夏の思い出といえば、家族や友人と訪れたプールを思い出す方も多いのではないでしょうか。
広島県にかつて存在した「ちゅーピープール」も、そんなかけがえのない記憶を多くの人に残してきた場所の一つですが、ある日突然、ちゅーピープールは閉園してしまい、多くの人がその理由に戸惑いや寂しさを感じたことと思います。
ちゅーピープールの終了なぜ?死亡事故?

1964年7月18日にチチヤス乳業がチチヤスハイパークとして開業、その後、2007年に「ちゅーピープール」に名称変更され、長年親しまれていたプールでしたが、2024年9月1日に営業を終了しました。
跡地はカープ大野練習場と大野寮に。
なぜ閉鎖してしまったのでしょうか。
施設の老朽化や運営コストの増加のため
ちゅーピープールは、長年にわたり多くの来場者を迎え入れてきましたが、施設の維持管理には常に多大なコストと労力がかかっていました。
プールの構造体や配管、濾過設備といった主要インフラは、日々大量の水に晒され、強い日差しや風雨にも耐えなければなりません。このような環境下で稼働し続けることで、施設の劣化は避けられないのです。
専門的な観点から考えると、プールの老朽化とは単に見た目が古くなることだけではありません。
長年の使用により、プール本体のコンクリートやFRP(繊維強化プラスチック)製の壁面、床面に微細なひび割れや腐食が進行し、水漏れのリスクが増大。
これらを修繕するには、大規模な工事が必要となるため、多額の費用がかかりますし、少子高齢化の昨今では利用者の増加も見込めません。
また、循環ポンプ、濾過装置、塩素供給装置といった水質管理に関わる重要な設備は、常に最新の安全基準や衛生基準を満たしている必要があります。
古い設備は効率が悪く、故障のリスクも高まるため、定期的な更新が不可欠ですが、これらも高額な投資が必要となります。
これらの要因が重なり、施設の維持・更新にかかるコストが、今後の運営で回収できる見込みを上回ってしまったという判断が下された可能性が高いと考えられます。
| 補修の種類 | 内容 | 費用感(一般的な例) |
|---|---|---|
| 定期点検 | 水質検査、設備動作確認 | 年間数十万円 |
| 部分補修 | タイル剥がれ、小規模な水漏れ | 数十万円〜数百万円 |
| 設備更新 | ポンプ、濾過器の交換 | 数百万円〜数千万円 |
| 全面改修 | プール槽の防水、配管交換 | 数千万円〜数億円 |
死亡事故など不穏な噂があった?
ちゅーピープールの閉園を巡っては、「死亡事故があったのではないか」という不穏な噂が一部で囁かれました。
私が調査した限りでは、ちゅーピープールでの死亡事故を公式に発表した記録や、公に報道された事実は確認できませんでしたが以下の情報もあり、死亡事故がプールの改名の背景にあるようです。
中国新聞 2007年8月11日付 社会(33面) ネット上のソースなし
廿日市市のプールで2歳男児が死亡
十日午後七時ごろ、廿日市市大野、「ちゅーピープール」の流れるプール(水深約九〇センチ)で、広島市中区吉島町、会社員堀尾勇輔さん(36)の二男友貴弥ちゃん(2)がうつぶせで浮いているのを、母親(36)が見つけた。友貴弥ちゃんは間もなく死亡した。
廿日市署の調べでは、友貴弥ちゃんは、母親と兄(6)、友人の家族ら計十二人で訪れていた。午後六時半ごろ、流れるプール隣の幼児用プール脇で食事をしていたところ、友貴弥ちゃんの姿が見えなくなったという。
同署は、友貴弥ちゃんが転落し、おぼれたとみている。
同プールは今シーズン、チチヤスダイヤモンドプールから名称変更。経営する「ちゅーピーパーク」から「チチヤス」が管理・運営を受託している。(引用:FC2)
その結果、ナイターは危険だとして昼間だけの営業になったようですね。
跡地や移転について
ちゅーピープールは2024年9月1日に営業を終了し、その跡地は広島東洋カープが取得したことが発表されています。
現在、約500メートル離れた海沿いにあるカープ大野練習場と大野寮が、このちゅーピープールの跡地に移転する計画があるそうで移転は2029年末ごろを目指しているとのことです。
広島東洋カープのさらなる発展と、選手たちの練習環境の向上を目指す一大プロジェクトだと言えます。
ファンにとっては、より充実した施設で選手たちが練習に励む姿を見られるようになるかもしれませんね。
レジャー施設としての役割を終えたプールが、今度はプロ野球チームの新たな拠点として生まれ変わるというのは、少し寂しい気持ちもありますが、地域の活性化という点では非常に前向きだと捉えることができます。
