神戸市垂水区で20年もの長きにわたり、地域住民のお腹と心を満たしてきた「マクドナルド神戸舞多聞店」が、2025年12月21日に静かにその歴史に幕を下ろしました。
ドライブスルーの列、友人との語らい、家族での週末ランチなど、たくさんの思い出が詰まった場所だっただけに、突然の閉店に驚きと寂しさを感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、多くの人に愛されたマクドナルド舞多聞店がなぜ閉店してしまったのか、その理由と背景を徹底的に調査し、気になる跡地がどうなるのかについても紹介します。
マクドナルド舞多聞店の閉店なぜ?跡地何ができる?

多くの人にとって日常の風景の一部だったマクドナルドの閉店は、大きな衝撃でしたが、実は閉店したのはマクドナルドだけではなかったのです。
まずは、閉店が明らかになってからの一連の流れを時系列で振り返り、何が起こったのかを整理してみましょう。
| 日付 | 出来事 | 補足情報 |
|---|---|---|
| 2022年1月9日 | 営業再開 | 従業員の新型コロナウイルス感染により一時休業していましたが、消毒作業を終え営業を再開しました。この時点では平常通り営業していました。 |
| 2025年12月21日 | マクドナルド神戸舞多聞店 閉店 | 20年間の営業に幕を下ろしました。 |
| 2025年12月22日 | 垂水駅高架下に新店舗オープン情報 | 耐震・リニューアル工事を終えたMOLTIたるみ東別館に「マクドナルド 山陽垂水駅店」がオープンすることが報じられました。 |
| 2025年12月28日頃 | 各メディアが閉店を報道 | 地域ニュースサイト「号外NET」や「神戸ジャーナル」などが相次いで閉店の事実を伝え、広く知られることになりました。 |
| 2026年1月12日 | めしや食堂 神戸多聞店 閉店 | マクドナルドと同じ敷地内にあった「めしや食堂」も閉店予定であることが判明しました。 |
| 2026年1月18日 | 周辺店舗の閉店 | 「びっくりドンキー 神戸垂水店」など、同区画のグルメゾーンの店舗が続々と閉店予定であることが明らかになりました。 |
なぜ閉店に至ったのでしょうか。具体的には次のような理由があるようです。
閉店理由1:移転のため

突然の閉店に「どうして?」と疑問に思った方も多いと思いますが、最も有力な理由として考えられているのが「移転」です。これは単なる閉店ではなく、より良い場所へのお引越し、つまり「戦略的な店舗再配置」と捉えることができるかもしれません。
マクドナルドほどの巨大企業が店舗を閉鎖するには、必ず明確な経営戦略が存在します。
その中でも「スクラップアンドビルド」という手法は、企業の成長に欠かせない考え方で、時代の変化に合わなくなったり、老朽化したりした古い店舗を閉鎖(スクラップ)し、現代のニーズに合った新しい店舗を別の場所に建設(ビルド)することを指します。

舞多聞店の場合、20年間という長い歴史の中で、周辺の環境やお客様のライフスタイルも大きく変化したことでしょう。
近年、マクドナルドはドライブスルーの効率化、モバイルオーダーやデリバリーサービスの強化に力を入れており、設備の刷新や交通量の変化などを踏まえて移転した可能性は高そうです。
そして、この「移転説」を強く裏付けるのが、垂水駅高架下「MOLTIたるみ東別館」での「マクドナルド 山陽垂水駅店」のオープンで、舞多聞店が閉店したのとほぼ同時期に、近隣の主要駅に新店舗がオープンするという事実は、単なる偶然とは考えにくいです。
舞多聞店は車での利用者が中心でしたが、山陽垂水駅店は電車利用者や駅周辺の住民を新たなターゲットに据えた、新しい形でのサービス提供を目指しているのだと思われます。
このように、閉店は寂しいニュースですが、マクドナルドが神戸・垂水の地でこれからも愛され続けるための、前向きな決断だったと考えることもできるのです。
同様の店舗整理は他の地域でも見られ、例えば西区の「マクドナルド 岩岡ヒラキ店」も30年の歴史に幕を下ろしています。
これもまた、地域全体の店舗配置を見直す大きな流れの一部なのかもしれません。
店舗だけではなく、決済方法なども見直されており、dポイントについても過去大きく変化しましたね。

