東京の多摩地域を中心に展開していた総合リサイクルショップ「ブックセンターいとう」は、近年、店舗の閉鎖が加速しました。
2023年から2024年にかけて閉店が相次ぎ、かつてはグループ全体で40店舗以上を誇った一大チェーンは、その歴史に幕を下ろすこととなりました。
2024年2月29日の日野店閉店をもって、「ブックセンターいとう」を冠する最後の店舗が営業を終了し、事実上、全店舗が閉店となりました。
ブックセンターいとうが全店閉店!閉店ラッシュだったの?

ブックセンターいとうは、古本だけでなく、家電、家具、古着、雑貨、食品など多岐にわたる商品を取り扱う「中古界のドン・キホーテ」のような存在として、地域住民に親しまれていました。
1975年に八王子で創業し、大型リユースショップのパイオニアとして、競合のブックオフ(1号店は1990年)やハードオフ(リユース事業開始は1993年)よりも早くから事業を展開していました。
しかし、2010年代から徐々に店舗数は減少し始め、2023年には閉店のペースが急加速。
同年には国分寺店、創業の地である八王子市にあった東中野本店と元八王子店が相次いで閉店し、地域に衝撃を与えました。そして2024年初頭に立川西砂店、最後に残った日野店が閉店し、一時代の終焉を迎えました。
- 2012年1月31日:ブックスーパーいとう 府中店 閉店
- 2014年2月:ブックセンターいとう 桜ヶ丘店 閉店
- 2017年3月21日:ブックセンターいとう 中野島店 閉店
- 2017年9月18日:ブックセンターいとう 平間店 閉店
- 2018年6月:ブックスーパーいとう 分倍駅前店 閉店
- 2023年4月2日:ブックセンターいとう 国分寺店 閉店
- 2023年8月31日:ブックセンターいとう 東中野本店 閉店
- 2023年10月22日:ブックセンターいとう 元八王子店 閉店
- 2024年1月14日:ブックセンターいとう 立川西砂店 閉店
- 2024年2月29日:ブックセンターいとう 日野店 閉店
ブックセンターいとうが閉店してしまった理由とは(全店閉店)
なぜこんなにも長く愛され続けていたのに、閉店が立て続けに起きてしまったのでしょうか。
閉店の理由を調査してみました。
理由1:インターネットなどの普及のため
時代の流れにより、経営難に陥ってしまったのではないでしょうか。
なかでも、東中野本店は1980年代に多摩ニュータウンに誕生し、ブックオフとは異なる路線で運営されていました。
大学の指定教科書から子供向けの児童書、推理小説、医療系の本まで、さまざまな種類の古書を扱っていました。
しかし、2014年以降、時代の変化により、古本屋だけでなく書店全体が閉店する傾向にあります。
インターネットの普及により、店舗を持つことで在庫や光熱費、人件費がかかるため、経営が難しくなったと言われています。
また、ネットを通じての買取も増加しています。
これらの変化により、ブックセンターいとうも店舗数が減少してしまった可能性が高いですね。
理由2:物価高騰のため
閉店理由は、物価高騰や賃金の上昇により、一般家庭がエンタメ商品にお金を使う余裕がなくなっていることが挙げられます。
近年では特に物価高騰が目立っていますが、紙媒体については電子書籍などの普及もあり、以前から本そのものを購入する頻度が低くなりました。
それに伴い、売る本も少なくなっていっているはずです。
理由3:競合店による影響のため
古本屋はブックセンターいとうだけではありません。
大手チェーン店のブックオフや、ネットから行う宅配買取を扱う店舗がたくさんあります。
更に近年では、SNSの普及によりSNSから購入者を集めたり、フリマサイトを使って個人で販売する方も多くいらっしゃいます。
購入する場合は実店舗を利用される方もいらっしゃると思いますが、売るとなるとなるべく高く売りたいと思う方が多いですよね。
その場合はネットで売ったほうが、高く売れる可能性があるので、結果実店舗での取り扱いが少なくなったり、購入される方も少なくなるのではないでしょうか。
理由4:会社自体の経営難のため
上記で述べたものが店舗には限らず、会社全体の経営に影響を与えていた可能性が高いのではないでしょうか。
店舗数が以前は40店舗と多くあった中で、売買が減少していけば、店舗毎に発生する土地代や建物の維持費などで赤字になる可能性も高いはずです。
ブックセンターいとうについておさらい
ブックセンターいとうは、創立が昭和50年(1975年)8月1日の日本のリサイクルショップです。
書籍・コミックをはじめとして、DVD・Blu-ray・CD・ゲームソフト・ゲーム機本体など多岐にわたるユーズド商品を、お客様の思い出とともに大切に買い受け、クリーンアップして社会へ還元。
本・CD・DVD・GAME・Blu-ray以外にも、店舗によっては家具・家電・雑貨・食品なども取り扱っており、あなたの街の知識のリサイクルショップとして、お客様と向き合い続けていました。
ブックセンターいとうの良い口コミ
ブックセンターいとうは、地域に根差した老舗書店として、多くの人に親しまれていました。
立て続けに閉店されていますが、長年の愛用者から残念に感じている方が多く、いい口コミがたくさん上がっていました。
品揃えが豊富
ブックセンターいとうは、品揃えが豊富で、探している本が必ず見つかるという口コミが多くありました。
他でなくて諦めていたものが、ここならあると安心して訪れる方も多かったのではないでしょうか。
店員さんが親切
古本屋というと場所によって陳列が独特のところもあるので、戸惑う方も多いのではないでしょうか。
ブックセンターいとうでは、店員さんが親切で、丁寧な対応に安心したという声も多くあがっていました。
人と人とのコミュニケーションによる売買は、実店舗ならではの安心感と楽しさを味わえたのではないでしょうか。
居心地が良い
店内は広々としていて、他の大手古本屋にはない居心地の良さがあり、ゆっくりと本を探すことができるという口コミがありました。
また、以前は東中野本店の駐車場で、コーヒーにこだわりを持つ自家焙煎珈琲豆店RinnCoffeeがクレープの移動販売を行っていたことがあり、読書を楽しむこともできたようです。
イベントが充実
ブックセンターいとうでは、著者とのトークショーやサイン会など、様々なイベントが開催されていました。
こうしたイベントは、読書の楽しみを広げてくれる貴重な機会だったようです。
これらのイベントが地域に貢献する活動に繋がっていたのではないでしょうか。








