「盾の勇者の成り上がり」は、異世界へ召喚された岩谷尚文が冤罪をかけられながらも仲間たちとの信頼を築き、強敵に立ち向かう物語として人気の高い作品です。
ところが作者のアネコユサギ先生の死亡説や原作批判も一部で拡散され、不安や誤解が生まれているようです。
今回はそんな背景と人気の理由を改めて考えていきます。
盾の勇者の成り上がりの作者死亡説？なぜ？理由を考察
（出典：Google）
検索結果を見る限り作者が死亡したとの噂があるようです。
前提として作者のアネコユサギ先生は亡くなられていません。
ここからは具体的な登場キャラクター名やシーンを挙げつつ、なぜ死亡説が噂されたのか、その背景を深く掘り下げます。
理由1：23巻が発売するまで約4年空いたため
（出典：Amazon）
ファンとして、楽しみにしている続編が出ない期間が長く続くと、「何か作者に異変があったのでは？」と不安になりますよね。
『盾の勇者の成り上がり』では、22巻が2019年6月25日に発売された後、23巻の発売まで約4年ものブランクが空き、2023年6月22日にようやく続刊が出るまで、多くのファンが待ちわびた状態でした。
物語は、冤罪をかけられた盾の勇者・岩谷尚文が、奴隷として迎えた亜人少女ラフタリアやフィロリアルの少女フィーロなどと共に、異世界で「波」と呼ばれる大災厄に立ち向かう展開が魅力ですよね。
序盤では尚文がマイン（後に「ビッチ」と改名される）による裏切りで全財産を失い、王国や他の勇者たちからも迫害される衝撃的なシーンが読者を惹きつけました。
こうした骨太なストーリーがあるからこそ、続きが出ないことで読者が「作者が体調不良かも」「もしかして作者死亡？」といった極端な考えに至る下地ができてしまいます。
ちなみに22巻は以下のような内容でした。
- 前巻での激闘を経て、尚文たちはキョウを倒し、異世界「絆の世界」から元の世界（メルロマルク）へ帰還します。
- 霊亀との戦いが終わったものの、その被害は各国に大きな影響を及ぼしており、尚文たちはその復興に関わることになります。
- 強敵である「鳳凰」に対抗するため、尚文は戦力を整えるべく動き出します。この過程で、奴隷商を訪れ、新たな仲間を探す展開が描かれます。
- ラフタリアの故郷である領地を拠点に、尚文たちは領地運営を開始します。物語は冒険だけでなく、領地経営も追加されていきます。.
22巻は、これまでの戦いの余韻を残しつつ、新たな敵や課題に向けて物語が進行する重要な転換点となる巻です。
領地運営や新たな仲間の加入など、これまでとは異なる要素が加わり、物語の幅が広がっていく巻でもあったため、続きが気になった人も多かったはず。
4年間も23巻の発行が停滞すれば、読者は深く不安を感じるのは当然だと思われますし、結果的に誤解を生む原因になったのではないでしょうか。
ちなみにこの4年間空いてしまった理由ですがおそらくアネコユサギ先生の多忙が原因かと。
（出典：カドコミ）
23巻が発売された後はこれまで通りのペースに戻りつつあり、24巻も約5ヶ月後の2023年11月22日に発売されています。
ちょうど漫画や舞台など仕事が立て込んでしまっていた期間であるため、発売に時間がかかり「作者死亡説」が生まれたと言えそうですね。
理由2：一部で原作がひどいと噂されたため
読者の中には、ごく一部ですが物語中盤以降の展開に対して「原作が冗長」「キャラクターの成長がわかりにくい」「政治的要素や差別問題が重苦しい」といった批判的な声を上げる方もいるようです。
ラフタリアが心優しく成長していく一方、元康や錬、樹といった他の勇者たちが未熟な行動を続けたり、マインや教皇などメルロマルク王国側の陰謀が次々と発覚して混迷するシーンなどに不満を感じた人もいるかもしれません。
また、奴隷制度描写など、倫理的な面で引っかかる設定が物語を複雑にしているとも言われます。
