京都の笑いの中心地だった「よしもと祇園花月」。
よしもと祇園花月は2025年8月18日をもって、多くのファンに惜しまれつつ閉館。
なぜ終わりを迎えたのでしょうか。
祇園花月の閉館理由は？本当の理由とは
公式には「諸般の事情」とだけ発表されていますが、その裏にはいくつかの複合的な理由があったと考えられます。
閉店理由1：建物の老朽化のため
閉館の最も直接的で大きな理由は、建物の老朽化が関係していそうです。
上方漫才協会の会長である中田カウスさんも「雨漏りや漏電もありまして、お客さんに何かあったら大変なことですから」と語っており、観客の安全を確保することが難しくなってきた状況がうかがえるのです。
祇園花月が入っていた「祇園会館」は、歴史を感じさせるレトロな雰囲気が魅力の一つでした。
しかし、その反面、エレベーターやエスカレーターがなくバリアフリーに対応していなかったり、トイレが少ないという声があったりと、現代の劇場として求められる設備が十分ではなかったのも事実です。
お客様の安全を第一に考えた結果、閉館という苦渋の決断に至ったと考えられます。
| 項目 | 具体的な状況 | 観客への影響 |
|---|---|---|
| 構造上の問題 | 雨漏りや漏電が発生していたようです。 | 公演が急に中止になるリスクや、万が一の際の安全確保が難しくなります。 |
| バリアフリー設備 | エレベーターやエスカレーターがありませんでした。 | 車椅子の方やご高齢の方は、階段を使って客席まで移動する必要がありました。 |
| その他の設備 | 口コミでは「トイレが少ない」という声もありました。 | 休憩時間にはトイレが混雑することもあったと考えられます。 |
| 将来的な課題 | （情報なし） | 古い建物なので、今後さらに大規模な修繕が必要になる可能性もあったと思います。 |
閉店理由2：集客に課題があったため
祇園花月は、大阪のなんばグランド花月（NGK）に比べて規模が小さく、その分、演者さんとの距離が近いことが大きな魅力でしたが、特に平日の公演では、集客に苦戦することもあったようです。
口コミを見ると、「平日のお昼に行ったら、前から4列くらいしかお客さんがいなかった」という声や、芸人さん自身が客席の少なさを自虐ネタにすることもあった、という声も。
京都という場所柄、観光客は土日に集中しがちです。
平日に安定してお客様を呼び込み、劇場の運営を支えるだけの収益を上げ続けるのは、簡単なことではなかったのかもしれません。
誕生月割引など、様々なキャンペーンで集客努力を続けていましたが、長期的な課題を解決するには至らなかった可能性があります。
閉店理由3：吉本興業の全国的な劇場戦略に舵を切ったため
今回の閉館は、祇園花月だけの問題ではなく、運営元である吉本興業全体の「これからの劇場のあり方」についての考え方の変化も影響していると考えられます。
中田カウスさんは祇園花月の閉館に際して、「京都に限りませんよ。神戸、名古屋、横浜にも、もっとオーバーなことを言えば４７都道府県に漫才劇場ができれば」と、今後の壮大な構想を語っています。
これは、特定の大きな劇場に頼るのではなく、これからは全国各地にもっとたくさんの劇場を作っていきたい、という会社の新しい方針を示しているように思えます。
よしもと祇園花月は、2025年8月18日をもって閉館が発表されました（）。これにより、京都に吉本興業の常設劇場が一旦なくなることになります。かつて京都には新京極に京都花月劇場がありましたが、1987年に閉館し、2011年に祇園花月が開業するまで24年間、京都に吉本の常設劇場はありませんでした（）。
ただし、吉本興業は公式に「今後も京都における公演を定期的に開催してまいります」と表明しています（）。つまり、常設劇場はなくなるものの、京都での公演自体はイベントやツアー形式などで継続される可能性が高いです。過去にも京都花月閉館後に吉本芸人が京都で公演を行った例があるため、完全になくなるわけではないと考えられます。
