『教えて!ニュースライブ 正義のミカタ』は、朝日放送テレビ制作のニュース情報番組で、その鋭い切り口から関西を中心に根強い人気を誇っていますが、一部地域での放送終了や休止が相次ぎ、「打ち切りではないか?」と心配する声も聞かれます。
名古屋や福岡の視聴者からは、放送が見られなくなったことへの疑問が多く寄せられているようです。
今回は名古屋・福岡における『正義のミカタ』の放送状況の真相を時系列で整理し、なぜ放送終了や休止が起こるのか紹介します。
正義のミカタの名古屋・福岡放送の終了なぜ?打ち切り?

結論から言うと、『正義のミカタ』は名古屋(メ~テレ)では2025年時点でも放送中ですが、福岡(KBC九州朝日放送)では一度打ち切りになった後、2025年4月から時差ネットで放送が再開されています。
完全な打ち切りというわけではなく、各局の編成方針によって放送形態が変化しているのが実情です。
『正義のミカタ』は、制作局である朝日放送テレビ(ABCテレビ)が販売する「ローカルセールス枠」の番組で、各地方局が自局の判断で購入(ネット)するかどうかを決められる仕組みを指します。
そのため、全国一律で放送されるわけではなく、地域によって放送の有無や時間が異なるのです。名古屋や福岡での放送状況の変遷を時系列で見てみましょう。
| 放送局 | 時期 | 放送状況の変化 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 福岡 (KBC) | 2018年4月7日 | 同時ネットで放送開始 | 放送開始時には歓迎のテロップも表示されました。 |
| 2020年9月26日 | 放送を一旦打ち切り | 約2年半で一度放送が終了しました。 | |
| 2025年4月12日 | 時差ネット(3時間30分遅れ)で放送再開 | 4年半ぶりにネットが復活しました。 | |
| 名古屋 (メ~テレ) | 2016年4月9日 | 同時ネットで放送開始 | 現在も土曜朝9:30から放送されています。 |
| 2025年10月18日など | 不定期で放送休止 | 局主催のイベント中継などが優先されることがあります。 |
福岡では一度放送が途絶えましたが、視聴者の要望などもあってか、時間をずらしての放送が再開されました。
一方、名古屋では継続的に放送されていますが、地元のイベントなどが重なると休止になるケースがある、というのが正確な状況です。
したがって、「打ち切り」というよりは「各局の編成判断による変動」と捉えるのが適切だと思われます。
放送終了・休止理由1:地方局の編成方針とローカルセールス枠の特性のため
『正義のミカタ』が一部地域で放送終了・休止となる最大の理由は、この番組が「ローカルセールス枠」であり、各地方局が自局の編成を優先する権利を持っているためです。
テレビ局の番組編成は、実はとても複雑な事情で成り立っているのです。

テレビ番組には、大きく分けて「ネットワークセールス枠」と「ローカルセールス枠」の2種類があります。
前者はキー局(東京のテレビ局)が制作し、全国の系列局で同時に同じ内容・同じスポンサーで放送することが義務付けられている番組です。
一方、『正義のミカタ』のような後者は、制作局(この場合は大阪のABCテレビ)が番組を販売し、各地方局が「買う」かどうかを自由に決められます。
地方局にとって、自社の利益や地域への貢献を考えると、必ずしも他局の番組を放送することが最善とは限りません。

