日本のヨガ業界をリードしてきた「スタジオ・ヨギー」が2025年8月1日に破産手続きを開始したことで、多くの利用者が驚いたはず。
長年愛されてきたスタジオがなぜこのような事態に至ったのでしょうか。
スタジオヨギーがやばい!破産/閉店理由は?

多くの人に愛されたスタジオ・ヨギーが破産に至った理由としては複数があると考えられます。
フィットネス業界の競争激化と顧客ニーズの多様化に対応しきれなかったため
スタジオ・ヨギーは質の高いヨガを提供していましたが、近年フィットネス業界全体の競争が非常に激しくなりました。
低価格で24時間利用できるフィットネスジムや、マシンピラティスのような特定のニーズに特化したスタジオが急増したのです。
伝統的なヨガスタジオは顧客を奪い合う形となり、価格競争やサービスの差別化で苦戦を強いられることになりました。
倒産増加の最大の要因は「販売不振」であり、スタジオ・ヨギーもこの大きな波に抗うことが難しかったと考えられます。
| 業界の動向 | スタジオ・ヨギーへの影響 | 考察 |
|---|---|---|
| 安価な24時間ジムの増加 | 価格面での競争力が低下したと思われます。 | 手軽さを求める層が流出した可能性があります。 |
| マシンピラティスブーム | ヨガ以外の選択肢が増え、顧客が分散しました。 | 新しいトレンドへの追随が遅れたのかもしれません。 |
| オンラインフィットネスの普及 | 自社サービス「yoggy air」がありましたが、競争は激しかったです。 | スタジオの固定費が経営を圧迫したと考えられます。 |
| インストラクターの供給過多 | 「生徒より講師募集に人が集まる」状況でした。 | 人件費とサービスの質のバランスが難しくなったのです。 |
| 顧客ニーズの多様化 | 「鍛える」系のジムが流行し、ヨガの立ち位置が変化しました。 | 時代の変化に合わせた事業転換が求められていました。 |
コロナ禍による長期的な打撃とオンライン移行の遅れが経営体力を奪ったため
新型コロナウイルスのパンデミックは、対面サービスを主軸とするフィットネス業界に深刻な影響を与えました。
スタジオ・ヨギーも例外ではなく、緊急事態宣言下での長期休業や、再開後のクラス数削減を余儀なくされました。
2020年後半から2021年にかけて、実際に多くのスタジオを閉店しています。
オンラインサービス「yoggy air」を2020年に開始しましたが、スタジオ事業の莫大な損失を埋め合わせるには至らず、経営体力が徐々に削がれていったことが大きな要因なのです。
コロナ禍において閉店が確認されたスタジオ・ヨギーの店舗は以下の通りです。
- 2019年12月29日:渋谷スタジオ閉店
- 2020年3月31日:五反田スタジオ閉店
- 2020年12月22日:川崎スタジオ閉店
- 2020年12月27日:町田スタジオ閉店
- 2020年12月27日:なんばスタジオ閉店
- 2020年12月28日:麻布十番スタジオ閉店
- 2020年12月29日:湘南藤沢スタジオ閉店
- 2020年12月29日:新宿WESTスタジオ閉店
- 2020年12月30日:静岡パルコスタジオ閉店
- 2021年1月31日:TOKYOスタジオ閉店
- 2021年5月30日:丸井錦糸町スタジオ閉店
インストラクターとの労働問題が深刻化し、ブランドイメージと組織力を低下させたため

スタジオ・ヨギーは、インストラクターとの間で長年にわたり労働問題を抱えていました。
インストラクターたちは、実質的な労働者であるにもかかわらず業務委託契約(名ばかりフリーランス)として扱われ、休業補償がないなどの不安定な立場に置かれていたと主張。
この問題は労働組合の結成や裁判にまで発展し、メディアでも報じられ、サービスの質を支えるはずのインストラクターとの対立は、組織の結束力を弱め、訴訟対応などで経営資源を消耗させたと考えられます。
何より、「人を大切にしない企業」というイメージは、顧客離れやブランド価値の低下に直結してしまったのです。
スタジオヨギーが裁判?経営改善は難しかったの?
過去にはインストラクターたちとの裁判問題もあったようです。
インストラクターの「労働者性」をめぐる対立が原因
裁判の最大の争点は、業務委託契約を結ぶインストラクターが労働組合法上の「労働者」にあたるかどうかでした。
会社側は個人事業主との契約であると主張しましたが、インストラクター側(労働組合)は、クラスの時間や場所、指導マニュアルなどで会社の強い指揮命令下にあり、実態は労働者だと訴えました。
2023年3月、東京都労働委員会はインストラクターの労働者性を認め、組合員へのクラス削減は「組合活動を理由とする不利益な取り扱い」、つまり不当労働行為であると認定しました。
この決定は、会社の主張を退けるものであり、経営改善を進める上での大きな障害となったと考えられます。
| 裁判の主な争点 | 会社の主張(推測) | 組合の主張 |
|---|---|---|
| 契約形態 | 業務委託契約であり、対等なパートナーです。 | 実態は会社の指揮命令下にある労働者です。 |
| 休業補償 | 個人事業主なので、補償義務はありません。 | 生活が困窮するため、補償を求めます。 |
| クラス削減 | 経営上の判断であり、正当な理由があります。 | 組合活動への報復であり、不当労働行為です。 |
| 有料講習の強制 | スキルアップのためであり、任意です。 | 受けないと仕事がもらえず、実質的な強制です。 |
| 経営情報の開示 | 開示する義務はありません。 | 経営状況が不透明で、一方的な不利益変更です。 |
やはり破産後にも同じインストラクターにお願いしたい人も多いようです。
改めてスタジオヨギーの人気インストラクターについて以下の記事でまとめました。

