四国地方、特に徳島県や愛媛県で多くの人に愛されてきた宅配ピザチェーン「ピザ・ロイヤルハット」。
子供の頃の誕生日や、家族が集まる特別な日に食べた思い出の味だった、という方も多いのではないでしょうか。
なぜ、このような事態になってしまったのでしょうか。
本記事では、ピザ・ロイヤルハットの破産・閉店理由を深く掘り下げ、よく似た名前の「ピザハット」との違いや、運営会社の社長についても詳しく調査・紹介していきます。
ピザロイヤルハットの破産理由は?閉店はなぜ?【全店閉店ではない!】

まず大切な点として、「ピザ・ロイヤルハット」というチェーン全体がなくなったわけではなく、2026年3月に破産したのは、徳島県内で「ピザ・ロイヤルハット」の店舗をフランチャイズ(FC)として運営していた「株式会社ステップ二十一」という会社です。
そのため、香川県や愛媛県など、他の会社が運営している店舗は現在も営業を続けています。
しかし、発祥の地である徳島からその姿が消えてしまったのは、非常に寂しいことだと思います。

SNS上でも「徳島からロイヤルハットがなくなるなんて信じられない」「青春の味だったのに…」といった、閉店を惜しむ声が多く見られました。
破産・閉店までの主な時系列
| 時期 | 出来事 | 備考 |
|---|---|---|
| 2023年10月 | 三加茂店(徳島県)が閉店 | 人手不足が理由と報道されました。 |
| 2025年1月19日 | 株式会社大乘が運営する店舗が一時閉店 | 新ブランド「ピザロイ」へのリニューアル準備のためでした。 |
| 2026年1月5日 | 株式会社大乘が「ピザロイ」としてリニューアルオープン | ピザ・ロイヤルハットから独立した形です。 |
| 2026年2月15日 | 新居浜店(愛媛県)が閉店 | 長年親しまれた店舗の閉店でした。 |
| 2026年3月24日 | 株式会社ステップ二十一が破産開始決定 | 徳島県内の全7店舗の運営会社です。 |
このように、閉店や独立、そして破産といった動きが立て続けに起こっていたことがわかります。
では、なぜ徳島の運営会社は破産に至ってしまったのでしょうか。考えられる2つの大きな理由について、専門的な視点も交えながら見ていきましょう。
破産・閉店理由1:フランチャイズ経営の脆弱性のため

今回の件で最も重要なポイントは、破産したのがチェーン本部ではなく、特定の地域で店舗を運営していたフランチャイズ(FC)加盟企業だった、という点で、ピザ・ロイヤルハットに限らず、多くの飲食チェーンが抱える構造的な問題点とも言えるのです。
FCシステムは、本部がブランド名や商品、経営ノウハウを提供し、加盟店がロイヤリティ(対価)を支払って店舗を運営する仕組みです。
加盟店は独立した事業者なので、その経営手腕や資金力、そして地域の経済状況によって業績が大きく左右されます。

つまり、チェーン全体のブランドイメージが良くても、個別の加盟店の経営が悪化すれば、その店舗は閉店、最悪の場合は会社ごと破産してしまう可能性があるのです。
今回のケースでは、徳島県内の店舗を運営していた「ステップ二十一」の経営が立ち行かなくなってしまった、と考えらる一方で、香川県の「ワイビー株式会社」や、愛媛県で「ピザロイ」として独立した「株式会社大乘」のように、健全な経営を続けている他の運営会社は、影響を受けずに営業を継続できています。
これは、FC経営のメリットでもあり、同時にリスクが分散されているとも言えますが、地域によってはサービスが受けられなくなるというデメリットにも繋がるのです。

飲食業界では、競争の激化からFC加盟店が苦境に陥る例は少なくありません。
過去には、同じ宅配ピザ業界で「ドミノ・ピザ」が大量閉店に追い込まれたり、「シカゴピザ」が自己破産したりといった事例もありました。
ピザ・ロイヤルハット徳島もまた、こうした厳しい業界環境の中で、FC経営の難しさに直面した一例と言えるのかもしれません。
| 項目 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 加盟店側 | 本部の知名度や商品力を活用できることです。 | 経営の自由度が低く、ロイヤリティの支払いが発生します。 |
| 本部側 | 自己資金を抑えてスピーディーに店舗網を拡大できることです。 | 加盟店の不祥事がブランド全体のイメージダウンに繋がる恐れがあります。 |
| 顧客側 | 全国どこでも均一な品質のサービスを期待できることです。 | 加盟店の経営状況によって、突然お店がなくなる可能性があります。 |
破産・閉店理由2:地方特有の深刻な人手不足とそれに伴う経営悪化のため

