境界のRINNE打ち切り理由はつまらないから？終了した背景について

境界のRINNEは、高橋留美子さんによる人気漫画で、霊が見える高校生・六道りんねと、その仲間たちの物語です。この作品は、2009年4月から2017年12月まで「週刊少年サンデー」で連載されていました。

しかし、2017年に全40巻という長期連載を経て物語は堂々の完結を迎えましたが、一部では「打ち切りだったのでは？」という声も囁かれています。しかし、その噂は本当なのでしょうか。

ちなみに調査時点で全巻セットの最安値は以下でした。ご参考までに。

境界のRINNEが打ち切りと噂される理由とは？

結論から言うと、『境界のRINNE』は打ち切りではありません。物語は全40巻にわたって矛盾なく構成され、作者である高橋留美子先生の意向に沿って計画的に完結した作品です。

では、なぜ「打ち切り」という噂が広まってしまったのでしょうか。

理由①：偉大すぎる過去作との比較と人気の伸び悩み

一つ目の理由は、高橋留美子先生の過去作との比較です。

高橋留美子先生は『うる星やつら』『らんま1/2』『犬夜叉』など、社会現象を巻き起こした数々の大ヒット作を生み出してきました。

そのため、新作である『境界のRINNE』も、それらの作品と同等かそれ以上のヒットを期待する声が大きかったのです。

しかし、『境界のRINNE』は、過去作と比較すると売上が控えめだったという指摘があります。

『犬夜叉』のような壮大な世界観やシリアスなドラマを期待していたファン層からは、本作のハートフルコメディ中心の作風が少し物足りなく感じられたのかもしれません。

また、キャラクターが比較的落ち着いており、「ワチャワチャ感が少ない」といった意見も見られました。

この「過去作と比べると地味」「人気が伸び悩んだ」というイメージが、「人気がなかったから打ち切られたのではないか」という憶測に繋がったと考えられます。

しかし、これはあくまで偉大すぎる過去作との比較論であり、単行本が全40巻、アニメが3シリーズも制作されたという事実は、作品として十分に人気を博し、成功を収めた証拠と言えるでしょう。

理由②：原作の物語が続いていたのに終了したため

二つ目の理由は、アニメシリーズの終わり方にあります。『境界のRINNE』は2015年から2017年にかけて、NHK Eテレで3シリーズ（全75話）にわたって放送されました。

しかし、第3シリーズの最終回は、原作の物語がまだ続いているにもかかわらず、4期の告知なく終了しました。

最終回のラストに高橋留美子先生直筆の主要キャラクター全員が登場する特別な演出があったことで、多くの視聴者が「これでアニメは完結なんだ」「続編はないから打ち切りだ」と解釈してしまったのです。

原作ストックが十分に残っている状態でのこの演出は、打ち切り説を強く印象付ける結果となりました。

また、アニメ第3シリーズは監督など一部スタッフの変更があり、作画の質や構成のアンバランスさを指摘する声もありました。こうした要因も、シリーズ継続が難しい状況だったのではないか、というファンの推測を呼んだ一因かもしれません。

さらに、高橋留美子先生の新作『MAO』が連載開始・アニメ化されるなど、メディア展開の主軸が次の作品へ移っていったことも、RINNEの続編が途絶えた印象を強めたと考えられます。

理由③：つまらないなど賛否あったため

三つ目の理由は、高橋留美子先生の作風の変化、あるいは挑戦とも言える点です。

本作の主人公・六道りんねとヒロイン・真宮桜は、これまでの高橋作品のキャラクターとは一線を画す、新しいタイプの主人公・ヒロインとして描かれました。

りんねは、これまでの熱血漢な主人公とは異なり、冷静で真面目、そして何より極貧という設定が特徴。

一方の桜は、常にクールで感情をほとんど表に出さず、幽霊を見ても動じないという、非常に落ち着いた少女です。

高橋留美子先生自身も、桜について「描いている私も『今この人、無だ』と掴み所がなかったです」と語っており、その独特なキャラクター造形がうかがえます。

この二人の淡々とした関係性や、お色気シーンがほとんどない作風は、従来のドタバタラブコメを期待していたファンにとっては、新鮮であると同時に「物足りない」「じれったい」と感じられた可能性があります。

この作風の変化が、一部の読者層に「期待と違った」という印象を与え、人気が伸び悩んでいるというイメージに繋がり、結果として打ち切り説を補強する一因になったのかもしれません。

個人的に思うこと

ここまで「打ち切り」と言われる理由を分析してきましたが、個人的には、『境界のRINNE』は決して打ち切りなどではなく、むしろ高橋留美子先生の新たな魅力を開花させた傑作だと思います。

確かに、過去作のような派手さはないかもしれません。

しかし、「死」という重いテーマを扱いながらも、決して湿っぽくならず、貧乏死神りんねの奮闘やユニークな死神道具、桜のシュールなツッコミを交えて、一級品のハートフルコメディに昇華させている手腕は、さすがとしか言いようがありません。

