徳島市津田で長く愛された「支那そば たかはし」が、2026年8月に閉店しました。
日本テレビ系「オモウマい店」で3合の半々チャーハンが300円と話題を呼んだ、あの名店です。
なぜ突然の幕引きだったのか、時系列・考えられる理由・SNSの反応まで、順を追って丁寧にたどっていきます。
支那そば たかはしの閉店なぜ?いつ閉店?

結論から言えば、体力的な負担と採算の限界が重なった末の閉店とみられます。
まずは、たかはしが歩んだ道のりを時系列で振り返ってみましょう。
| 時期 | 主な出来事 |
|---|---|
| 昭和期〜 | 徳島市入田町で先代の女将さんが中華そばの店を営み、地元の人気店に |
| 2008年頃 | 先代の女将さんが急逝し、惜しまれつつ一度閉店 |
| その後 | 味を惜しんだ幼馴染コンビ・相田しゅうじさんと後藤しょうじさんが引き継ぎ、津田本町で再出発 |
| 2021年10月19日 | 日本テレビ系「オモウマい店」2時間スペシャルで半々チャーハン300円が全国に紹介される |
| 2026年8月 | 閉店の情報が広まり、現地でも営業終了が確認され、SNSで一気に話題へ |
SNS上では、閉店を惜しむ声が数多く見られました。
主な反応は次のとおりです。
- 「高校の帰りに友達と通った味が、もう食べられないなんて」と学生時代を懐かしむ声
- 「あのデカ盛りチャーハンを、もう一度お腹いっぱい食べたかった」と悔やむ声
- 「噂を聞いて現地まで見に行ったら、本当にお店が閉まっていた」という確認の投稿
長年通ったお客さんにとっては、胸にぽっかり穴が空くような知らせだったのではないかと感じます。
こうした声が広がる一方で、閉店の背景には次のようなものが理由として考えられます。
閉店理由として考えられるもの1:採算度外視の“利益放棄”スタイルが物価高で維持しにくくなったため

一つ目に考えられるのは、コストの問題です。
たかはしの看板は、ごはんものの利益を事実上放棄した価格設定でした。
半々チャーハンは約3合で300円、並にいたっては卵12個・約8合で1,000円。
さらに、高校生以下がラーメンと一緒に来店するとチャーハンが無料になるという、採算度外視のサービスまで用意されていました。

この「お客さんに喜んでほしい」という姿勢こそが人気の源でしたが、裏を返せば利幅がほとんどない構造でもあります。
| メニュー | 価格 | ごはんの量(目安) | 位置づけ |
|---|---|---|---|
| 半々チャーハン | 300円 | 約3合 | 利益度外視の看板メニュー |
| チャーハン(並) | 1,000円 | 卵12個・約8合 | 大人数向けの名物 |
| 支那そば | 550円 | — | 鶏ガラと豚骨の看板の一杯 |
ここに、近年の物価高が重くのしかかります。
とくに影響が大きいのは次の項目です。
- 米:チャーハンの主役だけに、値上がりの影響を最も受けやすい
- 卵・食用油:大量に使うため、価格変動がそのまま原価を押し上げる
- 光熱費:強い火力を長時間使う調理は、電気・ガス代の高騰に弱い
なお、物価上昇の全体的な動きは公的機関のデータでも確認できます(出典:総務省統計局「消費者物価指数(CPI)」)。
安さと量を売りにした店ほど、原価が上がっても値上げに踏み切りづらいというジレンマを抱えます。
たとえば同じ「オモウマい店」で紹介された静岡県沼津市のスパゲティ店「夢の中へ」も、真夏にエアコンが壊れても大盛りと良心価格を守り抜いた末に立ち退きへと至りました。
お客さんを喜ばせる姿勢と、店を続ける採算とが真正面からぶつかってしまうのは、こうした人気店ならではの宿命なのかもしれません。
おいしさと良心的な価格を守り続けた分だけ苦しかったのだろうと想像すると、胸が締めつけられます。
閉店理由として考えられるもの2:幼馴染コンビの体力的負担が大きく後継者の確保が難しかったため