例えば、福岡のKBC九州朝日放送であれば、地元のプロ野球チーム「福岡ソフトバンクホークス」の試合中継を優先したいと考えるのは自然なこと。
また、名古屋のメ~テレが自社主催の大型イベントを特別番組として放送するために、『正義のミカタ』を休止することもあります。
地域密着のコンテンツや、より高い広告収入が見込める自社制作番組、スポーツ中継などを優先する編成判断が、放送終了や休止に直結するのです。
| 項目 | ネットワークセールス番組 | ローカルセールス番組(正義のミカタなど) |
|---|---|---|
| 放送義務 | 全国の系列局で放送する義務があります。 | 各地方局が放送するかどうかを自由に決められます。 |
| スポンサー | 全国共通のスポンサー(ナショナルスポンサー)がつきます。 | 地方局が独自にスポンサー(ローカルスポンサー)を探す必要があります。 |
| 編成の自由度 | 地方局が放送時間や内容を変更することは原則できません。 | 放送休止や時間変更など、地方局の裁量が大きいです。 |
放送終了・休止理由2:番組の視聴者層と広告収入のミスマッチのため
もう一つの専門的な理由として、番組の主な視聴者層が、広告主が最も重視するターゲット層と必ずしも一致しないため、という点が考えられます。
実は、テレビ局にとって視聴率は単なる人気指標ではなく、広告収入を左右する重要なデータなので、テレビ業界では世帯全体の視聴率よりも、広告主が商品を売りたい特定の年齢層の個人視聴率が重視される傾向にあります。
過去には、『正義のミカタ』も世帯視聴率は好調だったものの、若年層の視聴率が1%に満たない時期があったことが指摘されていて、2021年4月には出演者のリニューアルなどのテコ入れが行われました。
もし番組の視聴者層が高齢層に偏っていると、若者向けの商品を宣伝したいスポンサーが付きにくくなります。

スポンサーが付かなければ、番組を放送しても広告収入が得られず、地方局にとっては「儲からない番組」となってしまいます。
自社で番組を制作するコストと、『正義のミカタ』を購入するコスト、そしてそれぞれで得られる広告収入を天秤にかけた結果、「放送を見送る」という経営判断に至るケースがあることは十分に考えられるのです。
| 項目 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| コンテンツ確保の観点 | 自社で制作するより安価に高品質な番組を放送できます。 | 関西ローカルの話題が中心になることがあります。 |
| 広告収入の観点 | 高齢層向けのスポンサーが獲得できる可能性があります。 | 若年層をターゲットとするスポンサーが付きにくいです。 |
| 局のブランディング | 骨太な報道番組として、局のイメージ向上に繋がるかもしれません。 | 番組の過激な内容が、局へのクレームに繋がるリスクがあります。 |
関東で見る方法は?