| 補足情報 | 内容 | 補足情報 |
|---|---|---|
| スクラップアンドビルドとは? | 古くなった店舗を閉鎖し、時代のニーズに合った新しい店舗を建設する経営戦略のことです。 | ドライブスルーのレーンを増やしたり、カフェメニューを充実させたりする改装がよく見られます。 |
| 移転のメリット | 商圏の変化に対応し、より多くの集客が見込める場所へ移動できることです。 | 交通アクセスの改善や、新しい顧客層の開拓につながることもあります。 |
| 近年のマクドナルドの傾向 | デリバリーやモバイルオーダーへの対応を強化し、利便性を高めることに力を入れています。 | 新店舗では、デリバリークルー専用の待機場所や受け渡し口が設けられることもあります。 |
| マクドナルドと神戸の歴史 | 1957年に創業者が神戸市長田区で会社を設立したのが始まりです。 | ダイエーの前身となる会社で、神戸とは非常に深い縁があるのです。 |
閉店理由2:エリア全体の再開発計画に伴う立ち退きのため

マクドナルド舞多聞店の閉店は、単独の店舗移転という理由だけでは説明がつかない、もっと大きな動きの一部である可能性が考えられます。
あのグルメゾーン一帯が、まるごと生まれ変わるための「エリア全体の再開発計画に伴う立ち退き」のため、という見方で、実はマクドナルドだけでなく、同じ敷地内にあった「びっくりドンキー」「めしや食堂」「錦わらい」といった複数の飲食店が、ほぼ同時期に一斉に閉店することからこの可能性も非常に高そうです。
個々の店舗が全く別の理由で、偶然同じタイミングで閉店を決断するとは考えにくく、これは土地の所有者や開発業者(デベロッパー)といった、より大きな存在の意向が働いた結果と考えるのが自然です。

SNS上では、「土地のオーナーが契約更新にあたり、賃料の大幅な値上げを提示したため、全店舗が撤退を決めた」という趣旨の噂も見られます。
事実だとすれば、地主側は単に賃料収入を増やしたいのではなく、既存のテナントを退去させた上で、その広大な土地を一体的に活用する、全く新しい開発計画を構想している可能性が非常に高いのです。
専門的な視点で見ると、このような大規模開発の前には「Preliminary Site Investigation(PSI)」と呼ばれる予備的な敷地調査が行われるのですが、土地の歴史や環境、法的な規制などを洗い出し、どのような開発が可能かを見極めるための重要なプロセスです。
あのグルメゾーン一帯が、より収益性の高い大規模な商業施設や高層マンションなどを建設するプロジェクトの候補地となり、水面下で計画が進んでいるのかもしれません。

東京の築地市場跡地が約9000億円を投じてスタジアムやオフィス、ホテルなどを備えた複合施設に生まれ変わる計画のように、広大な土地はデベロッパーにとって計り知れない可能性を秘めた「宝」なのです。
舞多聞のあの場所も、幹線道路沿いで交通量が多く、背後には大規模な住宅街が控えているという絶好のロケーションなので、飲食店が並ぶグルメゾーンとしての活用も魅力的でしたが、土地のポテンシャルを最大限に引き出すために、より大きなスケールでの再開発へと舵が切られたのだと考えられます。
| 補足情報 | 意味 | 今回のケースでの考察 |
|---|---|---|
| 定期借地権 | 契約期間が終わると、土地を更地にして地主に返還する契約形態のことです。 | 多くの店舗が同時期に契約満了を迎え、一斉に契約を更新しないという選択がされた可能性があります。 |
| デベロッPER | 街づくりや大規模な不動産開発を手掛ける事業者のことです。 | 大手のデベロッパーがこの一帯の土地をまとめて取得し、新たな街づくりを計画しているのかもしれません。 |
| アセットアセンブリー | 複数の所有者の土地を一つにまとめ、より価値の高い大きな開発用地にすることです。 | 今回の一斉閉店は、まさにこのアセットアセンブリーが完了し、次のステップに進む合図である可能性があります。 |
| エリアマネジメント | 開発後も、その地域の魅力や価値を維持・向上させていくための継続的な活動のことです。 | 再開発によって、交通渋滞の緩和や、地域住民にとってより魅力的な空間づくりが目指されることも考えられます。 |
他の店舗の例だと人気だったマクドナルド169橿原店も過去に閉店しています。