個人的に思うこと
今回の破産は本当に残念なニュースですが、スタジオ・ヨギーが日本のヨガ文化の発展に大きく貢献した事実は揺るがないと思います。
2004年の創業以来、質の高いプログラムと優れたインストラクターを通じて、多くの人々にヨガの素晴らしさを伝えてきました。
解剖学に基づいたアプローチなど、常に本質を追求する姿勢は、多くのヨガ愛好家から支持されていたのです。
経営の難しさや時代の変化の中で、その理念を維持し続けることは容易ではなかったのかもしれませんが、スタジオ・ヨギーが提供した「心と体がつながる時間」は、たくさんの人の人生を豊かにしたはず。
その功績に、心から敬意を表したいと思います。
スタジオヨギーに対する独自調査と口コミ一覧
当サイトの独自調査では、スタジオ・ヨギーの元利用者や関係者のうち、約7割がサービス内容やインストラクターの質に対して良い印象を持っているようです。
経営上の問題はありつつも、現場で提供されるサービスの質は高く評価されていたことがうかがえます。
以下に、SNSや口コミサイトで見られた代表的な意見をまとめました。
スタジオヨギーについておさらい
最後に、日本のヨガシーンを彩ったスタジオ・ヨギーがどのようなスタジオだったのか、改めて振り返ってみましょう。
概要
株式会社ヨギーが運営していたヨガ・ピラティススタジオです。
2004年に東京・原宿に1号店をオープンして以来、全国に店舗を拡大し、一時は26店舗を展開していました。
ヨガやピラティスのクラス提供だけでなく、質の高いインストラクターを育成するスクール事業や、オリジナルウェアの販売なども手掛け、日本のヨガ文化をトータルで支えるパイオニア的な存在でした。
Q&A
スタジオ・ヨギーに関して、多くの人が抱くであろう疑問にQ&A形式でお答えします。
- 本当にすべてのスタジオが閉店してしまったのですか?
はい、2025年8月1日の破産手続き開始決定に伴い、株式会社ヨギーが運営していたスタジオはすべて閉鎖されました。ただし、一部の報道では、関西のスタジオやオンラインサービス「yoggy air」が別会社によって事業継続される可能性も示唆されていますが、公式な発表はまだありません。(2025年8月時点)
- 持っていたチケットや支払った月謝は返金されますか?
会社が破産手続きに入ったため、法的には債権者(チケット保有者など)への配当という形になりますが、全額が返金される可能性は極めて低いのが現実です。今後の手続きについては、破産管財人からの通知を待つことになります。ただ、破産直前の8月分月謝は引き落とされていなかったとの報告もあり、利用者への最低限の配慮は見られたようです。
- なぜサーチファンドの支援を受けていたのに、経営再建できなかったのですか?
スタジオ・ヨギーは2014年に日本初のサーチファンドの支援を受け、経営改革を進めていました。しかし、その後のフィットネス市場の競争激化、コロナ禍という未曾有の危機、そして根深い労使問題という複数の逆風が重なりました。特に、サービスの根幹をなすインストラクターとの信頼関係が損なわれたことは、ファンドの支援だけでは乗り越えられないほど大きなダメージだったと考えられます。
- インストラクターとの労働問題は、結局どうなったのですか?
2023年3月に東京都労働委員会が、インストラクター側の主張を一部認め、会社側の不当労働行為を認定する命令を出しました。会社側はこの命令を不服として中央労働委員会に再審査を申し立てていましたが、今回の会社破産により、この法的な争いは事実上終結することになると思われます。
- 「スタジオ・ヨギー」というブランドは完全になくなってしまうのでしょうか?
株式会社ヨギーとしての事業は終了するため、基本的にはなくなると考えられます。しかし、ブランドには依然として高い知名度と価値があります。もし、オンラインサービスや一部店舗が他社に引き継がれるようなことがあれば、何らかの形で「yoggy」の名前が残る可能性はゼロではありません。今後の動向を見守る必要があります。









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