「うまい鰻を腹いっぱい!」をコンセプトに、圧倒的なコストパフォーマンスで急成長を遂げている「鰻の成瀬」。
2022年の創業からわずか3年足らずで全国に店舗を拡大し、多くのメディアで話題となっています。
しかし、その急すぎる成長スピードから「閉店ラッシュが起きているのでは?」といった噂も一部で囁かれているようです。
鰻の成瀬が閉店ラッシュ?閉店理由って?

鰻の成瀬の閉店ラッシュの噂や閉店理由について実際に色んな鰻の成瀬の店舗を食べ歩きながら調査してところ、次のような背景がありそうです。
考えられる閉店理由①:人件費や光熱費、原料の高騰のため
飲食店経営の土台を揺るがすコストの上昇は、避けては通れない大きな課題です。
人件費、光熱費、そして最も重要な原材料の価格高騰は、利益を直接的に圧迫します。
以下の厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」にあるように最低賃金は全国平均で時給1,000円を超える水準に達しており、今後も上昇が見込まれています。

(出典:厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」)
2025年度には、企業の6割以上が賃上げを予定しているという調査結果もあり、人材を確保するためには給与水準を上げざるを得ない状況なのです。
「鰻の成瀬」の強みの一つは、「串打ち3年、裂き8年、焼き一生」と言われるような熟練の職人を必要とせず、アルバイトやパートのスタッフ中心でお店を運営できる点です。
これにより、専門職の高い人件費を抑えることができています。
しかし、そのアルバイトスタッフさんたちの給与も、最低賃金の上昇の影響を直接受けることになります。
低価格を維持するためにはコストを抑える必要がありますが、人件費を削りすぎるとスタッフの満足度が下がり、サービスの質が落ちたり、人手不足で店が回らなくなったりする可能性も考えられます。
このバランスをどう取るかが、経営の大きなカギとなるでしょう。
| 項目 | 補足説明 |
|---|---|
| 最低賃金制度とは? | 国が定めた、企業が従業員に支払わなければならない給料の最低額のことです。毎年見直され、上昇傾向にあります。 |
| なぜ賃上げが必要? | 物価が上がる中で従業員の生活を守るため、また、他社に負けないように良い人材を確保・維持するためです。 |
| 人手不足の影響 | 働き手が少ないと、より良い条件を提示しないと人が集まらず、結果的に人件費が高騰する原因になります。 |
考えられる閉店理由②:格安鰻の競合店や立地の悪さによる赤字のため
コスト管理がうまくいっても、十分な売上がなければ経営は成り立ちません。
競争が激しい飲食業界では、ライバル店の存在やお店を出す場所(立地)が、売上を大きく左右します。
「鰻の成瀬」の成功は、多くの人々に「うなぎは安くても美味しく食べられる」という新しい価値観を広めました。
しかし、このような成功は、必ずと言っていいほどライバルの出現を招きます。
すでに、「名代 宇奈とと」や「うなぎの与助」といった、同じようにリーズナブルな価格でうなぎを提供するチェーン店が存在しており、競争は始まっています。
今後、「鰻の成瀬」のビジネスモデルを真似たお店がさらに増えてくる可能性は十分に考えられます。
そうなると、お客さんは「どこが一番安くて美味しいのか」を比較し始め、厳しい価格競争に巻き込まれるかもしれません。
かつて一大ブームを巻き起こした「いきなり!ステーキ」が、店舗の急拡大と競争の激化の末に勢いを失ったように、成長の裏には常にリスクが潜んでいるのです。
「鰻の成瀬」を運営するフランチャイズビジネスインキュベーションの山本昌弘社長は、「飲食に興味がない」と発言したことが記事になっていますが、これはビジネスモデルの完成度を追求する姿勢の表れかもしれません。
しかし、味やサービス、お店の雰囲気といった「食の体験」で他店との違いを明確に打ち出していかないと、長期的に愛されるブランドになるのは難しいかもしれません。
| 項目 | 補足説明 |
|---|---|
| 競合店の存在 | 同じような商品やサービスを提供するライバル店のことです。「鰻の成瀬」にとっては、他の格安うなぎ店や、手頃な価格の和食店などが競合にあたります。 |
| 差別化戦略 | ライバル店にはない、自店だけの独自の強みや魅力を作ることです。価格だけでなく、味、接客、お店のコンセプトなどが差別化の要素になります。 |
| フランチャイズのリスク | 店舗数が急に増えると、全店で同じ品質やサービスを保つのが難しくなることがあります。一つの店舗の悪い評判が、ブランド全体のイメージダウンに繋がることもあります。 |
本当に閉店ラッシュ?店舗動向や撤退した店舗例
鰻の成瀬ですが以下のように撤退している店舗が割と多い印象で2025年から閉店が立て続いている(閉店ラッシュ)にあるとも言えます。
その分、店舗は増えているのですが。
・2025年11月16日:鰻の成瀬 浦和店 閉店
・2025年11月3日:鰻の成瀬 三ツ境店 閉店
・2025年11月1日:鰻の成瀬 下赤塚店 閉店
・2025年10月31日:鰻の成瀬 旭川店 閉店
・2025年10月26日:鰻の成瀬 小牧店 閉店
・2025年9月28日:鰻の成瀬 箕面店 閉店
・2025年9月15日:鰻の成瀬 高幡不動店 閉店
・2025年8月31日:鰻の成瀬 府中店 閉店
・2025年6月30日:鰻の成瀬 四日市店 閉店
・2025年4月30日:鰻の成瀬 西日暮里店 閉店
・2025年3月30日:鰻の成瀬 甲子園口店 閉店
・2025年3月23日:鰻の成瀬 徳島店 閉店(移転のため)
・2025年2月20日:鰻の成瀬 五泉店 閉店
・2024年5月頃:鰻の成瀬 茶屋ヶ坂店 閉店
という状況にはありません。公に発表されている情報や店舗一覧を見ても、大規模な閉店や撤退の動きは確認できず、むしろ新規オープンが続いています。
2022年9月に横浜で1号店をオープンして以来、その勢いはとどまることを知らず、2025年6月には国内390店舗、海外にも3店舗を展開するまでに成長しました。
| 時期 | 店舗数の動向 |
|---|---|
| 2022年9月 | 1号店(横浜店)オープン |
| 2023年9月 | グループ月次売上1億円達成 |
| 2025年6月 | 国内390店舗以上 |
この事実は、ビジネスモデルが多くのオーナーと顧客に受け入れられている証拠と言えるでしょう。
もちろん、個々の店舗で経営上の理由から閉店するケースが将来的に出てくる可能性はありますが、それはチェーン全体の問題というよりは個別事例と捉えるのが妥当だと思われます。
| 店舗名 | 開店日 | 閉店/休業日 | 営業期間 | 理由・特記事項 |
|---|---|---|---|---|
| 四日市店 | 2024年4月11日 | 2025年6月30日(予定) | 約1年2ヶ月 | – |
| 西日暮里店 | 2024年9月28日 | 2025年4月30日 | 約7ヶ月 | オープンから7ヶ月強での閉店 |
| 甲子園口店 | 2024年6月 | 2025年3月30日 | 約10ヶ月 | 芦屋店との統合を理由に閉店 |
| 五泉店 | 2024年8月31日 | 2025年2月20日 | 約6ヶ月 | オープンから半年持たずに閉店 |
| 茶屋ヶ坂店 | 2023年8月26日 | 2024年5月5日(確認) | 約8ヶ月 | 名古屋初出店の店舗だった |
| 徳島店 | 不明 | 2025年3月23日 | 不明 | 石井町へ移転のため閉店。後継店が4月5日にオープン |
| 淀川野中店 | 2024年6月8日 | 2025年4月頃~(休業) | 約10ヶ月 | 公式には「厨房機器の故障」による一時休業と発表 |
| 津三重大前店 | 2024年6月15日 | 2025年3月末~(休業) | 約9ヶ月 | 公式サイトの店舗一覧から削除され「臨時休業中」と表示 |
ちなみに、鰻の成瀬がまずいとの噂もあるようです。
本当にまずいのかアンケートや実際に何度も食べて検証しました。