跡地には何ができる?
公式な発表は2026年1月時点でもまだありませんが、土地の特性やこれまでの事例から、いくつかの可能性を考察することができます。
最もシンプルで分かりやすい可能性は、既存のグルメゾーンを発展させた、より大規模な「複合商業施設」の建設です。

複数の飲食店が個別に建っていた区画を一体化させることで、より多くのテナントが入居できる大きな建物を建てることができます。
近隣には「ブルメール舞多聞」がありますが、例えばシネマコンプレックスや、最新の体験型アミューズメント施設などを導入することで、差別化を図り、広域からの集客を目指す戦略が考えられます。
忘れてはならないのが、このエリアが非常に人気の高い住宅地であるという点で、幹線道路に面した利便性の高い立地に、大規模な分譲マンションや賃貸マンションが建設される可能性も十分にあります。
1階部分を店舗やクリニックとし、2階以上を住居とするような「下駄ばきマンション」の形式をとれば、商業的なにぎわいと居住の快適さを両立させることも可能です。
不動産情報サイトでもこのエリアの物件は注目されており、住宅としての需要は非常に高いと思われます。

民間主導の開発だけでなく、行政が関与する可能性もゼロではありません。
例えば、高齢化社会に対応するための医療モールや介護施設、あるいは子育て世代をサポートする保育園や学童施設といった、公共性の高い施設が整備されることも考えられます。
安芸市の旧市庁舎跡地では、図書館や公民館、子育て支援機能などを組み合わせた複合施設の整備が計画されており、このような公的な視点での跡地利用も一つのモデルケースとなります。
話はずれますが、マクドナルドの三角チョコパイに対しても賛否の声があるようです。

Q&A
マクドナルド舞多聞店の閉店と跡地について、皆さんが気になるであろう質問をQ&A形式でまとめてみました。
- 20年間通った舞多聞店がなくなって本当に寂しいです。もうあの辺りでマクドナルドは食べられないのでしょうか?
思い出の場所がなくなるのは本当に寂しいですよね。ですが、完全にマクドナルドがなくなってしまったわけではありません。舞多聞店の閉店とほぼ同じタイミングで、JR・山陽垂水駅の駅ビル「MOLTIたるみ」に「山陽垂水駅店」がオープンしています。舞多聞店は車での利用が中心でしたが、駅前店は電車を利用する方や学生さんにとっては格段に便利になったと言えるかもしれません。舞多聞店が、形を変えて駅前にお引越しした、と考えると少し寂しさが和らぐのではないでしょうか。
- マクドナルドだけじゃなくて、周りのお店も全部なくなるなんて、何か大きな力が働いているように感じます。これって都市計画と関係があるのでしょうか?
その可能性は極めて高いと考えられます。個々の店舗がバラバラに閉店するのではなく、特定のエリアの店舗が一斉に閉店する場合、その背景には土地の契約更新や、土地所有者による大規模な再開発計画があることがほとんどです。専門的には「アセットアセンブリー(土地の集約)」と呼ばれる動きで、複数の土地を一体化させて、より価値の高い開発(例えば高層マンションや大型商業施設)を行うための準備段階である可能性が考えられます。数年後には、あの場所で大きな建設プロジェクトが始まっているかもしれません。
- 閉店したマクドナルドの建物は、これからどうなるのですか?しばらくあのまま放置されるのでしょうか?
通常、飲食店などがテナントとして入居している場合、契約終了時には「原状回復義務」といって、建物を解体して更地に戻してから土地を返還するのが一般的です。そのため、マクドナルドの建物もいずれは解体されることになるでしょう。ただし、今回のようにエリア全体で再開発が計画されている場合は、次の開発業者がまとめて解体工事を行うこともあります。周辺の店舗も2026年1月にかけて順次閉店していくため、全ての店舗が退去した後に、一帯の解体工事が一気に始まる可能性が高いと思われます。しばらくは建物が残るかもしれませんが、そう遠くない未来に景色は一変することになりそうです。
