鳥取県で唯一残っていた「すたみな太郎 鳥取店」(鳥取市南隈433番地)が、2026年7月20日(月・祝)をもって閉店します。
公式サイトで6月23日にお知らせが出て以来、SNSでは「鳥取県最後のすたみな太郎が…」と食べ納めに駆け込む声が相次いでいます。
焼肉・寿司・デザートの食べ放題として長年愛されてきたお店が、なぜこのタイミングで姿を消すのか。

この記事では公式発表と運営会社・株式会社江戸一の経営状況を一次情報からたどり、「閉店ラッシュ」の実態、そして鳥取店なきあと最も近い店舗はどこになるのかまで、順を追って徹底的に解説します。
長年通った方にとっては切ないニュースですが、事実を整理すれば「終わり」だけではない側面も見えてきます。
すたみな太郎 鳥取店の閉店なぜ?閉店ラッシュ理由

まず結論からお伝えすると、鳥取店の閉店は「諸般の都合」という公式表現の裏に、運営会社の長期的な業績不振とビュッフェ業態そのものの構造問題があります。
閉店までの流れを時系列で整理してみましょう。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2020年10月 | 山陰の「米子日吉津店」が閉店し、山陰の店舗は鳥取店のみに |
| 2026年1月 | 山陰隣接エリアの倉敷店が「PREMIUM BUFFET」へ業態転換 |
| 2026年6月23日 | 公式サイトで鳥取店の閉店告知が掲載 |
| 2026年6月下旬 | SNS・地域メディアで「鳥取県最後」の閉店として拡散 |
| 2026年7月20日(月・祝) | すたみな太郎 鳥取店 閉店 |
この鳥取店の閉店は単発の出来事ではなく、全国的な流れの一部です。
次のようなものが理由として考えられます。
閉店理由1:運営会社・江戸一の長期赤字とビュッフェ業態がコロナ後に回復しきれなかったため

最大の背景は、運営元である株式会社江戸一の慢性的な業績悪化です。
2019年3月期は売上高約200億円に対して約4億8700万円の最終赤字を計上し、これは5期連続の赤字で自己資本比率も8.9%と10%を割り込んでいました。
つまり鳥取店の閉店は、コロナで突然経営が傾いたわけではなく、コロナ以前から続いていた構造的な赤字の延長線上にあると言えます。
個人的には、あれだけ賑わっていた印象のお店が実は長く苦しんでいたと知ると、寂しさよりも意外さのほうが先に立ちます。

決定打になったのは、複数人で来店しビュッフェ台を共有する業態が、コロナ後の生活様式と相性が悪かった点です。
コロナ収束後、競合他社が業績を回復させる一方、同チェーンはビュッフェ形式の会食自粛要請の痛手が深く、再開後もうまく軌道に乗せられずに店舗数を減らし、中核ブランドのすたみな太郎はピーク期の約3分の1にあたる43店にまで縮小しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運営会社 | 株式会社江戸一(1978年創業) |
| ピーク時店舗数 | 2019年初頭に142店舗(バイキング業態で国内最多) |
| 直近の店舗数 | 約43店(ピークの約1/3) |
| 公式の閉店理由表現 | 「諸般の都合により」 |
| 業績(2019年3月期) | 売上約200億円・最終赤字約4.87億円・5期連続赤字 |
閉店理由2:原材料費・人件費・光熱費の高騰が低価格食べ放題モデルの採算を圧迫したため

もう一つの理由は、すたみな太郎の売りだった「安さ」がそのまま弱点に変わってしまった点です。
焼肉・寿司・デザートを低価格で無制限に提供するモデルは、原材料や光熱費が上がった局面では利益を確保しづらくなります。
実際、盛岡インター店の閉店を報じた地域ブログでも、公式の「諸般の都合」という表現の背景として原材料費・人件費・光熱費などの高騰が推測されています。
安さを頼りに通っていた身としては、その安さを支えるのがどれほど大変になっていたかを思うと、値上げを責める気にはなれません。

ここで重要なのは、閉店が必ずしも「完全撤退」を意味しない点です。
近年の閉店には大きく2種類あり、ひとつは完全閉店、もうひとつは一度閉店したうえでワンランク上の業態に転換する“スクラップ&ビルド”です。
同社は内装を洗練させメニューを高級化した「すたみな太郎PREMIUM BUFFET」や、駅チカ立地の「すたみな太郎NEXT」へのリニューアルを積極的に進めています。