二つ目に考えられるのは、人と体力の問題です。
たかはしを切り盛りしていたのは、中学時代からの幼馴染である相田しゅうじさんと後藤しょうじさんのコンビでした。
もともと後藤さんは、先代の女将さんの店でスタッフを務め、その味を引き継いだ人物です。
しかし、あの豪快なデカ盛りを支える調理は、仕込みも火入れも重労働で、少人数の個人店には大きな負担がのしかかります。
| 継続を難しくする主な要因 | 具体的な中身 |
|---|---|
| 体力的な負担 | デカ盛り調理は仕込み・火力・重い鍋の扱いが多く、長年続けると消耗が大きい |
| 人手不足 | 少人数運営のため休みが取りにくく、無理が積み重なりやすい |
| 後継者不在 | 味と作業量の両方を引き継げる人材は、そう簡単には見つからない |
個人経営の名店が姿を消す背景には、味の問題ではなく「続ける人の体力」という壁があることが少なくありません。
実際、茨城県日立市の中華料理店「珉珉」も、名物女将の鈴子ママを支える家族の体調不良をきっかけに、55年の歴史に幕を下ろしています。
味そのものは今も愛されているのに、それを作り続ける人の負担が限界を超えてしまう——たかはしにも、同じ構図があったのではないかと考えられます。
二人三脚でここまで走り続けたお二人の歩みを思うと、ただただ頭が下がる思いです。
オモウマい店でチャーハンが美味しいと話題に!

そもそも、たかはしの名前が全国区になったきっかけは、テレビ出演でした。
日本テレビ系「ヒューマングルメンタリー オモウマい店」の2時間スペシャルで紹介され、MCのヒロミさんと小峠英二さんも驚いた“山盛りチャーハン”が大きな反響を呼んだのです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 番組 | 日本テレビ系「ヒューマングルメンタリー オモウマい店」 |
| 放送日 | 2021年10月19日(2時間スペシャル) |
| 紹介の目玉 | 半々チャーハン300円(約3合)、並は卵12個・約8合の圧巻ボリューム |
| ユニークな点 | 高校生以下は条件付きでチャーハン無料、ごはんは利益を放棄 |
| 店主 | 中学からの幼馴染コンビ・相田しゅうじさんと後藤しょうじさん |
番組では、山盛りのチャーハンだけでなく、「若い子にお腹いっぱい食べてほしい」という店主の人柄も丁寧に描かれました。
看板の支那そばは鶏ガラと豚骨から取るスープに豚バラや九条ネギを合わせた一杯で、チャーハンの豪快さとの対比も印象的でした。
過去には「ナニコレ珍百景」でも取り上げられており、放送後は連日行列ができるほどの人気ぶりだったと伝えられています。
テレビ越しにあの湯気とボリュームを見て、思わず「行ってみたい」と胸が高鳴った方も多かったのではないでしょうか。
オモウマい店に登場した他のお店も閉店している

実は、たかはしのように「オモウマい店」で紹介されたあとに閉店や大きな岐路を迎えた店は、決して珍しくありません。
番組が愛情深く映し出す名店ほど、店主の高齢化や建物の老朽化といった事情を抱えていることが多いのです。
| 店名 | 地域 | 業種 | 閉店・岐路の背景 |
|---|---|---|---|
| 夢の中へ | 静岡県沼津市 | スパゲティ店 | ビルの老朽化による立ち退き(2023年放送・第100回で密着) |
| 珉珉 | 茨城県日立市 | 中華料理店 | 鈴子ママの家族の体調不良で、55年の歴史に幕(2022年末) |
| 小林君八百屋 | 群馬県みどり市 | 青果店 | キャリア50年の店主が2024年8月に閉店 |
こうして並べてみると、老舗の閉店は「人気がなくなったから」ではなく、「長く走り続けた末の卒業」であることがよく分かります。
愛された店ほど別れが惜しまれるのは、番組を見てきた者として少し切なくなります。

個人的に分析してみた

最後に、少し視点を変えて考えてみます。
たかはしの閉店は「終わり」というより、味のバトンをめぐる長い物語の一区切りだと私は捉えています。
というのも、この店はすでに一度、先代の女将さんの急逝で幕を下ろしながら、幼馴染コンビの手で見事に復活を遂げているからです。
| 観点 | 先代の閉店(2008年頃) | 今回の閉店(2026年) |
|---|---|---|
| きっかけ | 女将さんの急逝 | 体力・採算などが重なった複合的な事情とみられる |
| 知名度 | 地元の常連中心 | オモウマい店で全国区に |
| その後の可能性 | 幼馴染コンビが味を継承し再出発 | 味を惜しむ声が全国に広がり、再びの継承に期待 |
ここで一つ、あまり語られない視点を挙げておきます。
テレビ出演は「集客」の力だけでなく、「記録」の力も持っているということです。
全国に届いた映像や語られたエピソードは、いつか味を継ぎたいと願う誰かにとって、確かな手がかりとして残り続けます。
一度は途切れた味が幼馴染コンビの手で甦ったように、たかはしのチャーハンもまた、思わぬかたちで再会できる日が来るかもしれません。
そう考えると、寂しさの中にも小さな希望が灯るように感じます。