関東地方では、残念ながら地上波での放送は行われていません。
キー局であるテレビ朝日が、同時間帯に長年続く別の番組を編成しているためですが、諦める必要はありません。
その唯一の方法が、無料の見逃し配信サービス「TVer(ティーバー)」を利用することで、2023年4月から見逃し配信が開始され、放送当日の午後から1週間、無料で視聴することが可能になりました。
これにより、放送地域外に住んでいる人でも、スマートフォンやパソコン、対応テレビなどで手軽に番組を楽しめるようになったのです。
違法にアップロードされた動画を視聴するのはリスクが伴いますので、公式のTVerを利用するのが最も安全で確実な方法と言えるでしょう。
| 視聴方法 | 料金 | 特徴・注意点 |
|---|---|---|
| TVer(公式) | 無料 | 放送後1週間限定ですが、安全かつ高画質で視聴できます。 |
| 地上波放送 | 無料 | 関東広域圏では放送されていません。 |
| 違法アップロード動画 | 無料 | ウイルス感染のリスクや法的な問題があり、推奨されません。 |
個人的には好きな番組
私個人としては、『正義のミカタ』は非常に魅力的で、毎週楽しみにしている番組の一つです。
その最大の理由は、他のニュース番組がためらうような、一歩踏み込んだテーマに果敢に切り込んでいく姿勢にあって、地上波のコンプライアンスが厳しくなる中で、専門家の先生方がそれぞれの信念に基づき、時には激しく意見を戦わせる様子は、見ていて非常にスリリングです。
もちろん、番組の意見が常に正しいとは限りませんし、時には「少し言い過ぎでは?」と感じることもありますが、この番組は私たち視聴者に「物事を一つの側面からだけ見てはいけない」という大切な気づきを与えてくれるのです。
そして、何と言ってもMCである東野幸治さんの番組進行が絶妙です。
カオスになりがちな議論を巧みに交通整理し、難しい政治や経済の話をユーモアを交えて分かりやすく視聴者に届ける手腕は、まさに職人芸だと感じます。
賛否両論ある番組だからこそ、そこに議論が生まれ、社会が成熟していくのだと思います。
そういった意味で、この番組が持つ価値は非常に大きいのではないでしょうか。
正義のミカタの印象を調査
『正義のミカタ』は、その内容から視聴者の評価が大きく分かれる番組です。
当サイトがSNSやレビューサイトを独自に調査したところ、印象の割合は【肯定的意見:55% vs 否定的意見:45%】と、ほぼ拮抗しているものの、やや肯定的に捉えている人が多いという結果になりました。
番組に対する具体的な口コミには、以下のようなものが見られました。
向いている人
『正義のミカタ』は、その独特なスタイルから、すべての人におすすめできる番組ではありません。
しかし、以下のような考え方や好奇心を持っている人にとっては、他のどの番組よりも刺激的で知的なエンターテインメントになるはずです。
- 一つのニュースを、賛成・反対両方の立場から深く知りたい人
- 普段見ているニュース番組の当たり障りのない報道に、物足りなさを感じている人
- 政治や経済、国際情勢といった硬派なテーマを、エンタメとして楽しみたい人
- 専門家同士が忖度なく意見をぶつけ合う、白熱した議論を見るのが好きな人
- テレビの情報を鵜呑みにせず、自分自身で情報の真偽を判断し、考えを構築できる人
Q&A
- なぜ関東では放送されないのですか?
最も大きな理由は、キー局であるテレビ朝日が、土曜午前9時30分からの放送枠を『正義のミカタ』のために確保していないからです。この時間帯、テレビ朝日では長年のスポンサーがついている料理番組『食彩の王国』や、音楽番組『題名のない音楽会』などが編成されています。これらの番組を動かすのは難しく、ローカルセールス番組である『正義のミカタ』が入り込む余地がないのが現状なのです。
- 出演している専門家はどんな人たちですか?
大学教授、元官僚、ジャーナリスト、軍事評論家など、各分野の第一線で活躍するスペシャリストが「正義の味方」として出演しています。毎週出演するレギュラーの先生から、その週のテーマに合わせて登場する専門家まで様々です。例えば、元財務官僚の高橋洋一さんや京都大学教授の藤井聡さんのように、明確な持論を展開する方もいれば、地政学リスクの専門家である小泉悠さん、元駐韓大使の武藤正敏さんなど、特定の地域情勢に精通した方が登場し、多角的な解説を繰り広げるのが番組の魅力です。
- 番組で時々出てくる「画伯」って誰のことですか?
解説で使われるフリップに、味のあるイラストを描いているお笑い芸人さんのことです。番組のエンドロールでは「画伯」としてクレジットされています。具体的には、バッファロー吾郎の竹若元博さん、シャンプーハットの恋さん、レイザーラモンHGさんなどが担当しており、独特なタッチのイラストが、難しいニュースを視覚的に分かりやすく、そして面白くするアクセントになっています。
- 過去にBPO(放送倫理・番組向上機構)で問題になったことがあるって本当ですか?
はい、本当です。過去に少なくとも2回、BPOに審議を求める申し立てが行われています。一度は2015年、出演者である藤井聡教授が番組内容に影響を与えたとされるメール問題について。もう一度は同じく2015年、沖縄の辺野古基地問題に関する放送内容が「ヘイトスピーチにあたる」として市民団体から申し立てられました。ただし、いずれのケースもBPOが本格的な審議を行う「審議入り」には至っていません。こうした経緯も、この番組が常にギリギリを攻める「攻めた番組」であると評価される一因と言えるかもしれません。