実際に鳥取店に最も近い倉敷店は、2026年1月に閉店ではなくPREMIUM BUFFETへ生まれ変わりました。
ただし鳥取店については公式に転換の告知はなく、現時点では完全閉店とみられます。
| 転換パターン | 内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| 完全閉店 | 建物ごと営業終了 | 鳥取店(2026/7/20)、米子日吉津店(2020) |
| PREMIUM BUFFET化 | 高級・充実路線へ改装再開 | 倉敷店(2026/1)、館林店(2024)、盛岡インター店(2025) |
| NEXT化 | 駅チカ次世代型へ転換 | すたみな太郎NEXT 各店 |
閉店ラッシュなの?店舗数動向含め調査

「鳥取店だけがたまたま閉じた」のではなく、実際に週1ペースと言われるほどの閉店が続いています。
2026年に入ってからも1月12日に須坂インター店(長野)、25日に守谷店(茨城)、31日にガーデン前橋店(群馬)、2月8日に浜松西インター店(静岡)と、ほぼ1週間おきにどこかのすたみな太郎が閉店している計算になります。

過去に閉店・転換した主な店舗を並べると、その規模感がよくわかります。
全国から名店が消えていく様子は、いち利用者として素直に胸に来るものがあります。
・2020年10月:米子日吉津店(鳥取)閉店
・2024年4月7日:館林店(群馬)閉店 → PREMIUM BUFFET化
・2024年11月4日:草加店(埼玉)閉店
・2025年4月6日:栗東店(滋賀)閉店
・2025年11月3日:青森店(青森)閉店
・2025年11月16日:盛岡インター店(岩手)閉店 → PREMIUM BUFFET化
・2026年1月12日:須坂インター店(長野)閉店
・2026年1月25日:守谷店(茨城)閉店
・2026年1月31日:ガーデン前橋店(群馬)閉店
・2026年2月8日:浜松西インター店(静岡)閉店
・2026年6月28日:NEXT上野アメ横店(東京)閉店
・2026年7月20日:鳥取店(鳥取)閉店
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 2019年初頭のピーク店舗数 | 142店舗 |
| 直近のすたみな太郎ブランド店舗数 | 約43店 |
| 減少率 | 約7割減(ピーク比) |
| 2020年3月の一斉閉店規模 | 137店舗中12店舗(全店の約1割) |
すたみな太郎 鳥取店の閉店で近隣の店舗はどこになる?

鳥取店が閉店すると、山陰地方からすたみな太郎の店舗は完全に姿を消します。
米子日吉津店の閉店以降、山陰地方の店舗は鳥取店のみとなっていたため、7月20日をもって「山陰ゼロ」になる計算です。
日常的に通える店がなくなるのは、地元にとって本当に痛い変化だと感じます。
そこで最も現実的な代替は、県境を越えた岡山県の店舗になります。
鳥取店に最も近い系列店は、2026年1月24日にリニューアルオープンした「すたみな太郎PREMIUM BUFFET 倉敷店」(岡山県倉敷市平田60-1)で、こちらは閉店ではなく高級路線へ転換して営業を続けています。
鳥取市から倉敷までは車で高速利用が前提の距離になるため、「気軽なランチ」から「たまの遠出」へと位置づけが変わってしまう点は覚悟が必要です。
| 店舗名 | 所在地 | 状況 |
|---|---|---|
| すたみな太郎 鳥取店 | 鳥取県鳥取市南隈433番地 | 2026/7/20閉店 |
| すたみな太郎 米子日吉津店 | 鳥取県西部 | 2020/10に閉店済み |
| すたみな太郎PREMIUM BUFFET 倉敷店 | 岡山県倉敷市平田60-1 | 営業中(2026/1転換) |
| すたみな太郎PREMIUM BUFFET 広島大原店 | 広島県広島市安佐南区伴東7-56-55 | 営業中 |
なお最新の店舗状況は流動的なため、来店前に公式サイトの店舗検索で営業を確認するのが確実です。
すたみな太郎 鳥取店の閉店まとめ
ここまでを振り返ります。
すたみな太郎 鳥取店は2026年7月20日(月・祝)に閉店し、山陰地方からすたみな太郎が消えます。
理由は、運営会社・江戸一の長年の赤字体質と、ビュッフェ業態がコロナ後に回復しきれなかったこと、そして原材料・人件費・光熱費の高騰が低価格食べ放題の採算を圧迫したことの複合です。
全国では週1ペースの閉店が続き、店舗数はピークの142店から約43店へと約7割減少しました。
一方で倉敷店のように「PREMIUM BUFFET」へ転換して生き残る店もあり、閉店は必ずしも終わりだけを意味しません。
鳥取店なきあと最も近い系列店は岡山の倉敷店になります。
長く親しんだ味に区切りがつくのは寂しいですが、閉店日まで残された時間で食べ納めに行く価値は十分にあると思います。