高橋留美子先生がインタビューで「死を笑うことはしたくない」と語っていたように、命に対する真摯な眼差しが作品の根底に流れているのを感じます。

りんねと桜の、ゆっくりと、しかし確実に距離を縮めていく関係性は、じれったいながらも非常に心地よく、読者の心を温かくしてくれます。

派手な恋愛模様だけがラブコメの全てではない、ということを教えてくれるような、奥深い魅力があるのです。

境界のRINNEはつまらない？イメージ調査と口コミ一覧

『境界のRINNE』は、打ち切りと噂される一方で、非常に多くのファンから愛され続けている作品です。

実際にファンからの口コミを調査してみると、その約8割以上が作品に対して好意的な印象を持っていることがうかがえます。

ここでは、ファンから寄せられた代表的な口コミをいくつかご紹介します。

高橋留美子ワールド全開で、安定の面白さです！りんねのお父さん、鯖人がナイスキャラ！

りんねと桜の関係がじれったくて、もどかしくて、すごく応援したくなります！笑

アニメで知ってハマりました。テンポが良くて飽きずに見られます。

他のるーみっく作品とは違う、この落ち着いた雰囲気が逆に好き。癒されます。

キャラクターがみんな個性的で魅力的。特に契約黒猫の六文が可愛い！

貧乏なりんねが不憫すぎて、逆に面白い（笑）何か差し入れしてあげたくなる。

アニメ4期、ずっと待ってます！まだまだ見たいエピソードがたくさんあるんです！

境界のRINNEがつまらないと言われる理由

先ほどの内容と一部被りますが以下のような理由から一部で面白くないなどの声が上がるようです。

過去のヒット作と比べられがちだから

『境界のRINNE』がつまらないと言われる理由の一つに、高橋留美子さんの過去のメガヒット作と比較されてしまう点が挙げられます。

これは、偉大な前作を持つ作品の宿命とも言えるかもしれません。

高橋留美子さんといえば、『うる星やつら』のドタバタSFラブコメディ、『らんま1/2』の奇想天外な格闘ラブコメディ、そして『犬夜叉』の戦国時代を舞台にした壮大な冒険活劇など、数々の金字塔を打ち立ててきました。

これらの作品は、それぞれが非常に個性的で、派手なアクションや先の読めないシリアスな展開、そしてキャラクターたちの激しい感情のぶつかり合いが魅力でした。

そのため、多くの読者やアニメファンは、高橋留美子さんの新作である『境界のRINNE』にも、同様のテイストを期待していたと考えられます。

しかし、『境界のRINNE』は、これらの過去作とは少し毛色が異なります。

物語の基本は、貧乏な死神の少年・六道りんねが、幽霊が見える少女・真宮桜と協力して、この世に未練を残す霊を成仏させていくという、一話完結型の心霊コメディです。

過去作のような壮大なストーリーや、キャラクター同士の激しい恋愛バトルを期待していたファンにとって、『境界のRINNE』の穏やかでまったりとした作風は、少し物足りなく感じられた可能性があります。

主人公の六道りんねとヒロインの真宮桜は、これまでの高橋作品の主人公たちと比べると非常にクールで落ち着いた性格です。

このテンションの低さが、「静かすぎる」「勢いがない」といった印象に繋がったのかもしれません。

恋愛の進展が非常にゆっくりだから

ラブコメディとしての側面も持つ『境界のRINNE』ですが、その恋愛模様の進展が非常にゆっくりであることも、「つまらない」と感じる一因になっているようです。

高橋留美子さんの作品は、恋愛要素も大きな魅力の一つだからこそ、この点に注目するファンは多いのです。

主人公の六道りんねとヒロインの真宮桜は、お互いに好意を抱いていることが読者には伝わってくるものの、その関係はなかなか一歩を踏み出しません。

二人とも感情をあまり表に出さないクールな性格のため、嫉妬したり、気持ちをぶつけ合ったりといった、これまでの高橋作品でよく見られたような派手な恋愛の駆け引きは少ないのです。

連載初期、高橋留美子さんはこの作品を「男の子向け」と語っており、心霊やアクション要素に重点が置かれていたため、ラブコメ要素は意図的に薄めにされていたようです。

そのため、読者としては「二人はいつになったら付き合うの？」と、もどかしい気持ちを抱えながら見守ることになります。

もちろん、物語が進むにつれて、りんねのために桜がお弁当を作ったり、りんねがライバルの十文字翼に嫉妬するようなそぶりを見せたりと、二人の関係は少しずつ変化していきます。

そして、全40巻に及ぶ長い物語の末、最終回ではついに二人の気持ちが通じ合い、恋人同士になるという結末を迎えます。

このゆっくりと育まれる関係性を「じれったくて良い」「応援したくなる」と楽しむファンがいる一方で、もっと急速な展開やドキドキするシーンを期待していた読者にとっては、物足りなさを感じてしまったのかもしれません。