もう一つの大きな理由として考えられるのが、地方における深刻な「人手不足」で、実際に、2023年10月に閉店した徳島県の三加茂店は、人手不足が直接的な原因であったと報じられています。
これは、単なる一つの店舗の問題ではなく、日本の多くの地方企業が直面している構造的な課題なのです。
特に飲食業界は、勤務時間が不規則で体力的にも厳しい側面があるため、人手を確保するのが難しい業種の一つです。

帝国データバンクの調査でも、企業の半数以上が人手不足を感じているというデータがあり、その状況は年々深刻化しています。
人手不足は、単に「働き手がいない」という問題だけでは終わりません。
- 労働環境の悪化
スタッフ一人当たりの負担が増え、長時間労働が常態化します。 - サービス品質の低下
忙しさから丁寧な調理や接客が難しくなり、顧客満足度が下がってしまいます。 - 売上の減少
顧客離れが進むだけでなく、営業時間を短縮せざるを得なくなり、売上が直接的に減少します。 - 経営の圧迫
売上が減る一方で、人件費は高騰し、利益を圧迫。最終的には資金繰りが悪化し、経営が立ち行かなくなります。
このような負のスパイラルに陥ってしまった可能性が考えられます。
特に、宅配ピザは注文を受けてから調理し、迅速に届けなければならないため、十分な数のスタッフを確保することがビジネスの生命線で、人手不足が経営の根幹を揺るがし、最終的に破産という悲しい結末に繋がってしまったのではないでしょうか。

過去には、美容脱毛サロンの「ミュゼプラチナム」の運営会社が、資金繰りの悪化から破産を申し立てられたケースもあり、業種は違えど、経営悪化が倒産に直結する恐ろしさを示唆しています。
| 人手不足が引き起こす問題 | 具体的な内容 | 最終的に行き着く先 |
|---|---|---|
| 現場レベル | 長時間労働、スタッフの疲弊、サービスの質の低下が起こります。 | 従業員の離職、顧客離れに繋がります。 |
| 経営レベル | 人件費の高騰、売上の減少、採用コストの増大が起こります。 | 利益の減少、資金繰りの悪化を招きます。 |
| 企業全体 | 新規出店や事業拡大が困難になり、成長が止まってしまいます。 | 事業の縮小、そして最悪の場合は倒産に至ります。 |
そもそもピザハットとの違いって?

「ピザ・ロイヤルハット」と「ピザハット」、名前がとても似ているので、同じ会社のブランドだと思っている方も多いのではないでしょうか。
この二つ、全くの別会社で、例えるなら、「サッポロ一番」と「チャルメラ」が違う会社のラーメンであるようなもので、名前は似ていてもルーツも特徴も全く異なります。
その違いを詳しく見てみましょう。
| 項目 | ピザ・ロイヤルハット | ピザハット |
|---|---|---|
| 発祥 | 日本(徳島県) | アメリカ(カンザス州) |
| 企業規模 | 四国地方が中心のローカルチェーン | 世界100か国以上に展開する世界最大級のチェーン |
| 親会社 | 独立した日本企業(複数のFC会社が運営) | ヤム・ブランズ(KFCなども運営する巨大企業) |
| コンセプト | 素材へのこだわり(天然酵母、ナチュラルチーズ100%など) | 多彩な生地とメニュー(パンピザ、クリスピーなど) |
| 特徴 | 地域に根差した、手作り感のある素朴な味わい | グローバルな商品開発力と、日本独自の改良(トマトソースなど) |
簡単に言うと、ピザ・ロイヤルハットは「四国で生まれた、素材にこだわる地域密着型のピザ屋さん」である一方、ピザハットは「アメリカ生まれで世界中に広まった、多彩なメニューが楽しめるグローバルなピザ屋さん」と言えるでしょう。
ピザ・ロイヤルハットは、生地を毎日お店で粉から手作りし、その日の気温や湿度に合わせて水分量などを調整するという、非常に手間のかかる製法を大切にしています。

チーズもナチュラルチーズ100%にこだわるなど、「いいもの、いい味、一から手作り」という理念が感じられます。
対するピザハットも、日本人の好みに合わせるために、本国に交渉して世界で唯一日本独自のトマトソースやチーズを使用する許可を得るなど、美味しさへの追求には並々ならぬものがあります。
どちらが良いというわけではなく、それぞれに違った魅力とこだわりがあるのです。
| 豆知識 | 内容 | 補足 |
|---|---|---|
| ロゴの秘密 | ピザハットのロゴは「帽子(ハット)」ではなく、創業当初の店舗の「赤い屋根」がモチーフなのです。 | Hutは山小屋という意味で、建物の形から名付けられました。 |
| 地域No.1 | ある調査では、四国地方で最もおいしいと思う宅配ピザチェーンで「ピザ・ロイヤルハット」が1位に輝いています。 | 地元での根強い人気がうかがえますね。 |
| 独立ブランド | 愛媛の運営会社は「ピザロイ」という新ブランドで独立しました。 | ロイヤルハットの味を受け継ぎつつ、新しい挑戦をしています。 |
社長ってどんな人だった?