ちなみに移転の噂もありますが、「ちゅーピープール」が移転するのではなくあくまでカープ施設の話になります。
ちゅーピープールに対する声を徹底調査
インターネット上には、ちゅーピープールへの感謝や思い出を語る声、そして閉園を惜しむ声が数多く見受けられました。
そうした利用者の声を割合と代表的なコメントでご紹介します。
ちゅーピープールに関するSNSやブログの投稿をざっと見てみたところ、以下のような感情の内訳になっていると感じました。
これらの声は、ちゅーピープールが多くの人々の夏にとって、かけがえのない場所だったことを物語っていると思います。
代表的な口コミ
ちゅーピープールが単なるレジャー施設ではなく、地域の人々の生活に深く根ざした、かけがえのない存在だったことが伝わってきますね。
たくさんの「ありがとう」が込められたこれらの声が、ちゅーピープールへの最後の贈り物になったのではないでしょうか。
概要をおさらい
ちゅーピープールは、広島県廿日市市大野にあるレジャー施設「ちゅーピーパーク」内にあったプール施設です。
もともとはチチヤス乳業が運営する「チチヤスハイパーク」内の施設として親しまれていましたが、2007年に中国新聞社が所有する「ちゅーピーパーク」へと名称が変更された後も、プール部分は「ちゅーピープール」として夏季限定で営業を続けていました。
施設内には、波のりプールや流れるプール、キッズプールなど、様々な種類のプールがあり、ウォータースライダーも人気でした。家族連れを中心に、夏のレジャースポットとして長年、多くの人々に愛されてきた場所だと思います。
広島市内やその近郊に住む人々にとっては、夏休みの定番スポットの一つとして、たくさんの思い出が作られた場所だったのではないでしょうか。
残念ながら、2024年9月1日をもって営業を終了し、その歴史に幕を閉じました。今後は、広島東洋カープの練習施設へと生まれ変わる予定です。
Q&A
- ちゅーピープールはなぜ閉園したのですか?
ちゅーピープールは、施設の老朽化による維持管理費の増大や、レジャー需要の多様化への対応の難しさ、そして労働力確保の課題など、複数の要因が複合的に絡み合って閉園に至ったと考えられます。特に、夏季限定の運営であるため、年間を通じての収益性確保が難しかったり、大規模な改修に多額の費用が必要だったりしたことも、閉園の大きな理由だと言えるでしょう。
- ちゅーピープール跡地は、これからどうなるのですか?
ちゅーピープールの跡地は、広島東洋カープが取得しました。現在は約500メートル離れた海沿いにあるカープ大野練習場と大野寮が、2029年末ごろを目途にこの跡地へ移転する予定だそうです。将来的には、プロ野球選手の練習拠点として、新たな役割を担うことになります。
- ちゅーピープールには、アスレチック施設はあったのですか?そして、それがなくなるのは本当ですか?
ちゅーピープールは主にプール施設であり、ウォータースライダーなどはありましたが、一般的な陸上アスレチック施設は特になかったと思います。今回の閉園はプール施設の終了を意味するため、もしアスレチックがなくなるという話があるのだとしたら、それはちゅーピープール本体の閉園とは直接関係のない、あるいは誤解された情報である可能性が高いです。
- ちゅーピープールは、過去にチチヤスダイヤモンドプールと呼ばれていた時期があると聞きました。なぜ名前が変わったのですか?
ちゅーピープールは、もともとチチヤス乳業が運営していた「チチヤスハイパーク」内にあり、「チチヤスダイヤモンドプール」という名称で親しまれていました。その後、2007年に運営主体が中国新聞社に変わり、施設全体が「ちゅーピーパーク」に名称変更されたことに伴い、プールも「ちゅーピープール」と呼ばれるようになったのです。施設を所有する企業が変わったため、それに合わせて名称も変更された、ということだと理解していただければと思います。
- ちゅーピープールの閉園は、地域の観光や経済にどのような影響を与えると考えられますか?
ちゅーピープールは、夏季の地域の大きな集客施設であり、周辺の飲食店や宿泊施設などにも経済的な恩恵をもたらしていました。閉園によって、夏の観光客数が一時的に減少する可能性はあります。しかし、跡地に広島東洋カープの練習場と寮が移転することで、将来的には新たな形で地域に活気をもたらすことが期待されます。選手の姿を見に訪れるファンや、関連するビジネスが生まれる可能性もありますから、長期的に見れば地域の活性化に繋がる可能性も十分にあると考えられます。








