プラステ閉店なぜ?セオリーとの違い・ダサくなったとの声も調査

ファーストリテイリンググループの一員として、きれいめカジュアルを好む大人たちから支持されてきた「PLST（プラステ）」。

一体なぜ閉店が相次いでいるのか、その理由が気になりますよね。

本記事では、プラステの閉店理由から、姉妹ブランドである「Theory（セオリー）」との違い、そしてブランドに対するリアルな声まで、徹底的に調査し、詳しくご紹介していきます。

プラステの閉店なぜ？閉店理由とは

多くのファンに愛されてきたプラステですが、なぜ閉店が相次いでしまったのでしょうか。

その背景には、アパレル業界全体が直面する課題から、ブランド固有の事情まで、いくつかの要因が複雑に絡み合っていると考えられます。

ここでは、考えられる3つの主な理由を、一つひとつ丁寧に解説していきます。

原料費や光熱費、人件費の高騰のため

まず考えられるのが、アパレル業界全体を襲っているコスト高騰の波で、近年、綿花などの原料価格の上昇や、輸送にかかる物流費、店舗を運営するための光熱費、そしてスタッフの人件費といった、服を生産しお客様に届けるまでにかかるあらゆるコストが上昇しています。

これはプラステに限った話ではなく、多くのブランドが直面している深刻な問題なのです。

プラステは、「ユニクロ以上、セオリー未満」という絶妙な価格帯が魅力の一つでしたが、このコスト高騰の状況下では、品質を維持しながら従来の価格を保つことが非常に難しくなります。

かといって、大幅な値上げをすれば、今度はブランドの魅力であった「値頃感」が失われてしまいます。

この板挟みの状態が、ブランドの収益を圧迫し、結果として不採算店舗の整理、つまり閉店という判断につながった可能性が考えられるのです。

コロナ禍によるライフスタイルの変化と通勤服需要の激減のため

次に挙げられるのが、私たちの生活を大きく変えたコロナ禍の影響です。

ステイホームやリモートワークが一気に普及したことで、人々の服装に対する考え方やニーズが大きく変化しました。

プラステは、もともと「きれいめ通勤服」やセレモニースタイルを得意としてきたブランドですが、オフィスに行く機会が減り、自宅で過ごす時間が増えたことで、こうした服の需要が大幅に減少してしまったのです。

この需要の激減はブランドにとって大きな打撃となり、実際に2020年8月期以降、4期にわたって営業赤字が続いてしまいました。

得意としてきた分野での需要が失われたことが、経営状況を悪化させ、全国に102店舗あった店舗網を維持することが困難になったのです。

結果として、事業の構造改革を余儀なくされ、大規模な店舗閉鎖に踏み切らざるを得なかった、というのが実情のようです。

ブランドアイデンティティの曖昧さと他ブランドとの競合のため

最後の理由として、ブランドの立ち位置が少し曖昧になってしまった可能性が考えられます。

プラステは「ユニクロの上位互換」、「セオリーの妹ブランド」といった表現をされることが多く、品質と価格のバランスが良い点が評価されていましたが、見方を変えれば、ユニクロほどの圧倒的な低価格とベーシックさもなく、セオリーほどの高級感やブランド力もない、「中途半端」な存在と捉えられてしまう危険性もはらんでいたのです。

