全国に複数ある「すずらんの湯」ですが、なかには閉店や休業に至っているようです。
今回はそんな背景を調査しました。
すずらんの湯の閉店理由は食中毒?営業停止?

(出典:有馬街道温泉すずらんの湯)
前提:すずらんの湯という名前が全国に複数ある
そもそもですが「すずらんの湯」という名称を持つ施設がいくつも存在しています。
こうして並べてみると、同じ「すずらんの湯」という名称でも所在地も運営主体もまったく別々であるとわかりますね。
今回の噂が広まるのは主に「神戸市北区の有馬街道温泉すずらんの湯」と、「長野県茅野市の白樺湖温泉すずらんの湯」で「広島県のひばごん郷温泉すずらんの湯」は関係ありません。
有馬街道温泉すずらんの湯は閉店ではなくコロナ禍による長期休業→リニューアル
有馬街道温泉すずらんの湯は、当初は2020年5月31日をもっていったん営業終了に。
施設オーナー側の運営契約の都合と、新型コロナウイルス感染拡大防止対策としての長期休業が一体となった結果、いったん施設をクローズせざるを得なかったようです。
「閉館」という案内がなされていた時期があり、「もう二度と再開はしないのか」と利用者の間で非常に話題になっていたのです。
その後、2年の期間を経て2022年5月に別の運営会社が事業を引き継ぎ、建物のリニューアルを施したうえで「再オープン」という形になりました。
広い庭園露天風呂を備えた神戸市北区の有名な日帰り温泉が、装いも新たに戻ってきたのです。
白樺湖温泉すずらんの湯の閉店理由は茅野市の行財政改革のため
一方で、長野県茅野市の白樺湖温泉すずらんの湯は2024年3月20日をもって閉館になりました。
こちらのケースはコロナ禍だけが理由ではなく、茅野市で進められている行財政改革が大きく影響しています。
茅野市には複数の市営温泉施設があり、白樺湖温泉すずらんの湯もその一つに位置づけられていました。
茅野市公式ホームページの資料などを見れば、市の財政が厳しくなっている背景や、公共施設の維持管理費が毎年大きな負担になっている実情が示されていますね。
老朽化した施設を含めた維持費が今後さらにかかるうえに、観光客が思ったより戻らず、想定したほど収入が得られない温泉施設を支え続けるのは財政的に難しかったようです。
施設の閉館について
民営から事業を引き継ぐ形で市営温泉として営業してきました白樺湖温泉すずらんの湯は、市が進めております行財政改革(詳細はこちらをご覧ください。)のため、令和6年3月20日(水曜日・祝日)をもちまして、市営施設としての営業を終了いたしました。今後につきましては民間企業への譲渡を視野に入れて施設の利活用について検討を進めて参ります。
長い間のご利用に感謝申し上げます。ありがとうございました。
(引用:茅野市)
昨今の物価高騰の影響を受けて歳出が歳入を大幅に上回り、基金(市の蓄え)を取り崩して事業を行う赤字状態に陥っていたようです。

(出典:茅野市)
こうした理由で、白樺湖温泉すずらんの湯は閉館に至りました。
観光拠点である白樺湖地区にとっては残念なニュースだと思いますし、観光客や地元住民から惜しむ声が上がっているようです。
食中毒や営業停止は誤解だがなぜ?

(出典:Google)
ネット上では「すずらんの湯は食中毒が原因で営業停止になった」など、根拠薄弱な噂を見かけた方もいるかもしれませんね。
公式情報や行政処分の履歴を見ても、すずらんの湯として有馬街道温泉すずらんの湯や白樺湖温泉すずらんの湯が食中毒で営業停止処分を受けた事実は出てきません。
完全に誤解ですね。
なぜそうした誤解が生じたのかを推定すると、他社の飲食店などで食中毒事故が起きたという情報による誤解だったり、「すずらん薬局」が発信している健康情報「すずらん食通信」で食中毒について触れたりしたことが原因なのかもしれません。
有馬街道温泉すずらんの湯は一時閉店から復活!行くべき温泉施設のひとつ!

(出典:有馬街道温泉すずらんの湯)
神戸市北区山田町にある有馬街道温泉すずらんの湯は、2020年5月末の時点で「営業終了のお知らせ」が公表され、「今後はどうなるのだろう」と多くの利用客が心配していました。
西日本最大級といわれる広大な露天風呂を擁し、三宮から車で15分~20分ほど、大阪市内からも1時間以内で到着できる手軽さが人気だった施設なのです。
そこに、新たな運営会社となった株式会社クラフトリゾートが2022年5月16日から再スタートを切りました。
名物でもある「竹林エリア」と「紅葉エリア」の2種類の庭園露天風呂を活かしつつ、館内の食事処やリラックススペースをアップデートし、来館者がより楽しめる空間へと変貌したのです。
人気の理由
有馬街道温泉すずらんの湯がこれほど注目される理由は多岐にわたると思います。
実際に利用した人々の声を調査すると次のような部分が好評のようです。
広大で開放感ある露天風呂

(出典:有馬街道温泉すずらんの湯)
住宅街から少し山側へ入ったところに位置しており、樹木や自然を感じながら湯浴みできる庭園露天風呂が魅力なのです。
竹林をテーマにしたエリアや、紅葉をテーマにしたエリアなど、季節ごとの風景が違う点もワクワクするところだと思います。
2種類の泉質と風呂の豊富さ

(出典:有馬街道温泉すずらんの湯)
同施設では、天然温泉のほか神戸の有名な「宮水」も湯に使用しているのです。
宮水はかの有名な酒造りに使われる名水として知られているため、肌に対しても柔らかく優しいです。
内湯エリアのジェットバスや水風呂、オートロウリュサウナなどバラエティ豊富な設備が整っていますよ。
リラックスゾーンや美容メニュー

(出典:有馬街道温泉すずらんの湯)
岩盤浴が4種類ほど用意されており、バドガシュタイン鉱石を使用したもの、ブラックゲルマを配合したもの、ヒノキや七宝石など種類ごとに効能が異なるのが特徴的です。

(出典:有馬街道温泉すずらんの湯)
よもぎ蒸しやハーブ浴、セルフホワイトニングといった美容や健康を意識したサービスもあるため、長時間滞在できる施設として魅力が大きいのです。
館内の食事処の充実

(出典:有馬街道温泉すずらんの湯)
お風呂上がりにゆったり食事を楽しめるよう、店内には和食を中心にしたレストランがあり、新名物と言われるオリジナル唐揚げや御膳ものが人気を集めています。
観光地のように賑わった雰囲気の中で休憩スペースやマンガコーナーも充実しており、1日を通して過ごせるとの声があるのです。
向いている人
有馬街道温泉すずらんの湯は、都市部から近いため、ちょっとしたドライブ気分で行ける距離感が好評です。
自然に囲まれた露天風呂で心身ともにリセットしたい人にはうってつけなのではないでしょうか。
ここまでをまとめると次のような人に向いていると言えます。
オートロウリュによる定期的な蒸気の放出が楽しめるサウナ室があり、水風呂も宮水を使っていて肌当たりがまろやかです。
岩盤浴も種類が豊富なので、自分に合った発汗空間を選べるのです。
ハーブ浴やよもぎ蒸しなどのメニューに加え、セルフホワイトニングなど歯のメンテナンスまでできるのはユニークなのです。
庭園風の露天風呂エリアでは、植物や樹木に囲まれているため、新緑や紅葉など季節ごとの景観を楽しめるのですね。
眼前に広がる緑の風景を眺めながら入浴すると、まるで山奥の温泉地に来たかのような開放感が得られるのではないでしょうか。