「ピザ・ロイヤルハットの社長」と一言で言っても、実は一人ではありません。
というのも、このチェーンは「株式会社ピザ・ロイヤルハット」という本部と、各地で店舗を運営する複数のフランチャイズ(FC)運営会社によって成り立っているからです。
そのため、それぞれの会社に社長がいる、という少し複雑な形になっているのです。
株式会社ピザ・ロイヤルハット(本部)
チェーン全体を統括する本部のトップは、代表取締役会長の石津治男氏です。
ピザ・ロイヤルハットというブランドの創業者であり、全体の舵取り役を担う中心人物と言えるでしょう。
主なフランチャイズ運営会社の社長たち
実際に店舗を運営し、私たちにピザを届けてくれているのは、こうしたFC運営会社の皆さんです。
代表的な会社の社長をご紹介します。
- ワイビー株式会社(香川県)の野田勝利氏
香川県を中心に14店舗のロイヤルハットなどを運営する会社の社長です。
野田氏は「うちはピザ屋ではない、人づくりをする企業だ」という強い信念を持っています。
従業員の労働環境改善や給与規定の作成に早くから取り組み、人を育てることを経営の中心に据えている、情熱的な経営者なのです。 - 株式会社大乘(愛媛県)の大野賀生氏
愛媛県を中心に店舗を展開し、最近「ピザロイ」として独立した会社の二代目社長です。
両親が二人三脚で飲食業を営む姿を見て育ち、その厳しさと素晴らしさを肌で感じてきたそうです。
伝統を守りつつも、独立という新しい道を選び、積極的に事業を展開しています。 - 株式会社ステップ二十一(徳島県)の芝田幸久氏
そして、今回破産という決断に至った、徳島県の運営会社の社長が芝田幸久氏です。
破産に至るまでには、人手不足や経営悪化など、様々な苦悩があったことと思われます。
このように、ピザ・ロイヤルハットは、本部の石津会長のリーダーシップのもと、野田氏や大野氏のような個性豊かな地域の経営者たちの努力によって支えられてきたチェーンなのです。
| 運営会社 | 拠点 | 社長(代表者) |
|---|---|---|
| 株式会社ピザ・ロイヤルハット(本部) | 徳島県 | 石津 治男 氏(代表取締役会長) |
| ワイビー株式会社 | 香川県 | 野田 祐一 氏(代表取締役社長) |
| 株式会社大乘 | 愛媛県 | 大野 賀生 氏(二代目社長) |
| 株式会社ステップ二十一(※破産) | 徳島県 | 芝田 幸久 氏(取締役社長) |
Q&A
- ピザ・ロイヤルハットは、もう全部のお店がなくなってしまったのですか?
いいえ、そんなことはありません。今回、破産してしまったのは、徳島県内で店舗を運営していた「株式会社ステップ二十一」という会社だけです。香川県や広島県、岐阜県など、他の会社が運営している「ピザ・ロイヤルハット」の店舗は、今も元気に営業を続けています。ですので、お住まいの地域の店舗が別の会社によって運営されていれば、これまで通り注文することができますよ。
- 最近「ピザロイ」という名前を聞きますが、ロイヤルハットとは違うのですか?
「ピザロイ」は、もともと愛媛県などでピザ・ロイヤルハットを運営していた「株式会社大乘」という会社が、2026年1月からスタートさせた新しいブランド名です。ピザ・ロイヤルハットのフランチャイズから独立し、独自のブランドとして再出発した形になります。長年培ってきたピザ作りのノウハウを活かしつつ、さらに進化した美味しさを目指しているそうなので、愛媛にお住まいの方はぜひ試してみてはいかがでしょうか。
- 運営会社がたくさんあるみたいですが、お店によって味が違ったりするのですか?
基本的には、本部が定めたレシピや食材の基準があるため、どの店舗で食べても「ピザ・ロイヤルハットの味」が楽しめるようになっています。しかし、生地は各店舗で粉から手作りしているため、その日の気候や作るスタッフの熟練度によって、焼き加減や食感に微妙な違いが生まれることはあるかもしれません。また、FC運営会社によっては、その地域限定のオリジナルメニューを提供している場合もあります。そうした「お店ごとの個性」を探してみるのも、チェーン店を楽しむ一つの醍醐味と言えるかもしれませんね。