ファッションに関心が高い層からは、「良くも悪くもコンサバ」で少し物足りないという声も聞かれました。

また、プラステと同じような価格帯には、数多くのセレクトショップや個性的なブランドがひしめき合っており、厳しい競争に晒されていました。

こうした中で、「プラステでなければならない理由」を明確に打ち出せず、顧客の心が離れてしまったことも、苦戦の一因となったのではないでしょうか。

プラステとセオリーの違いを徹底解説

プラステの閉店理由を考える上で欠かせないのが、姉ブランドである「Theory（セオリー）」の存在。

そもそもプラステは、セオリーから派生したブランドであり、両者は深い関係にありますが、そのコンセプトやターゲット層は大きく異なります。

似ている服もありますが、プラステのほうが安価なことが多く、手頃感はありますよね。

プラステがダサくなった？プラステに対する100人の声を調査

ブランドの評判を探る上で気になるのが、「ダサくなった」というようなネガティブな声です。

そこで、SNSやレビューサイトなどに見られる100件の声を調査し、その内訳と代表的な意見をまとめてみました。

【調査結果】

肯定的な声（シルエットが綺麗、機能的など）：65件
改善を望む声（デザインが物足りない、価格が高いなど）：35件

調査の結果、肯定的な意見が多数を占める一方で、デザインのマンネリ化や価格に対する不満など、改善を望む声も一定数存在することがわかりました。

長年のファンからは「昔の方が良かった」といった厳しい意見も見受けられました。

【代表的な口コミ】

「スティックパンツを履いたら、本当に脚がまっすぐ長く見えて感動しました。もうこれなしではオフィスに行けません！」

「きれいめで万人受けするデザインが多い分、もう少しトレンド感や遊び心のあるアイテムが欲しいと感じることがあります。」

「ユニクロの価格に慣れていると、やっぱり少し高く感じてしまいますね。品質が良いのは分かるのですが…。」

「大好きだったのに、近くの店舗が閉店してしまって本当に残念。オンラインだと試着できないので、パンツ類は買いにくくなりました。」

「数年前に買ったものと比べると、最近のものは生地が少し薄くなったような気がします。気のせいでしょうか…。」

「洗濯機で気軽に洗えるブラウスは、忙しい毎日の本当の味方です。着ていて疲れないストレッチ性も神レベル。」

「シンプルなデザインなのに、どこか上品で高見えするのが嬉しいです。ユニクロよりワンランク上の“大人感”が出せます。」

「仕事で着ていたジャケットを、休日はデニムに合わせるだけで様になる。着回し力がすごいので、クローゼットがスッキリしました。」

閉店ラッシュ？過去に閉店した店舗例

プラステの店舗数は、コロナ禍を境に大幅に減少しました。

2020年8月期には国内に102店舗を構えていましたが、構造改革を経てその数は半分以下にまで減っています。

具体的な閉店例としては、以下のような店舗が挙げられます。

上記は一例ですが、この他にも全国各地で閉店が相次ぎました。

百貨店やファッションビル内の単独店舗の閉店が目立ち、多くのファンから惜しむ声が上がりました。

向いている人

これまでの情報を総合すると、プラステは特定のニーズを持つ人にとって、今なお非常に魅力的なブランドであると言えます。

もしあなたが以下のようなタイプであれば、プラステの服はきっとあなたの日常にフィットするはずです。

Q&A

最後に、プラステに関してよくある質問や、少し踏み込んだ疑問についてQ&A形式でお答えします。

結局のところ、プラステとユニクロはどう違うのですか？

最も大きな違いは、ブランドが目指す方向性です。ユニクロが「LifeWear」というコンセプトのもと、あらゆる人の生活を豊かにする「究極の普段着」、つまり日常の“部品”となる服を目指しているのに対し、プラステは「最上質な日常着」を掲げ、より“きちんと感”や“きれいめ”なスタイルを提案しています。価格帯もプラステの方が上で、デザインもビジネスカジュアルを意識したものが中心です。簡単に言うと、ユニクロのシンプルさや機能性をベースに、より大人っぽく、より上品に見えるように作られたのがプラステ、と考えると分かりやすいかもしれません。

Theoryから派生したブランドなのに、なぜTheoryとはこんなにテイストが違うのですか？

それは、プラステの成り立ちに理由があります。元々プラステは「PLS+T（プラスセオリー）」という名前で、Theoryの商品などを扱うセレクトショップのような業態でした。しかし、ファーストリテイリンググループの一員となってから、Theoryとは異なる独自のブランドとして再構築されたのです。TheoryがNY発の洗練されたスタイルをグローバルに展開するのに対し、プラステは日本の働く女性のリアルなニーズ、特に「きれいめな通勤服」という独特の市場に深く寄り添う形で進化してきました。そのため、同じルーツを持ちながらも、全く異なるテイストのブランドへと成長したのです。

大量閉店したけど、ブランドは今後どうなってしまうのですか？

大量閉店と聞くと不安になるかもしれませんが、これはブランド消滅に向けた動きではなく、むしろ「再浮上」するための戦略的な構造改革の一環です。不採算店舗を整理する一方で、今後はユニクロの大型店舗内に「インストア」という形で出店する戦略を強化し、これまでプラステを知らなかった新しいお客様との接点を増やそうとしています。さらに、2025年秋冬からは、国内外で高く評価されているデザイナーの村田晴信氏をウィメンズのクリエイティブディレクターに起用しました。これは、商品力を抜本的に見直し、ブランドの魅力をさらに高めていこうという、ファーストリテイリンググループの本気の表れだと言えるでしょう。苦しい時期を乗り越え、プラステは今、新たな飛躍を目指す変革の真っ只中にあるのです。