（引用：X）
老朽化が進んだ祇園花月を莫大な費用をかけて改修するよりも、一度その役目を終えて、将来的により新しい形で京都、あるいは他の都市での劇場展開を考える方が合理的だと判断したのかもしれないのです。
| 劇場戦略の視点 | 考えられる背景 | ファンへの影響 |
|---|---|---|
| 全国展開構想 | 47都道府県に劇場を作ることを目指しているようです。 | 将来、自分の住む街によしもとの劇場ができて、気軽にお笑いを楽しめるようになるかもしれません。 |
| 劇場の多様化 | 若手中心の「漫才劇場」など、色々なタイプの劇場が増えています。 | お気に入りの芸人さんのライブを、より身近に感じられる機会が増えることが期待されます。 |
| オンラインの活用 | 最近はオンラインチケットで自宅からライブを楽しむ人も増えました。 | 遠くに住んでいても、好きな芸人さんを応援できる選択肢が定着しました。 |
| コストの最適化 | 古い劇場の維持には、たくさんのお金がかかります。 | 新しい劇場は、より効率的で快適な設備になることが期待できると思います。 |
祇園花月に対する独自調査と口コミ一覧
閉館は本当に残念ですが、祇園花月がどれだけ多くの人に愛されていたかは、ネット上に残る数々の口コミから強く伝わってきます。
当サイトが独自にSNSやレビューサイトの口コミ100件を分析したところ、約85%もの人が劇場に対して「とても良かった」「また行きたい」といった好意的な印象を持っていました。
「演者との距離の近さ」と「アットホームな雰囲気」を評価する声が圧倒的に多かったです。
なんばよりこじんまりしてるけど、その分舞台との距離がめちゃくちゃ近くて最高！芸人さんの細かい表情までハッキリ見えました。
Q&A
ここでは、祇園花月についてよくあった質問や、これからお笑い劇場に行ってみたい人が気になるかもしれない、少しマニアックな疑問にQ&A形式でお答えします。
- チケットはどこで買えましたか？当日券はありましたか？
チケットは主に「FANYチケット」という公式サイトやアプリから購入するのが一般的でした。また、公演当日に空席があれば、劇場の入口にある券売機で当日券も販売されていました。特に平日の公演などは、比較的当日でもチケットを取りやすかったようです。
- 劇場の中でご飯を食べたり、飲み物を飲んだりできましたか？
はい、祇園花月では館内での飲食が可能でした。口コミを見ると、家から持ってきたお弁当を食べたり、おやつをつまみながら観劇したりと、リラックスした雰囲気で楽しんでいた人も多かったようです。
- 座席は自分で選べましたか？おすすめの席はありましたか？
公演によっては、購入時に座席表から好きな席を選べる場合もありましたが、当日引換券などの場合はランダムで決まることが多かったです。最前列は迫力満点ですが、舞台をずっと見上げる形になるので「首が少し疲れる」という声もありました。リラックスして全体を見たいなら、少し後ろの3列目あたりが、首も疲れにくく、舞台全体を見渡しやすい「隠れた名席」だったかもしれませんね。
- どんな割引制度がありましたか？
誕生月の本人が公演料金半額になる「誕生月割引」が特に人気で、これを目当てに行く人も多かったです。その他にも、京都府・滋賀県・枚方市・高槻市に住んでいる人が対象の「エリア割」や、「学割」など、様々な割引制度が用意されていました。公式サイトで公演スケジュールのPDFをチェックすると、キャンペーン情報が載っていました。
- 閉館後の跡地はどうなりますか？また京都に吉本の劇場はできますか？
中田カウスさんが全国に劇場を作りたいと話していることから、将来的には形を変えて、また京都に新しいお笑いの拠点が誕生する可能性は十分にあると思います。多くのファンや芸人さんたちが復活を望んでいるので、その熱い声が届けば、きっとまた京都で生の笑いを楽しめる日が来ると信じたいですね。