尚文がラフタリアを奴隷紋で縛るシーンは「仕方ない選択」と受け入れる読者がいる一方、「不快」と感じる読者も確かに存在したようです。
こうした「原作がひどい」との噂が広まるほど、「作者は創作を続けられないほど追い詰められたのでは？」という憶測まで飛び火し、死亡説と結びつく可能性もあるのではないでしょうか。
理由3：外伝やスピンオフ作品の更新が中心になっていたため
（出典：Amazon）
理由1の後半の内容と被りますが、長い期間、本編が止まったままなのに、外伝作品やスピンオフが更新され続ければ、ファンは戸惑いますよね。
代表的な外伝である『盾の勇者の成り上がり（槍の勇者のやり直し）』は、槍の勇者・北村元康が時を遡って何度も世界をやり直し、フィーロを愛するがゆえの暴走を繰り返しながらも尚文を助けようと奔走するストーリーです。
この外伝は本編と世界観やキャラクターを共有しているものの、本編の続きを待つファンにとっては「なぜ本編は音沙汰なし？」と疑問を深める材料になってしまったのかもしれません。
スピンオフで描かれる料理シーンや日常回である「盾の勇者のおしながき」など、比較的軽い雰囲気の物語が更新される一方、肝心の「波」への対策やメルティ、フィーロといった主要人物が関わる本筋が滞る状態が続くと、ファン心理として「本編が筆を折ったのでは？」などと考えたくなるのではないでしょうか。
こうして本編不在の状態により、「作者が亡くなってしまって代わりにスピンオフばかり…？」といった荒唐無稽な思い込みが拡大する一因になった可能性もゼロではないと思います。
理由4：SNSやネットの誤情報が拡散されたため
情報の真偽に関わらず、SNS上で一つの噂が流れると、あっという間に拡散されてしまう時代ですよね。
誰かが「最近『盾の勇者』の本編動きないし、作者生きてるの？」などと軽い気持ちで書き込み、それが引用されまとめサイトに転載され、さらに別のユーザーが「作者死亡説」として語ることで、次第に既成事実のように広がってしまう場合があります。
こうしたネット特有の連鎖反応が、根拠のない死亡説を裏付けた形にしたのでしょう。
読者は新刊を待ち続ける中で不安定な精神状態にあり、「まさか本当に…？」と半信半疑ながら受け入れてしまうこともあり得るのです。
盾の勇者の成り上がり作者死亡説は誤解！人気な理由とは
ここまでの理由からわかるように、作者死亡説は完全な誤解によるデマなのです。
アネコユサギ氏は存命であり、創作活動が続いているとされる中、なぜここまでファンが騒いでしまうほど人気が高いのでしょうか。
人気の理由を明らかにすることで、なぜ些細な噂が大きな混乱を生んだのかも見えてくるはずです。
人気な理由
（出典：Amazon）
「盾の勇者の成り上がり」がこれほど人気を博した背景には、作品自体の魅力がしっかりと根付いているからではないでしょうか。
序盤で尚文がマインに騙され、強姦冤罪をかけられ、仲間も資金も失ってしまうシーンは強烈なインパクトがありました。
そこからラフタリアという心優しく強いヒロインと出会い、徐々に名誉を取り戻しながら戦力を強化する過程が「成り上がり」物語としてファンも多いです。
この「逆境からのサクセスストーリー」にRPG的成長要素や異世界特有の文化・政治的対立がスパイスを加え、読者を飽きさせないのです。
これほど惹きつける力があるからこそ、長期休刊や噂話にも過剰に反応してしまう読者が生まれるのではないでしょうか。
向いている人
「盾の勇者の成り上がり」を楽しめる人は、どのような読者層でしょうか。
これらに当てはまる読者であれば、多少刊行ペースが遅くても世界観にどっぷり浸り続けることができますし、作者への関心も高くなりますよね。
だからこそ、新刊が出ない間に不安が募り、そこへデマが流れれば誤解が広まることも考えられます。