恋愛を主軸に楽しみたい読者からすると、「話が進まない」という印象を持たれても仕方ない部分はあると思います。

一話完結で物語の起伏が少ないから

『境界のRINNE』の物語構造が、基本的に一話完結形式であることも、評価が分かれるポイントです。

毎週気軽に楽しめるという大きなメリットがある一方で、物語全体の大きな流れが感じにくく、単調だと捉えられることもあるのです。

各エピソードは、学校の生徒などから持ち込まれる心霊相談を、りんねが解決するというのが基本パターンです。

このお決まりの展開は、安心して楽しめる安定感があります。

アニメもこの形式を踏襲しており、どの話から見てもすんなりと世界観に入り込めるのが魅力です。

しかし、裏を返せば、物語に大きな起伏が少ないということでもあります。

『犬夜叉』における四魂のかけらを巡る旅や、奈落との因縁のような、作品全体を貫く強烈な縦軸のストーリーは『境界のRINNE』にはあまり見られません。

海外のファンからも「エピソードを順番に見なくても同じ体験が得られる」といった、ストーリーの連続性の弱さを指摘する声があります。

また、『らんま1/2』の八宝斎のように、登場するだけで物語をかき乱すような、常識外れの強烈なキャラクターが少なく、もちろん、りんねの父親である六道鯖人や、悪魔の魔狭人など、個性的なキャラクターはたくさん登場しますが、物語の根幹を揺るがすほどの大きな事件に発展することは稀です。

この「お決まりの展開」を、様式美として楽しめるか、マンネリとして退屈に感じてしまうかで、作品の評価は大きく変わってくるでしょう。

壮大な伏線や謎解き、二転三転するようなスリリングな展開を求める読者にとっては、『境界のRINNE』の作風は少し平坦に感じられたのかもしれません。

Q&A

ここでは、『境界のRINNE』に関するよくある質問から、少しマニアックな質問まで、Q&A形式でお答えしていきます。

アニメの第4期は放送される可能性はありますか？

残念ながら、2025年6月現在、アニメ第4期の制作に関する公式発表はありません。しかし、原作にはまだアニメ化されていないエピソードが多く残っており、ファンからの続編を望む声も非常に根強いです。今後、OVA（オリジナル・ビデオ・アニメーション）や、Netflixなどの配信サービス限定での新作、あるいは数年後を見据えたリブート（再アニメ化）といった形で、再び映像化される可能性はゼロではないと思われます。ファンの応援の声が、未来の展開に繋がるかもしれません。

結局、りんねと桜は付き合ったのですか？

はい、物語の最終巻である40巻で、二人はお互いの気持ちを確かめ合い、事実上の恋人関係になったと言えるでしょう。作中ではっきり「付き合ってください」という言葉が交わされるわけではありませんが、悪霊の力によるすれ違いを乗り越え、りんねが桜への想いを自覚し、桜もそれに応えるという、非常に感動的な形で結ばれます。読者の想像に委ねる余地を残しつつも、誰もが納得するハッピーエンドを迎えたのです。

りんねは、なぜあれほど貧乏なのに現世での生活にこだわるのですか？

作中で明確な理由は語られていませんが、いくつかの理由が複合的に考えられます。まず、人間のおじいさんに育てられたことで、「人間として生活すること」に愛着や魅力を感じていること。また、死神と人間のクォーターであるという自身の出自も関係しているかもしれません。そして、現実的な理由としては、現世の方が浄霊の仕事を見つけやすく、一人前の死神になるための修行の場として最適だと考えている可能性もあります。何よりも、高校で真宮桜に出会ったことが、彼にとって現世での生活を続ける最大の理由になっているのは間違いないでしょう。

作中で一番不憫（ふびん）なキャラクターは誰だと思いますか？

これは非常に難しい質問ですが、多くのファンが名前を挙げるのは、りんねの恋敵である「十文字 翼」と、りんねに一方的な好意を寄せる死神「鳳」だと思われます。翼は一途に桜を想い続けますが、その恋が実ることはありませんでした。鳳もまた、様々な作戦でりんねにアタックしますが、ことごとく空振りに終わります。作者の高橋留美子先生も鳳について「恋敵になればなと思って出したのですが、空振りに終わりましたね」とコメントしており、その報われなさは公式のお墨付きと言えるかもしれません。

桜の着替えシーンがあると聞きましたが、本当ですか？

はい、本当です。原作漫画の第11巻、第3話「りんねはどこに？」というエピソードで、桜の着替えシーンが描かれています。これは、霊が見えなくなるキャンディーを食べたことでりんねの姿が見えなくなった桜が、自室で安心して着替える場面です。アニメ版ではこのお色気シーンはカットされているため、原作ならではの貴重なシーンと言えるでしょう。