鰻の成瀬が人気の理由
閉店の噂を払拭するほどの急成長を遂げている鰻の成瀬。
ここでは、多くの人々から支持される人気の理由を、ビジネスモデルや顧客の視点から深掘りしていきます。
人気の理由:圧倒的なコスパと効率化されたシステム

鰻の成瀬が人気の最大の理由は、何と言ってもその圧倒的なコストパフォーマンスです。
うなぎ半身が乗った「うな重 梅」が1,600円、丸ごと一尾を使った「うな重 松」でも2,600円という価格設定(2025年時点)は、高級なイメージのあるうなぎ専門店の常識を覆しました。
この低価格を実現しているのが、徹底的に効率化されたオペレーションシステムです。
海外の提携工場で蒲焼に加工されたうなぎを仕入れ、店舗では専用の調理機器で最終的な蒸しと焼きを行うだけ。
これにより、専門的な技術を持つ職人を雇う必要がなく、人件費を大幅に削減しています。
また、注文から提供までの時間も約5分から10分と非常にスピーディーで、忙しい人でも気軽に立ち寄れる点も魅力なのです。
| 比較項目 | 鰻の成瀬 | 一般的なうなぎ専門店 |
|---|---|---|
| 価格帯(1尾) | 2,600円~ | 4,000円~5,000円以上 |
| 提供時間 | 約5~10分 | 20分~30分以上 |
| 調理方法 | 専用機器による蒸し焼き | 職人による炭火焼きなど |
個人的に思うこと

