関西の街角で、香ばしい匂いと共におはぎや団子を提供してきた「おはぎの丹波屋」。
俳優の藤田まことさんが出演するCMでも親しまれ、多くの人にとって懐かしい思い出の味なのではないでしょうか。
ですが最近、その姿を街で見かける機会が減っているように感じます。
おはぎの丹波屋の閉店理由は?

かつては多くの駅前や商店街で親しまれた丹波屋ですが、なぜ店舗数が減少しているのでしょうか。
人件費や物価、光熱費の高騰のため
まず考えられるのが、昨今の経済状況がお店の経営を直撃していることです。
飲食業界全体が苦しんでいる問題ですが、丹波屋もその例外ではないと思われます。
丹波屋は「原材料と手間を惜しまず」をモットーに、北海道十勝産の大粒小豆や国産の一級品もち米を使用するなど、素材へのこだわりを大切にしてきました。

(出典:おはぎの丹波屋)
このこだわりが美味しいおはぎを生む源泉である一方、近年の原材料価格の高騰は、経営にとって大きな負担になっているはずです。
例えば、小豆やもち米の価格は天候不順や生産量の減少によって上昇傾向にありますし、店舗を運営するための電気代やガス代といった光熱費も、数年前とは比べ物にならないほど高騰しています。
以下のように政府(資源エネルギー庁)も支援をしていますが、それでも右肩上がりに光熱費は高騰している状況です。

(出典:資源エネルギー庁)
これらのコスト増が、商品の価格に転嫁されたり、利益を圧迫したりして、店舗の維持を難しくしている一因だと考えられるのです。
項目 | 以前の状況 | 現在の状況 |
---|---|---|
小豆の価格 | 比較的安定していました。 | 天候不順や海外からの需要増で高騰傾向にあるのです。 |
もち米の価格 | 国産品は安定して供給されていました。 | 作付面積の減少などで価格がじわじわと上昇しています。 |
光熱費 | 店舗運営コストの一部でした。 | 近年の世界情勢により、数倍に跳ね上がっているのです。 |
おはぎや和菓子の需要が低下したため

私たちの食生活の変化も無視できない要因で、調査すると「和菓子と洋菓子どちらが好きか」という質問に対し、62%の人が「洋菓子」と回答するデータもあるようで、和菓子派の38%を大きく上回っています。
また、「普段食べる定番スイーツは何か」という質問でも、洋菓子が約7割を占める結果が出ており、現代のスイーツ市場が洋菓子中心に動いていることがわかります。
やはり、ケーキやパフェ、シュークリームといった華やかで多様な洋菓子が、コンビニや専門店で手軽に手に入るようになったことが大きいでしょう。
若い世代にとっては、おはぎや団子といった伝統的な和菓子よりも、SNS映えするような洋菓子の方に魅力を感じるのかもしれません。
こうした消費者の嗜好の変化が、和菓子を主力とする丹波屋の客足を遠のかせ、売上減少につながっている可能性は十分考えられます。
コンビニやシャトレーゼなど競合店の影響を受けたため
和菓子市場が縮小する中で、競合との競争はますます激しくなっていて、その代表格が、コンビニエンスストアと、シャトレーゼのような低価格スイーツ専門店です。
今のコンビニスイーツは、有名パティシエが監修するなど品質が飛躍的に向上しており、しかも24時間いつでも手軽に購入できる一方、シャトレーゼは和菓子から洋菓子、アイスまで圧倒的な品揃えを驚くほどの低価格で提供し、ファミリー層を中心に絶大な支持を集めています。
こうした競合の存在は、丹波屋にとって大きな脅威です。
実際にネットの口コミでは、「あの値段であのクオリティーならヤマザキの安い饅頭で十分」といった、価格と品質のバランスをシビアに比較する声も見られ、手作り感や素朴な味わいという丹波屋の魅力が、手軽さやコストパフォーマンスを重視する現代の消費者には、以前ほど響かなくなってきているのかもしれません。
店舗 | 強み | 弱み |
---|---|---|
おはぎの丹波屋 | 手作り感と素朴な味わいです。 | 価格がやや高めで、店舗数が減少しています。 |
コンビニ | 24時間いつでも購入可能で安価です。 | 本格的な味わいを求める層には物足りないかもしれません。 |
シャトレーゼ | 圧倒的な品揃えと安さが魅力です。 | 和菓子専門ではないため、特化した品揃えではありません。 |
過去に事件も?民事再生や倒産と噂されるのはなぜ?
店舗の閉店が続くと、「何か事件でもあったのでは?」「倒産したの?」といった不安な噂が広まりがちです。
丹波屋に関しても、ネット上では「民事再生」や「事件」といったキーワードが見受けられます。

