かつて多くのファンに愛され、ショッピングモールのレストラン街でよく見かけた「元祖にんにくや」。
その名の通りにんにくを活かしたイタリアンと、名物の「ハニートースト」で人気を博しました。
しかし、近年その店舗数は大きく減少しています。
一体なぜ、あれほど人気だったお店が閉店してしまったのでしょうか。
元祖にんにくやが閉店した理由

「元祖にんにくや」の店舗数が減少した背景を調査すると次のようなものがあるようです。
コロナ禍による影響を受けたため
閉店の大きな要因として、コロナ禍の影響は避けられません。
2020年以降の社会情勢の変化は、多くの飲食店にとって深刻な打撃となりました。
「元祖にんにくや」は、イオンモールなどの大型ショッピングセンター内に店舗を構えることが多かったため、政府や自治体からの外出自粛要請や営業時間の短縮要請が出されると、ショッピングモール自体の客足が遠のき、その影響を直接的に受けてしまったのです。
以下は総務省の図ですが、令和2〜3年は特に自粛期間が長く、売り上げが落ちたお店もかなり多いです。

(出典:法務省)
売上が激減する一方で、政府からの給付金が打ち切られたり、融資の返済が始まったりと、経済的な圧迫が強まったことも、店舗の維持を困難にした大きな理由だと考えられます。
ファミリー層を主なターゲットにしていたため、家族での外出が控えられたことも痛手だったと思われます。
人件費や物価高の影響を受けたため

経営を圧迫したのは、コロナ禍だけではありません。
人件費や物価の高騰も、無視できない要因です。
近年、全国的に最低賃金が引き上げられており、それに伴って人件費は上昇傾向にあります。
以下は厚生労働省の地域別最低賃金の全国一覧ですが、最低賃金(時給)が右肩上がりの昨今では50円も上がるケースもあり、利益率の低い飲食店にとって厳しい状況です。

(出典:厚生労働省)
また、世界的な物価高や円安の影響で、パスタやチーズ、オリーブオイルといった輸入食材の価格も高騰しました。
電気代やガス代などの光熱費も上昇し、お店を運営するための固定費が増え続けているのです。
こうしたコストの増加分を、すぐにメニューの価格に反映させるのは難しいことです。
手頃な価格で楽しめるファミリーレストランとしての側面も持つ「元祖にんにくや」にとって、大幅な値上げは客離れにつながるリスクもあり、利益を圧迫する大きな要因になったと考えられます。
コストの種類 | 高騰の背景 | 経営への影響 |
---|---|---|
人件費 | 最低賃金の上昇、人材確保の難化 | 利益率を低下させ、人手不足を深刻化させた |
原材料費 | 世界的なインフレ、円安の進行 | メニューの品質維持と価格設定の板挟みになった |
光熱費 | エネルギー価格の世界的な上昇 | 固定費が増大し、利益をさらに圧迫した |
サイゼリヤなど競合店が増えたため

同じショッピングモール内での厳しい競争も、閉店の一因として考えられます。
「元祖にんにくや」が出店していたショッピングモールのレストラン街には、多種多様な飲食店が軒を連ねています。
その中には、同じイタリアンというジャンルで、圧倒的な低価格を武器にする「サイゼリヤ」のような強力な競合も存在します。
お客様からすれば選択肢が豊富なため、お店側は常に他店との差別化を図らなければなりません。
「元祖にんにくや」にはハニートーストという強力な武器がありましたが、日常的なランチなどで価格を重視するお客様にとっては、より安価なチェーン店に流れてしまうこともあったでしょう。
激しい競争の中で、独自の魅力を伝えきれずに埋もれてしまった店舗もあったのかもしれません。
特徴 | サイゼリヤ | 元祖にんにくや |
---|---|---|
店舗数 | 全国に1,045店舗以上(2022年8月時点)。海外(特に中国)にも450店舗以上展開。 | 2025年時点で全国に3店舗(栃木、愛媛、大分)。過去には多くの店舗があったが、閉店が相次いだ。 |
主な立地 | 駅前、ロードサイド、ショッピングセンターなど多岐にわたる。 | 主にショッピングモールや百貨店内。 |
価格帯 | 圧倒的な低価格。多くが500円以下。 | 中価格帯。パスタ類は1,000円前後、セットメニューは1,500円程度。 |
代表的メニュー | ミラノ風ドリア(¥300)、辛味チキン(¥300)、グラスワイン(¥100)。 | はちみつトースト(¥935)、トマトとにんにくのパスタ(¥946)、各種オムライス。 |
メニュー構成 | イタリア料理に特化し、品数を絞り込むことで効率化。定期的なメニュー改定あり。 | パスタ、ピザ、オムライス、ドリア、グリルなど多彩な洋食メニューを提供。季節限定メニューも多い。 |
実際に過去に閉店した店舗例

