かれる専門家や政治家は、出演することで自らの活動やメッセージをダイレクトに届けられるため、新たな支持者を得やすいメリットもあるのです。
これまで表舞台で語られることが少なかった議論が活性化する機会にもつながっていると考えられます。
結果的に、リハックは息の長い人気チャンネルとして視聴者を引きつけ続ける要因を多数備えているのではないでしょうかね。
このようなポイントが積み重なり、チャンネルへの信頼感や期待値がさらに高まっているのです。
一度は終わりましたが、2025年1月時点でチャンネル登録者数は128万人。
以前に増して急成長しているチャンネルであるため、高橋さんが退社を選択したことは正しかったとも言えるかもしれませんね。