(出典:Google)
まず、「事件」という言葉ですが、警察が介入するような刑事事件が起きたという事実は確認できませんでしたが、過去の評判を調べてみると、労働環境に関する厳しい声がいくつか見つかります。
「拘束時間が長く、一日中立ちっぱなしで重労働だった」という元従業員の話や、本社勤務に関しても働き方を指摘するような書き込みも。
こうした労働問題に関するネガティブな情報が、大げさに「事件」という言葉で広まってしまった可能性が考えられます。
また、「民事再生」や「倒産」の噂については、相次ぐ閉店が大きな原因でしょう。
SNS上では「民事再生法というのは便利なものやねえ」と、過去に丹波屋が民事再生法を申請したことを示唆するような投稿も見られるようですが、倒産はしておらず、2025年9月時点でも大阪、京都、兵庫を中心に15店舗以上が営業を続けています。
もしかしたら他の和菓子店や食品会社の経営破綻と情報が混同されているケースもあるかもしれませんね。
噂 | 考えられる背景 | 現在の状況 |
---|---|---|
事件があった? | 過去の厳しい労働環境に関する口コミが広まったためだと思われます。 | 現在は採用サイトでクリーンな労働環境をアピールしています。 |
民事再生した? | 過去に申請した可能性を示唆するSNS投稿があります。 | 詳細は不明ですが、現在は経営を継続しているのです。 |
倒産した? | 相次ぐ店舗閉店が原因で噂が広まったと考えられます。 | 倒産はしておらず、大阪を中心に店舗を運営中です。 |
過去に閉店した店舗例
実際に、ここ数年で多くの店舗が閉店しています。確認できた情報だけでも、これだけの店舗が姿を消しているのです。
- 2025年5月31日:吹田店 閉店
- 2024年12月31日:枚方店 閉店
- 2018年3月31日:寝屋川店 閉店
- 2017年12月31日:高槻西武前店 閉店
- 2013年2月11日以前:丸太町店 閉店
- 2011年6月8日以前:藤森店 閉店
- 2011年6月8日以前:北大路店 閉店
- 2011年6月8日以前:三条店 閉店
- 2011年6月8日以前:七条店 閉店
- 日付不明:西我孫子店 閉店
- 日付不明:北千里店(旧店舗) 閉店
- 日付不明:庄内店 閉店
- 日付不明:JR吹田店 閉店
- 日付不明:春木店 閉店
- 日付不明:鶴見店 閉店
- 日付不明:牧野店 閉店
- 日付不明:出町柳店 閉店
- 日付不明:阪神尼崎店 閉店
- 日付不明:鶴橋西店 閉店
閉店時期が正確にわからなかったものもありますが、かなりの店舗が閉店していることがわかりました。
おはぎの丹波屋と藤田まこと氏の関係は?CM以外にも?
「おはぎの丹波屋」と藤田まこと氏の関係は、主に1990年代に放送されたテレビCMにあります。
藤田まこと氏は丹波屋のイメージキャラクターとして出演し、「おっはっぎぃ~のた~んばやっ」というキャッチーなフレーズで広く親しまれました。
CMは関西を中心に放送され、丹波屋の知名度向上に大きく貢献しましたが、藤田まこと氏が丹波屋の経営者であるという噂は誤りで、CM出演者として関わっただけです。
CM以外の関係については、特に経営や商品開発などの直接的な関与は確認されていませんし、藤田まこと氏は、丹波屋以外にも複数の企業のCMに出演しており、俳優としての活動の一環として丹波屋の広告に携わったと考えられます。
以下は、藤田まこと氏が出演した丹波屋のCMについての概要をまとめた表です。
項目 | 内容 |
---|---|
出演時期 | 1990年代 |
キャッチフレーズ | 「おっはっぎぃ~のた~んばやっ」 |
