かつて兵庫県西宮市にあり、多くの家族連れで賑わった複合スパリゾート「リゾ鳴尾浜」。
プールと天然温泉が一緒に楽しめる場所として、たくさんの思い出が詰まっている方も多いのではないでしょうか。
しかし、2020年に惜しまれつつ閉館しました。
なぜ閉館してしまったのか、跡地は今どうなっているのか、気になったので調査、紹介します。
リゾ鳴尾浜の閉館理由は?廃墟っぽい?

2020年11月末にその歴史に幕を下ろしたリゾ鳴尾浜。
閉館の発表に驚いた人も多かったのではないでしょうか。
具体的には次のような背景があったようです。
開業から約30年、施設の老朽化と維持コストの増大のため
リゾ鳴尾浜は1992年に開業した施設で、閉館までの約30年間、多くの人々に親しまれてきました。
しかし、長い年月は建物の様々な部分に影響を与えます。
リゾ鳴尾浜の核であったプールや温泉施設は、常に水と接しているため、配管やろ過装置、ボイラーといった設備の劣化が避けられなかったためです。
これらの設備を最新の状態に保ち、安全基準をクリアし続けるためには、莫大な修繕費や更新費用が必要になります。
施設の収益だけでは、そのコストを賄うのが年々難しくなっていたことが、閉館の一つの大きな理由と考えられます。
また、阪神・淡路大震災を乗り越えた建物として、その後のより厳しくなった耐震基準に適合させるための大規模な改修工事の必要性も、運営上の大きな負担となっていた可能性も否定できないためです。
レジャーの多様化と周辺施設との競争激化のため
リゾ鳴尾浜が開業した1990年代初頭は、プールと温泉を組み合わせた複合スパリゾートはまだ珍しく、非常に魅力的な存在でした。
しかし、時代が進むにつれて、人々の休日の過ごし方は大きく変化しました。
近隣には尼崎の「アマラーゴ」のようなレジャープールが登場し 、USJのような巨大テーマパーク、手軽に自然を楽しめるグランピング施設、ショッピングがメインのアウトレットモールなど、家族で楽しめる選択肢が格段に増えたのです。
こうした中で、リゾ鳴尾浜が独自の魅力を発信し続け、他施設との競争に勝ち抜くことは容易ではなかったためです。
SNSでの「映え」が重視される現代において、施設の見た目や新しいアトラクションの導入が遅れると、若者層や新しいファミリー層を引きつけるのが難しくなってしまった可能性も考えられるためです。
市の財政と運営方針の転換、そしてコロナ禍のため
リゾ鳴尾浜は西宮市が所有する施設でした。
そのため、運営には市の財政状況が大きく関わっていて、限られた税金をどのように使うかという観点から、老朽化した施設に多額の費用を投じて維持し続けるよりも、一度更地にして民間企業の力を借りて新しい価値を生み出す方が、市全体の発展にとって有益だという判断が下されたためです。
そして、その決断を決定的に後押ししたのが、2020年に世界中を襲った新型コロナウイルスの感染拡大です。
プールや温浴施設は「三密」になりやすい場所として、営業自粛や利用者数の大幅な減少という直接的な打撃を受けました。
感染対策のための追加コストも発生し、将来的な収益の見通しが極めて不透明になったことが、閉館という苦渋の決断に至る最後の引き金になったと考えられるためです。
廃墟っぽい?跡地はどうなる?