かつては全国の様々な場所でその看板を見ることができましたが、イオンモールをはじめとする大型商業施設内の店舗の閉店が目立ちます。
- 2023年2月7日:元祖にんにくや 長岡店(リバーサイド千秋)閉店
- 2020年10月11日:元祖にんにくや 小田原店(ダイナシティウォーク)閉店
- 2017年1月9日:元祖にんにくや イオンモール新潟南店 閉店
- 2015年5月7日:元祖にんにくや イオン大日SC店 閉店
- 2011年5月ごろ:元祖にんにくや イオン苫小牧SC店 閉店
神奈川県小田原市の「ダイナシティ店」の閉店に際しては、SNS上で「大好きなはちみつトーストが食べられなくなる」と、閉店を惜しむ声も上がっていました。
元祖にんにくやのイメージ調査
閉店が続く一方で、多くの人々の心に深く刻まれている「元祖にんにくや」。
利用者は、このお店にどのようなイメージを持っているのでしょうか。
口コミサイトやSNSでの評判を徹底的に調査し、その魅力の源泉を探ってみると約8割以上がお店に対してポジティブな評価を下していました。
やはり評価が高いのは、やはり看板メニューである「ハニートースト」で、「これを食べるために行く」という声も少なくありませんでした。
また、店名にもなっているにんにくを効かせたパスタや料理も、「やみつきになる」「他では物足りない」と熱烈なファンを獲得しています。
一方で、一部の店舗では接客態度について厳しい意見も見られましたが、全体としては「美味しくて楽しい、また行きたいお店」として、多くの人に記憶されていることがわかります。
元祖にんにくやの閉店を残念に思う声も…。
複数の店舗を閉店した元祖にんにくやですが、閉店を惜しむ声が多く寄せられています。
Twitter上には「家族連れに最適だったのに残念」「お気に入りのメニューがあったのに」などといった声が挙がっていました。
元祖にんにくやのメニューは豊富であり、本格パスタやピザ、オムライスなど数々のメニューを展開しています。
中でも特に「はちみつトースト」の人気は高く、はちみつトースト目当ての人も少なくありません。
閉店してしまったことで、はちみつトーストが食べられなくなり、自宅で再現して作る人もいるほどです。
複数の店舗が閉店してしまい、近くの店舗がなくなってしまったという人も多いですが、元祖にんにくやを見つけたら立ち寄って、はちみつトーストを堪能してみて下さい。
元祖にんにくやの良い口コミ1:とにかく美味しい
元祖にんにくやでは、本格トマトソースパスタやピザ、名物のはちみつトーストなどメニューが豊富で、どれも美味しいと評判です。
そこで、元祖にんにくやのおすすめメニューを紹介します。
トマト・バジル・モッツァレラチーズ
お店人気No1のパスタです。
トマトベースになっており、チーズとの相性は抜群で基本のイタリアンを楽しみたい人におすすめです。
はちみつトースト
お店おすすめのデザート。
こんがり焼いたトーストにバター・はちみつをまぶし、冷たいアイスが添えられています。
1人で食べるのもおすすめですが、量が多いとの声も挙がっているので2人でシェアするのもおすすめです。
練乳・いちごのパフェ

(出典:HOT PEPPER)
6月に登場したパフェ。
大自然が広がる北海道・十勝地方から届く濃厚ソフトクリームが自慢であり、濃厚なアイスクリームをそのまま味わえるように、トッピングはいたってシンプル。
イチゴやチョコレート、抹茶ソースの定番から全部で8種類用意しています。
一般的なソフトクリームの約2倍でボリューム満点です。
この他にも、マルゲリータピザやオムライスなども人気であり、本格的なイタリアンをカジュアルに楽しむことができます。
店舗によっては期間限定メニューも登場するので、ぜひチェックしてみて下さい。
元祖にんにくやの良い口コミ2:女子会にも最適
カジュアルイタリアンレストランの元祖にんにくやですが、おひとりさまにも女子会にも最適であり、「可愛い」という声が挙がっています。
当店自慢のデザートであるはちみつトーストを注文すると、店員が「ぶんぶんぶん、ハチが飛ぶ~」と歌ってくれるとのこと。
はちみつ以外にもチョコレートシロップやキャラメルソースを追加の際にも歌ってくれるようで、お客さんからしたら「恥ずかしい」と感じるかと思いきや、「可愛い」「嬉しかった」という声が多く寄せられています。
また、元祖にんにくやはおひとりさまから大人数、女子会などにおすすめです。
明るく可愛らしいインテリアが飾ってあり、おしゃれで女性も喜びそうな内装となっていて、本場イタリアのレストランをイメージしています。
子どもが喜ぶメニューも豊富に取り揃えているので、家族連れも安心ですね。
元祖にんにくやについておさらい
狙う客層は30代のヤングファミリーが中心ですが、高齢者向けの和のテイストのパスタを取り入れることなどにより、全ての年齢層に受け入れられる店舗作りを目指しています。
本格トマトソース、濃厚カルボナーラ、コク旨デミグラスソース、漬込みガーリックチキン、名物はちみつトースト、ピザなどの味をお手頃価格で楽しめるお店であり、全ての層が大好きなカジュアルレストランとして人気を集めています。