放送地域 | 主に関西地方 |
影響 | 丹波屋の知名度向上に大きく貢献 |
藤田まこと氏の役割 | イメージキャラクターとしてCMに出演。経営や商品開発には関与していない。 |
藤田まこと氏の温かみのある演技と親しみやすいキャラクターが、丹波屋の「素朴で家庭的な和菓子」というイメージを強調し、多くの人々に愛されるブランドへと導いたのです。
おはぎの丹波屋に対する100人の声を調査
では、実際に丹波屋を利用した人たちは、どのように感じているのでしょうか。
ネット上の口コミや評判を100件集計し、分析してみました。
【口コミ調査結果】
最も多かったのは、「美味しい」「安心する味」といった味を評価する声でした。
一方で、価格や接客態度に対する不満の声も一定数存在することがわかります。
【代表的な口コミ】
向いている人
これまでの情報を踏まえると、おはぎの丹波屋の利用が特にオススメなのは、次のような人たちだと言えるでしょう。
- 昔ながらの素朴で甘さ控えめな和菓子が好きな人
- 添加物などを気にせず、素材本来の味を大切にしたい人
- 手作り感のある、温かみのあるおやつを手土産にしたい人
- きらびやかな洋菓子よりも、あんこやきな粉を使ったお菓子に心惹かれる人
Q&A
- おはぎの丹波屋は本当に倒産したのですか?
いいえ、倒産はしていません。店舗数は減ってしまいましたが、2025年現在も大阪、京都、兵庫で15店舗以上が元気に営業を続けています。相次ぐ閉店から心配する声が広まったようですが、今でもあの懐かしいおはぎを買うことができますよ。
- CMに出ていた藤田まことさんが経営していたというのは本当ですか?
俳優の藤田まことさんは経営者ではなく、1990年代に関西地区で放送されていたCMに、イメージキャラクターとして出演されていただけなのです。CMの「おっはっぎぃ~のた~んばやっ」というフレーズの印象がとても強かったので、経営者だと思っている方が今でも多いみたいですね。
- 昔と比べて味が落ちた、小さくなったという声は本当ですか?
味の感じ方には個人差がありますが、一部の口コミでは「工場で作られたような味になった」「昔より小さくなった気がする」といった声が見られるのは事実です。一方で、「変わらず美味しい」「この甘さ控えめなあんこが好き」という根強いファンの声も多数あります。原材料価格の高騰など、企業努力だけでは吸収しきれない社会の変化が、商品の価格やサイズに何らかの影響を与えている可能性も考えられます。
- 丹波屋の求人は「きつい」という噂を聞いたのですが、実際はどうなのでしょうか?
確かに、過去には拘束時間の長さや労働環境の厳しさを指摘する声がありました。しかし、現在の公式採用サイトを見てみると、「ノルマは一切ありません」「希望の休みは100%取れるようになっています」「50代60代の女性が活躍中」といった、働きやすさを前面に押し出した募集がかけられています。過去の反省を踏まえて、労働環境の改善に努めているようなので気になる方は話を聞いてみると良いでしょう。
- なぜ「売れ行きが悪いとすぐ閉店する」と言われているのですか?
これは、あるネット上の書き込みがきっかけで広まった噂のようです。その真偽は定かではありませんが、丹波屋は駅前の一等地など、比較的人通りの多い場所に出店するケースが多かったため、家賃などの固定費も高かったと推測されます。そのため、採算が合わないと判断した場合の撤退の決断が早かった、という経営方針だった可能性は考えられます。実際に、高槻にあったお店は、必ずしも不人気だけが理由ではなく「この場所では狭い」という物理的な理由で閉店しており、ケースバイケースのようです。