スポーツジム大手のティップネスですが2023年と2022年を比較して23店舗ほど閉店しています。
2023年6月30日には都内近辺で利用者の多かった久喜、草加、町田、小岩の4店舗を閉めています。
そうした背景からも閉店ラッシュではないかと声が上がっているようです。
ティップネスが閉店ラッシュ?閉店する店舗が増えた理由
正式には公表されていないのですが、具体的には次の5つの理由が考えれるでしょう。
理由1:コロナ禍による退会の増加
コロナ禍はティップネスの会員数に大きな影響を及ぼしました。
感染リスクの高まりから、多くの会員が退会や休会を選択したのです。
特に高齢者層の会員減少が顕著で、これは健康維持を目的としてフィットネスクラブを利用する高齢者にとって、感染のリスクは重大な問題でした。
たとえば、60代以上の会員が一斉に退会するケースも見られ、これはティップネスにとって大きな損失となりました
また、コロナ禍によるストレスや不安が、健康志向の高い若年層の会員減少にもつながっています。
フィットネスクラブ各社は、このような状況に対応するために、オンラインでのトレーニングプログラムを導入するなど、新しいサービス展開を模索しています。
これらの取り組みは、今後のフィットネス業界の動向を左右する重要なポイントです。
理由2:人手不足
新型コロナウイルスの影響で、ティップネスは深刻な人手不足に見舞われました。
感染症の拡大により、多くの従業員が自宅待機を選ぶなどして、職場を離れざるを得なくなったのです。
例えば、ある店舗では通常10人いるトレーナーが5人以下に減少し、その結果、人気の高いエアロビクスクラスなどが一時的に中止となる事態も発生しました。
さらに、新型コロナの影響で新規採用活動も難航し、スタッフ不足を補うことができなかったのです。
このような状況は、ジムの日常運営に大きな支障をきたし、会員に提供するサービスの質の低下を招きました。
特に、個別指導やプログラム提供の遅延などが顕著でしたね。
フィットネス業界全体での共通の課題として、この人手不足の問題は、今もなお解決を求められている状況です。
この問題に対し、ティップネスはどのような対策を講じていくのか、今後の動向が注目されています。
理由3:競合店による影響
ティップネスは、フィットネス業界における競合の増加という大きな波に直面しています。
24時間営業のジムや、パーソナルトレーニングを中心とした施設が顧客の注目を集め、業界の動向を大きく変えています。
例えば、コナミスポーツやルネサンス、セントラルスポーツなどがこの流れを牽引。
これら施設の提供する利便性や特化したサービスは、ティップネスの従来の顧客を惹きつけています。
このような競争環境の変化は、ティップネスにとって顧客獲得戦略を見直すきっかけとなりましたね。
特に、ティップネスの店舗が多い関東近辺では、24時間営業のジムが急増し、より柔軟な利用時間を求める顧客がそちらに流れる傾向が見られます。
ティップネス自体も24時間営業のジムが増えていますが、まだまだカバーできていない店舗も多いです。
このような競争の激化は、ティップネスが取り組むべき新たな課題と言えるでしょう。
理由4:物価高により退会する人が増えた
物価の上昇は、ティップネスの会員にも大きな影響を及ぼしました。
日常生活の費用が増加したことで、ジムの会費も家計の中で検討すべき対象となりました。
実際、多くの会員が経済的な理由から退会を選択しました。
月々のジム料金の見直しを行う会員も増加し、中にはより経済的な選択肢に移行する人もいましたね。
この現象は、一般の消費者の経済状況を反映しており、ティップネスの経営に大きな挑戦を投げかけました。
物価の高騰による退会の増加は、ジム業界全体に広がった傾向で、これに対処するための施策が模索されています。
理由5:事業の見直し
ティップネスは、変化する市場環境に適応するため、事業の見直しを積極的に行っています。
このプロセスでは、コスト効率を向上させるために、効果の低い店舗を閉鎖するなどの戦略的な手法が採用されています。
具体的には、ティップネスは運営コストを削減し、収益性の高い店舗を重点的に展開することで、経営の持続可能性を追求しています。
また、これに加えて、一部の店舗ではデジタルフィットネスサービスへの転換が試みられ、顧客のニーズに合わせた新たなサービス提供が行われています。
このような変革は、ティップネスが今直面している閉店ラッシュの背後にある重要な要因の一つです。
市場競争の激化や経済的な変動に対応するため、ティップネスは積極的に事業戦略を見直し、今後の展望に向けて努力しているのですね。
こうした取り組みが、ティップネスが将来にわたって成功を収める鍵となるでしょう。
ティップネスの閉店に対して悲しむ声は多い
ティップネスの閉店は、多くの会員や地域社会に深い影響を与えています。
長年にわたりフィットネスと健康維持の場として利用されてきた店舗が閉店することは、地域における健康習慣や社会的つながりに大きな穴を生じさせました。
特に、地元の高齢者や若者にとっては、フィットネス活動だけでなく、交流の場を失うことになり、その失望の声が多く聞かれます。
経営方針もあると思いますが、今後もより良いサービスを多くの人に届けて欲しいですよね。
項目 | 内容 |
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会社名 | 株式会社ティップネス(TIPNESS Limited.) |
設立 | 1986年10月22日 |
本社所在地 | 東京都千代田区四番町5番地6 日テレ四番町ビル1号館3階 |
資本金 | 1億4000万円 |
売上高 | 264億5,600万円(2024年3月期) |
事業内容 |
・フィットネスクラブ ティップネス ・都市部向けクラブ「ティップ.クロス TOKYO」 ・子供向けスクール「ティップネス・キッズ」 ・24時間ジム「FASTGYM24」 ・フィットネス・インストラクター支援「FIT VIT」 ・企業向け健康支援「ティップネス eメソッド」 |
店舗数 | 直営店167店舗(総合型57店舗、24時間ジム110店舗)、フランチャイズ1店舗、受託施設15施設(2022年7月現在) |
親会社 | 日本テレビホールディングス株式会社(出資比率100%) |
公式サイト・SNS |
・公式サイト ・X(旧Twitter) ・YouTube |