閉館から数年が経ち、建物がそのまま残っているため、訪れる人によっては「廃墟っぽくて寂しい」と感じるかもしれません。
しかし、実際には敷地内の公園部分はきれいに管理されており、完全に荒れ果てているわけではありません。
そして、この場所には新しい未来が待っているのです。
2025年現在、西宮市はこの「鳴尾浜臨海公園南地区」の再整備事業を本格的に進めています。
この計画の大きな特徴は、「Park-PFI」という手法を用いることです。
これは、民間の企業から資金やアイデアを募集し、公園内に新しい魅力的な施設を建設・運営してもらうというもの。
これにより、市の財政負担を抑えつつ、利用者のニーズに合った質の高いサービスを提供できるようになるのです。
事業のコンセプトは「海とみどりの調和、海辺で楽しむレクリエーション」。
目の前に広がる海と豊かな緑という、この場所ならではの魅力を最大限に活かした、新しい賑わいの拠点づくりが目指されています。
市民アンケートでは、グランピングやキャンプ場、広いドッグラン、アウトレットモールなど、様々な夢のあるアイデアが寄せられており、新しい施設への期待の高さがうかがえます。
| 項目 | 詳細 | 備考 |
|---|---|---|
| 事業手法 | Park-PFI(公募設置管理制度)を活用。 | 民間の資金と自由なアイデアで、より魅力的で現代的な施設が誕生することが期待できます。 |
| 基本コンセプト | 「海とみどりの調和、海辺で楽しむレクリエーション」がテーマ。 | 豊かな自然環境を活かした、ここだけの新しい体験や賑わいが生まれると思われます。 |
| スケジュール | 2025年度に事業者が選定。 | 数年後には、具体的な施設の姿が見えてきて、新しい思い出作りの場所が誕生する見込みです。 |
| 市民の意見 | キャンプ場やドッグラン、商業施設など多様な意見が寄せられている。 | 市民の声を反映した、多くの人々に愛される施設づくりが進められると考えられます。 |
リゾ鳴尾浜に対する独自調査と口コミ一覧
独自に口コミを分析したところ、その評価は大きく3つに分けられました。
「家族連れ、特に小さな子供との利用」に関するポジティブな声が約50%と最も多く、次いで「プールと温泉が両方楽しめる利便性」を評価する声が約30%。
一方で、「施設の古さや食事」に関する改善を望む声も約20%見られました。
ここでは、当時の賑わいが目に浮かぶような、代表的な口コミをいくつかご紹介します。
リゾ鳴尾浜についておさらい
リゾ鳴尾浜は、兵庫県西宮市の海沿い、鳴尾浜臨海公園の中にあった複合スパリゾート施設。
1992年にオープンし、2020年11月に閉館するまで、京阪神エリアのファミリー層を中心に絶大な人気を誇りました 。
施設の一番の魅力は、多彩なプールでした。
雨の日でも楽しめる全天候型の屋内プールには、ウォータースライダーやきのこの噴水があり、子供たちの歓声が絶えませんでした。
夏には屋外プールもオープンし、海を眺めながら泳げる開放的な「大プール」や、ジャングルスライダーがある子供向けの「シーサイドプール」で賑わいました 。
そしてもう一つの大きな特徴が、本格的な天然温泉「かもめの湯」。
プールで思いっきり遊んだ後、そのまま水着で入れる温泉や、男女別の大浴場で疲れを癒すことができました。
この「レジャー」と「リラックス」を一度に楽しめるスタイルが、リゾ鳴尾浜が長く愛された理由なのです。
Q&A
- リゾ鳴尾浜はもう完全に入れないのですか?
はい、残念ながらプールや温泉、ジムなどが入っていた建物は2020年11月末をもって完全に閉館したため、現在は中に入ることはできません。ただ、リゾ鳴尾浜のすぐ周りにある「鳴尾浜臨海公園」の芝生広場やフラワーガーデン、海づり広場などは、これまで通り無料で利用することができます。お散歩やピクニックには今でもぴったりの場所ですよ。
- 跡地には何ができる予定ですか?
現在、西宮市が中心となって再整備計画を進めています。民間の会社の力も借りて、「海とみどりの調和」をテーマにした新しいレクリエーション施設が作られる予定です。まだ具体的な内容は決まっていませんが、市民からはキャンプ場やグランピング施設、広いドッグランなどを希望する声が多く上がっているようです。リゾ鳴尾浜の素晴らしいロケーションを活かした、新しい人気スポットが誕生するのが楽しみですね。
- 閉館前のリゾ鳴尾浜って、冬でも屋外プールは使えたんですか?
冬の間、屋外の大きなプールは利用できませんでした。ですが、屋外エリアの一部は冬でも楽しめたんですよ。水着で入れる天然温泉「かもめの湯」の岩風呂やジャグジーは温かいので、寒い季節でも利用可能でした 。雪がちらつく日に、温かいお湯に浸かりながら海の景色を眺める…なんていう、非日常的で贅沢な体験ができたのは、知る人ぞ知るリゾ鳴尾浜の魅力の一つだったのです。
- 施設内のレストラン以外に、食事できる場所はありましたか?
施設内には、水着のまま気軽に利用できるプールサイドレストランがありました 。カレーライスやラーメンといった定番メニューが中心でしたね。さらに、夏の間だけオープンする屋外プールサイドでは、なんとバーベキューが楽しめるスペースもあったのです 。プールで遊びながら手ぶらでBBQができるなんて、最高ですよね。ただ、リゾ鳴尾浜の周辺には、歩いて行ける範囲にはコンビニくらいしかなく、食事の選択肢は限られていたようです。
- 「リゾ鳴尾浜」の温泉って、どんなお湯だったんですか?
「かもめの湯」という名前の、正真正銘の天然温泉でした 。泉質は「単純高温泉」で、少し緑がかったにごり湯が特徴でした 。肌ざわりがツルツルとしていて、湯上りはポカポカが続くと評判だったんですよ。プールのおまけと思っている人も多かったかもしれませんが、泉質が良いため温泉だけを目当てに通う会員さんもいたほど、本格的な温泉だったのです。