個人的にが鰻の成瀬に対して最も素晴らしいと感じるのは、「うなぎを特別なご馳走から日常の楽しみに変えてくれた」という点です。
これまでは「土用の丑の日」や何かのお祝い事など、特別な機会にしか食べられない高級品というイメージが強かったうなぎ。
それを、ランチや普段の夕食の選択肢として多くの人に提供した功績は非常に大きいと思います。
場合によっては相場の半値近い金額で食べれますよね。
もちろん、「専門店の味には及ばない」「焼いている匂いがしないのが物足りない」といった声があるのも事実。
しかし、この価格で、温かくてふっくらとしたうな重が食べられるのであれば、十分に満足できるクオリティだと感じる人が多いのではないでしょうか。
運営会社の山本昌弘さんが「飲食に興味がない」と発言したことが批判的に取り上げられることもありますが、逆に言えば、業界の常識にとらわれない視点だからこそ、誰もが気軽にうなぎを楽しめるという新しい価値を創造できたのだと考えられます。
鰻の成瀬のイメージ調査と良い口コミ一覧
鰻の成瀬に対する世間のイメージを探るため、SNSや口コミサイトを調査したところ、やはりコストパフォーマンスを高く評価する声が大多数を占めていることがわかりました。
味に対する評価は人それぞれですが、価格とのバランスを考えた時に「満足」と感じる人が多いようです。
口コミ全体を分析すると、約8割以上の方が価格の手頃さと提供スピードに好意的な印象を持っていると考えられます。
以下に、代表的な良い口コミをまとめました。
鰻の成瀬についておさらい
ここで、鰻の成瀬の基本情報をおさらいしておきましょう。コンセプトは「うまい鰻を腹いっぱい!」。
運営はフランチャイズビジネスのコンサルティングを行うフランチャイズビジネスインキュベーション株式会社で、代表は山本昌弘さんです。
2022年9月に横浜に1号店をオープンして以来、急成長を続けています。
メニューはうなぎの量で選ぶ「梅(半身)」「竹(3/4尾)」「松(1尾)」と、うなぎの品質で選ぶ「並」「上」「特上(国産)」を組み合わせるのが特徴です。
調理法は、蒸してから焼く関東風をベースに、表面をサクッと仕上げる独自のスタイルを採用しています。
最近では上場するのではとの噂もあるようです。
向いている人
鰻の成瀬は、特に以下のような方にぴったりのうなぎ専門店だと言えるでしょう。
- とにかく安くうなぎをお腹いっぱい食べたい人
- 待ち時間なく、さっと食事を済ませたい人
- 家族や友人と気軽にうなぎを楽しみたい人
- 本格的な職人の味よりもコストパフォーマンスを重視する人
- うなぎは好きだけど、高くてなかなか手が出せなかった人
Q&A
最後に、鰻の成瀬に関するよくある質問や、少しニッチな疑問についてQ&A形式でお答えします。
- 営業時間は決まっていますか?
営業時間は店舗によって異なりますが、多くのお店で昼(11:00~14:00)と夜(17:00~20:00)の二部制を採用しており、間に中休みがあります。ラストオーダーは閉店時間の15分~30分前が一般的です。土用の丑の日など特別な日は営業時間が変更になることもあるため、訪問前には公式サイトや各店舗のページで最新の情報を確認することをおすすめします。私のよく行くお店は鰻が終わり次第、営業を終了してしまうので、他のお店も同様だと思います。
- 席の予約はできますか?
はい、一部の店舗ではホットペッパーグルメや食べログといったグルメサイトを通じて席の予約が可能です。ただし、全店舗が対応しているわけではなく、予約不可の店舗や、テイクアウト予約のみ受け付けている店舗もあります。5名以上の団体や週末の予約は電話でお願いしている場合もあるので、事前に確認するのが確実です。
- メニューにある「並」「上」「特上」の違いは何ですか?
これはうなぎの「量」ではなく、「品質や種類」の違いを表しています。メニューには「【並】脂が少なめであっさり」「【上】大きさ・脂の乗りが満足」「【特上】国産の鰻を使用」といった説明があり、好みに合わせてうなぎの種類を選べるようになっています。そして、それぞれの品質ランクの中で、さらに量(梅:半身、竹:3/4尾、松:1尾)を選ぶことができる仕組みです。
- なぜお店からうなぎを焼く良い匂いがしないのですか?
それは、鰻の成瀬が伝統的な炭火焼きではなく、煙や匂いを抑えることができる専用の調理機器を使って蒸し焼きにしているためです。この方法により、住宅街などでも近隣に配慮しながら出店でき、また、どの店舗でも均一な品質のうな重をスピーディーに提供することを可能にしています。従来のうなぎ屋さんのような食欲をそそる香ばしい匂いが店外に漂わないのは、この効率化された調理システムによるものなのです。
- 運営会社は、うなぎ屋以外のビジネスも行っているのですか?
はい、行っています。運営会社のフランチャイズビジネスインキュベーション株式会社は、その名の通り様々な業種のフランチャイズ展開を支援する会社です。そのため、「鰻の成瀬」の成功ノウハウを活かし、トリミングサロン「THE DOG Salon」や、障がいを持つ子どもたちのための療育教室「ブロッサムジュニア」といったブランドも手がけています。さらに最近では、美容事業として「よもぎ蒸しサロン aUN(あうん)」をオープンするなど、多角的に事業を拡大しています。










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